わが家で愛犬のトリミング、簡単なお手入れポイントは?
《犬を飼っています。トリミングに連れて行っても、すぐに毛が伸びてきます。自分で簡単なカットくらいできるようになりたいです。 大阪府吹田市 植山ひろみさん(65)》
■サロン代の節約になり、健康観察にも役立つ
愛犬のトリミングやシャンプーのほうが自分の美容院の費用よりも高くつく……。トイ・プードルなどの長毛種と暮らす飼い主であれば、誰もが一度は抱く悩みだろう。
投稿者の植山さんが飼っているのは15歳のヨークシャー・テリアで、名前はもも太。ペットサロンでトリミングをしてもらっても40日ほどで毛がボサボサになるという。「ほぼ毎月、5千円くらいかかるから本当にたいへん。もも太も高齢になったので身体への負担も気になります。せめて2、3カ月に1回のペースにできたらいいのに」
日本ペットサロン協会の調査(2016年度)ではシャンプー・トリミングにかかる平均費用は1回当たり5351円。「5千円以上6千円未満」という飼い主が29・2%、しかも「1カ月に1回程度」が35・2%にのぼる。
「自宅でも簡単なお手入れはできます」というのは西武ペットケアのエリアマネジャー、吉田絵理さん。同社が展開するペットサロンのうち関東地方の6店舗を担当しており、毎月50~60匹の犬のお手入れをしている。
準備しておくのは、ペット用のすきばさみやバリカンなど。ペット用品店で入手できる。犬は、テーブルや洗面台など腰の高さくらいの場所に乗せると、大抵はおとなしくなり、切りやすい。
まずは肉球の間から伸びた毛、脚もとのすその部分、おなかの下をすきばさみで切っていく。すきばさみなら、ざく切りしても見た目が悪くなりにくい。脚もとやおなかの下を切る際には、地面と水平にはさみを入れていく。
はさみが不安な人にはペット用バリカンもお薦めという。バリカンだと、過って皮膚を切ってしまう危険も少ない。丸刈り風で構わないなら、背中や身体の側面の毛も手軽に刈れる。長毛種でなくても、愛犬の肛門(こうもん)まわりの毛の長さが気になる場合は、バリカンで刈っておけば、清潔に保つことができるという。
難しいのは顔。人間用の鼻毛切りばさみを使うと安全だが、「特に耳まわりを自分で切って、ケガをさせてしまう飼い主さんが多い。難しいと思ったら、無理をしないように」と吉田さん。
自宅である程度のカットをしておけば、ペットサロンに通う頻度は減らせるはずだ。加えて、「愛犬の身体をよく観察することになるので、健康状態の変化にも気づくことができる」という。
■シャンプー、一部の猫も 工夫で楽しい時間に
お手入れで大事なのがシャンプー。せっかくなら「犬にとっても楽しく洗われてほしい」と思うのが「親心」だ。
シャワーの音が苦手な犬もいるので、弱めの水流でお尻のほうからぬらしていく。時々おやつをあげながらお湯をかけると、「シャンプーされるのが楽しい時間だと思うようになりますよ」と吉田さん。ペット用シャンプーを薄め、よく手で泡立ててから使うことで、すすぎの時間を短縮できる。
シャンプーは一部の猫にも必要だ。「猫の中には、犬よりも身体が脂っぽくなる子がいます。また、抜け毛や毛玉が気になる子にもしてあげたほうがいい」というのは、東京都足立区で「ペットハウス シアンシアン」を経営する根本裕介さん。多い時で月60匹ほどの猫を扱う。
猫を洗ったり乾かしたりする際には首輪にリードを付け、シャワーポールなどに結びつけておく。脂っぽくなりやすいのは下半身なので、顔などは洗わなくてもよい。
難しければ、犬猫ともにペット用品店などで売っているウェットシートタイプのシャンプーを使ってもいい。例えば、ペット用品大手のライオン商事の「ペットキレイ シャワーシート」は、シャンプーが身体の負担になってしまう老犬・老猫、幼犬・幼猫にもおすすめという。
猫のトリミングは基本的には不要だが、毛玉ができてしまう猫や長毛種で夏の暑さに弱い猫などの場合、ペットサロンに連れて行くといいそうだ。根本さんは、「猫は皮膚が薄く伸びるので、自分でカットして傷つけてしまう飼い主が少なくありません。カットが必要だと思ったら、なるべくプロに任せて。猫を飼っているトリマーを探せば、猫の動きをある程度予測してくれるので安心ですよ」とアドバイスする。
愛犬は柴犬(しばいぬ)で自然に毛が抜けるためカットなどは必要ありませんが、自宅でのシャンプーの時に鳴き叫び、近所迷惑でもあったので、おやつ作戦を試してみたいと思います。愛猫は長毛種で毛玉ができがちなので、シャンプーにトライしたものの……ドライヤーで乾かしている最中に逃走。家中いたるところ水浸しになりました。怒りをぐっとこらえて拭き掃除。猫も家もきれいになりました。でも次はウェットシートタイプを使います。(太田匡彦)
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。