動物病院の猫カフェが舞台、保護猫たちを描くほのぼの絵日記
福岡県行橋市門樋町の原田動物病院と、併設された猫カフェ「ゆくねこ」を舞台にした本「今日もゆくねこ」が出版された。病院で預かる譲渡目的の猫や犬などを主役に、ほのぼのとした日常がイラストと文章でつづられた絵日記。愛猫家でなくても楽しめる内容となっている。
■105話、飼育の注意点も紹介
著者は市内に住む美術大出身の女性hacoさん。4年ほど前、病院の前を通りかかり、猫カフェの猫に興味をもったのがきっかけだった。当初は毎日のように通い、スケッチしたり、写真に撮ったりし、ペンと色鉛筆で絵日記の作品を仕上げては病院に届けた。
登場するのは、猫カフェで新しい飼い主の登場を待つ「猫スタッフ」をはじめ、院長の村山真知子さん(64)や職員の「人スタッフ」たち。表紙は、村山さんが引き取ったメスの看板猫ミーコのイラストだ。
1ページに1話で、それぞれタイトルがついている。
「役得」は、人スタッフから哺乳瓶でミルクを飲ませてもらった子猫を、ミーコがなめる。それを見たhacoさんが「かわいがるんですね」と言うと、人スタッフは「こねこについたミルクをなめているだけです」。愛らしいイラストもほほ笑ましい。
「かぎしっぽ」は、尻尾の先端が曲がった猫は「しあわせをひっかけてくる、と言われています」と紹介。一方で、尻尾をケージにひっかけて宙づりになることもあり、注意を呼びかける内容だ。「バチバチ」は、冬場に猫をなでて静電気が発生する場面を描くなど、飼い主なら思い当たる事例がふんだんに盛り込まれている。
猫や犬を飼う上で有用な情報、注意点なども紹介している。105話を1冊にまとめ、病院が自費出版で1千部印刷した。村山さんは「観察力がすばらしい。大切なこともいっぱい書いてあるので参考にしてほしい。全国の動物病院の待合室に置ければ」と願う。
hacoさんは「実際には見ていないことも含め、おもしろい話をスタッフの方と共有できたので続けられました」と振り返る。絵日記の制作は現在も継続中で、130話に及ぶ。
本は病院のほか、同市宮市町の雑貨店「手づくり作家のお店 ものづくりroom Powan(ポワン)」で販売している。B5判110ページ、税込み1500円。売り上げの一部は猫スタッフの餌代などに使われる。
(久恒勇造)
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