秋田犬が国内より海外で大人気! 中国では富裕層のシンボル

台湾、イタリアなど海外に秋田犬を送り出してきた白井考児さんと玄英号=神奈川県厚木市
台湾、イタリアなど海外に秋田犬を送り出してきた白井考児さんと玄英号=神奈川県厚木市

 2018年は戌(いぬ)年。日本の大型犬の代表ともいえる秋田犬(あきたいぬ)の海外進出が進んでいる。「ハチ公物語」をリメイクしたハリウッド映画が公開されたり、ロシアのプーチン大統領に贈られたり。中国では富裕層が飼う動きもある。戸籍にあたる「犬籍」の年間の登録数は、16年に海外が国内を上回った。


 神奈川県厚木市のブリーダー「ケンネルシライ」は35年以上にわたり、台湾やイタリア、ブラジルなど海外の約20カ国・地域に500頭近くの秋田犬を送り出してきた。


 経営する白井孝児さん(77)によると、1987年に公開された日本映画「ハチ公物語」が2009年に米国でリメイクされ、海外での人気に火がついたという。妻の夕紀子さん(76)は「無駄にほえず、飼いやすい。忠誠心が強く『武士道』に通じると思われているようです」。イタリアやドイツなどでは秋田犬の品評会「アキタ・カップ」が開催され、頭数や体形、顔立ちなども「日本に負けないレベル」という。

 

 

■外交・観光でも

 12年7月には佐竹敬久・秋田県知事からプーチン大統領に子犬「ゆめ」が贈られた。メドベージェフ首相の北方領土訪問で日ロ関係は悪化していた時期。ゆめと同じ飛行機でロシアを訪れた玄葉光一郎外相(当時)によると、プーチン氏は会談で「ありがとう。知事によろしく伝えてほしい」と喜んだといい、関係改善を印象づけた。


 秋田犬をキーワードにして海外の観光客を増やそうと大館市などが立ち上げた社団法人「秋田犬ツーリズム」によると、10年ごろから検索サイト・グーグルで「秋田犬(akita inu)」の検索件数が急増している。

 

 

■国内上回る登録

 秋田犬だと証明する「犬籍」を登録しているのは秋田犬保存会(本部・秋田県大館市)。国内で大型犬の人気は下がり気味で、年間登録数は72年の約4万6千頭をピークに、ここ数年は2千頭前後で推移している。これに対し、海外では12年ごろから急増し、16年に国内を上回った。昨年は10月末現在で国内2240頭に対し、海外は3432頭に上った。その7割ほどが中国での登録。「大型の秋田犬を飼うことが富裕層のステータスシンボルにもなっているようだ」と保存会はいう。


(山下剛)

 

◆キーワード

<秋田犬>
秋田原産の大型の日本犬で、成犬の体高は60~70センチほどになる。飼い主に忠実な性格が特徴。大正時代に保存運動が起こり、1931年には天然記念物に指定された。
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