家畜もペットと同じ大切な「相棒」! ギリシャ
ヤーサス!
7回目の今回は、ヤギや羊と、そのチーズにまつわるお話。
ブログタイトルの「しゃくし」部分多めのお話ですね!
ギリシャではヤギや羊をよく見かけます。郊外はもちろん、住宅街に近い地域でも、柵のある土地に放し飼いされています。彼らは主にミルクを採るために飼われていて、ヤギならヤギ専門…という訳ではなく、「ヤギも羊も乳牛もロバも! でも、数頭ずつ」という酪農家さんが多いです。
酪農家さんたちの家畜の扱いが、「産物を得るために育てている」という感じではなく、ペットの犬や猫などと同じく相棒のように接している雰囲気がとてもあたたかくて良いなと思います。「こっちにおいで、ほら、家に入るよ」などとやさしく語りかけているのです。
ヤギや羊のミルクをどうするかというと、やはり主にチーズを作ります。
ギリシャで一番たくさん作られ、お手頃価格なチーズはフェタチーズ。家庭料理に欠かせない食材です。毎日料理するようなお宅では、牛乳・ヨーグルト・フェタチーズは常に冷蔵庫に入っているとか。
このフェタチーズは、『ヤギのミルクから作られている』と世界中に知られています。私も「だから郊外や島でよく山羊を見るんだなあ…さすがフェタチーズの国!」と思ってきました。
でも、実は100%ヤギミルクなどで作られていたのは昔の話。現在ほとんどのフェタは「牛乳:ヤギまたは羊のミルク=7:3」で作られているそうです。個人的にはこれを知った時、結構なショックでした。
「Wikipediaにも『羊・山羊の乳から』作られると書いてあったからヤギチーズ食べているんだと思ってた。衝撃的」とギリシャ人の友人に言うと
「でもさ、こんなに安く買えるのは、牛乳多めで作っているからこそだよ」
と冷静にツッコミを入れられてぐうの音も出ない私。厳密なレシピは、コピーライトの問題でほぼギリシャ国内でしか知られていないこともあって、私のような誤解が起こっているようです。また、牛乳+ヒツジミルクで作られている場合は「ヒツジ」、+ヤギミルクなら「ヤギ」と、文字か写真で明記されています。
さて、ギリシャの食卓に欠かせないフェタチーズを使った代表的な料理のご紹介。
ギリシャで一番ポピュラーなサラダは英語で「Greek Salad」。日本では「ギリシャ風サラダ」「グリークサラダ」という名を耳にする事が多いでしょうか。
ギリシャ語では「ホリァティキ・サラータ」、直訳すると「田舎のサラダ」です。
中身はとてもシンプル。
トマト・キュウリ・玉ねぎ・完熟オリーブ・フェタチーズを乾燥オレガノ・オリーブオイル・塩・ワインビネガーで味付けするだけ。お店や家庭によってパプリカや、島の特産のケイパーが加わっている事も。
レシピはもう一つのおすすめ料理「ストラパツァダ」と一緒にくわしくフォトギャラリーに載せていますのでご覧くださいね。
住んでいるその島でとれた野菜を使ったこのサラダ、自分でも不思議なほど食べる手が止まらないし、しょっちゅう作ります。野菜もチーズも身近で新鮮だからだし、酪農家さんたちの、動物へのあたたかい接し方を日々眺めているからかな…と思っています。
動物と「ともに生きる」という視点を日常的に深く意識するようになったのは、ギリシャに住んでみて良かったなぁと思う事の一つです。
それではまた。タレメ・シントマ(また会いましょう)!
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。