猫の野生化防止へ 奄美大島・徳之島で、猫飼育の条例強化
野生化した猫(ノネコ)が希少動物を襲う問題を受け、奄美大島と徳之島の各自治体が6月定例議会に飼い猫の管理条例を強化する改正案を出し、それぞれ可決された。奄美大島では違反者への罰則を導入。徳之島では屋外で飼う猫への不妊去勢手術などを義務化し、罰則も強めた。
いずれもノネコにつながる野良猫を減らすのが目的。3日に奄美市議会が奄美大島5市町村共通の条例改正案を可決し、足並みがそろった。両島が目指す来夏の世界自然遺産登録を見据え、対策を急いだ。
奄美大島では、飼い猫の登録やマイクロチップの装着などの義務規定に違反し、行政の指導や勧告、命令を受けても対応がない場合に5万円以下の過料を科す。施行は来年1月から。島内5市町村は3月にチップ装着の義務化などを決めたばかりだったが、罰則を求める議会などの声を受けて改正した。
徳之島でも6月定例議会で、島内3町共通の条例を改正。屋外で飼う猫への手術を義務化し、5匹以上飼う場合は町の許可が必要とした。これまでも飼い猫の登録などをせず、行政指導にも従わない場合に2万円以下の過料があったが、今回の改正で5万円以下に引き上げた。
奄美市環境対策課は「罰則は住民の意識を高めてもらうのが目的。希少種が生息する島なので、協力してほしい」と呼びかけている。
(外尾誠)
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