殺処分ゼロめざす新拠点 三重県に動物愛護推進センター

あすまいる内の犬の飼育室=三重県津市森町
あすまいる内の犬の飼育室=三重県津市森町

 三重県津市森町に28日、県動物愛護推進センター(愛称・あすまいる)がオープンする。保健所に引き取られた犬や猫を飼育・展示して、飼い主に譲渡する新しい拠点となる。県内で昨年度は744匹の犬と猫が殺処分されたが、県はあすまいるの取り組みなどを通じて、2023年度までに殺処分をなくすことをめざす。


 センターは、飼育室やトリミング室、芝生のドッグラン(345平方メートル)などを備え、犬32匹、猫49匹を収容できる。研修室で動物の命の大切さを伝える教室を開くほか、災害時はペット関連のボランティア活動や支援物資の拠点になる。


 譲渡を待つ犬や猫の展示室は大きな窓があり、外から様子を見られる。職員と相談の上、動物に触れることもできる。「ぜひ犬や猫に会いに来て」と担当者。動物の写真をホームページに公開する予定だ。


 犬や猫の殺処分は全国で減る傾向にある。県内でも6年連続で減少し、5年前の5分の1になった。


 保健所に引き取られる動物の数も減った。改正動物愛護法が13年に施行されたことで、ペットの飼い主が動物の病気や引っ越しなどを理由に安易に引き取りを求めても、自治体が拒否できるようになったことが大きいとされる。県内の昨年度の引き取り数は1032匹で、改正前の3分の1になった。

 

 新しい飼い主を探すボランティア団体の協力で、保健所から譲渡される犬や猫も増えた。昨年度は県内で612匹が譲渡され、9割弱はこうした団体が受け皿になった。あすまいるへの問い合わせは、電話(059・253・1238)。

 

 

■野良猫に不妊手術、繁殖抑制

 飼い主のいない猫の繁殖を抑えることで、将来的に殺処分を減らそうとする取り組みも始まった。


 伊賀保健所の管内(三重県伊賀、名張両市)では、14~16年度、飼い主のいない猫407匹に不妊手術をして元の地域に戻した。猫の不妊手術をする公益財団法人「どうぶつ基金」が、手術費を負担した。


 伊賀市のある住宅団地で、猫の大小便などに苦情が相次いだのがきっかけだ。「猫の命は大切だが、繁殖しすぎて生活環境を乱される住民もいる。そのはざまで何とか命を救う方法を考えた」。当時の保健所職員、千田明郎さん(43)は話す。


 県や伊賀、名張市の職員、ボランティア、自治会の関係者らが猫を捕獲器でつかまえ、地元の獣医師も手術に協力した。住民から「せっかく捕獲した猫を地域に戻さないで」という声も出たが、千田さんらは「繁殖しないのでやがて地域の猫は減る。一代限りの命を見守って」と、1年がかりで説得したという。

 

保健所に引き取られた子猫を抱く千田さん(右)。今はあすまいる職員として動物の譲渡を推進する。
保健所に引き取られた子猫を抱く千田さん(右)。今はあすまいる職員として動物の譲渡を推進する。

 取り組みが始まって3年目の昨年度、伊賀保健所が引き取る所有者不明の猫は87匹になり、始める前の3分の1に減った。


(高木文子)

朝日新聞
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