仮設住宅に残された猫たち 獣医師らが去勢・避妊手術
宮城県山元町の高瀬西石山原(たかせにしいしやまはら)仮設住宅でネコが増えている問題を受け、仙台市宮城野区の獣医師、菅原康雄さん(69)が、ボランティアで去勢・避妊手術を始めた。繁殖を防ぎ、地域住民みんなに可愛がられる存在になればいい、と願っている。
同住宅は被災者の退去が進む一方、餌付けなどでネコが居着き、行き場をなくしている。菅原さんはこの状況について取り上げた朝日新聞社会面の記事を読み、心を痛めた。
ボランティアで被災地の仮設住宅を回り、飼われる動物たちの健康診断や狂犬病の予防接種をしてきた。「被災者の震災の傷を癒やしてきたネコが放っておかれている。繁殖を止めるのが獣医師の使命だと思った」。一緒に活動してきた蔵王町の県動物愛護推進員、小野恵さんとともに、ネコの面倒を見ている元自治会長の引地とも子さん(69)に手術を申し出た。
今月10日に仮設を訪ねて確認できた生息数は、約40匹。小野さんが1回に3~4匹を捕獲し菅原さんの動物病院に連れて行き、手術をして戻す。これまで20匹の処置を済ませた。
町には「餌代を援助したい」「ふるさと納税をするから対策を取ってほしい」といった問い合わせが相次ぎ、引地さんにも義援金が寄せられた。仮設は7月ごろには閉鎖される見通し。引地さんは「良い知恵を出していきたい」と話す。
(桑原紀彦)
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