盲導犬の仕事って? ラブラドルレトリバーが小学校を訪問、実演
盲導犬ってどんな仕事をしているのかな? 岡山市と倉敷市の小学校5校で「盲導犬学校キャラバン」が23~25日の日程で開かれ、目の不自由な人の生活を支える盲導犬の役割や能力について児童たちが学んだ。
日本盲導犬協会島根あさひ訓練センターの主催(日立グループ協賛)。24日には岡山市立宇野小学校(岡山市中区)であり、4年生126人が参加した。
同センター職員の中村士(つかさ)さん(29)と盲導犬の広報活動をするPR犬でラブラドルレトリバーのウィティ(4歳)が、盲導犬の仕事や訓練などを実演を交えながら説明した。
中村さんが、盲導犬は信号の色の意味がわからず、利用者とともに車の音や足音で横断歩道などを渡っていいかどうかを判断していることを話すと、児童らから「へー」「すごい」と驚きの声が上がった。
中村さんは「盲導犬はほめてもらうことで仕事を好きになる」「盲導犬ができることは障害物をよけること、曲がり角で止まること、段差の前で止まることだけ。何でもできるわけではない」と説明。「目の不自由な人たちを見かけたら、声をかけてみなさんの目を貸して」と呼びかけた。
この後、児童4人がアイマスクをして障害物が置かれた道をウィティと歩いた。体験した児童たちは「不安だったけど、ウィティに任せて歩けた」「目が不自由な人には声をかけていきたい」と話した。
■年々減少し不足状態 県内は16匹、育成に課題
盲導犬の数は年々減少傾向にあり、不足状態が続いている。
2011年に全国盲導犬施設連合会と日本盲導犬協会が実施した調査によると、全国で推計約3千人が盲導犬を希望している。だが、厚生労働省によると、盲導犬の数は昨年3月末時点で966匹(県内は16匹)にとどまる。
中村さんは「盲導犬の育成団体のほとんどが寄付や募金で成り立っていて、安定した運営が難しいことなどが背景にあるのではないか」と分析する。
「盲導犬は限られた店にしか入れない」「ペット禁止のマンションでは一緒に暮らせない」といった誤解をしている人も依然として多いといい、中村さんは「盲導犬はどの店にも、どの住宅にも入れます。理解が広まって盲導犬をさらに利用しやすい社会になって欲しい」と話している。
(本間ほのみ)
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