保護犬・猫、シニアと生きる 一時預かりボランティアも

みーと高梨司郎さん、玲子さん夫妻。司郎さんは「みーちゃんはわがままな孫です」と笑う
みーと高梨司郎さん、玲子さん夫妻。司郎さんは「みーちゃんはわがままな孫です」と笑う

 捨てられて保護される犬や猫。高齢だったり病気を抱えていたりして新たな飼い主が見つかりにくい場合もあります。「ペットがほしいけど最後まで飼えるか不安」というシニア層に、そういう犬や猫の「受け皿」になってもらおうという動きが広がっています。

 横浜市の有料老人ホームで、高梨司郎さん(78)、玲子さん(73)夫妻は猫のみー(メス、推定7、8歳)と暮らす。ホームは「生活科学運営」(東京都港区)が運営し、ペット同居可だ。

 飼い始めたのは3年前。司郎さんの気持ちが沈むことが多くなったのがきっかけ。動物愛護団体「ちばわん」の譲渡会で代表の扇田桂代さん(41)と知り合い、譲り受けた。扇田さんは「人柄や緊急時に連絡が取れる人が周りにいるかなどを勘案して、譲渡を決めています」と言う。

梶原由美子さんに引き取られたクリ。梶原さんのもとで幸せに過ごしている
梶原由美子さんに引き取られたクリ。梶原さんのもとで幸せに過ごしている

 横浜市の病院職員、梶原由美子さん(79)は、東京電力福島第一原発事故のあとに福島県川内村で保護されたクリ(オス、推定8歳)を動物保護団体「ニュータウン動物愛護会」から引き取り、育てている。クリは保護した時から後ろ脚がまひしており、いまも梶原さんが1日2回、おむつ交換をしている。

 梶原さんはクリ以前にも24匹の保護犬、保護猫を引き取り、みとってきた。引き取るのはすべて高齢だったり、病気を抱えていたりする犬猫。「高齢の子たちなら、自分でもまだ面倒が見られると思って」と話す。

 ニュータウン動物愛護会では、犬猫の平均寿命を考え、子犬や子猫は60歳以下の人にしか譲渡しないが、高齢や病気がちの犬猫は高齢者にも譲渡している。同団体の日向千絵代表は「高齢者の方は経済的、時間的に余裕のある方も少なくない。考慮のうえ、たとえば65歳の方には5歳以上の犬猫を譲渡するようにしています」。

 動物愛護団体「日本動物福祉協会」でも、新しい飼い主が見つからない保護犬、保護猫を、一時的に預かってもらうボランティアとして高齢者世帯に期待する。

 犬や猫にとっては保護施設で多頭飼育されること自体がストレスになることもある。一方で、ペット本位の考え方ができる高齢者ほど、自身の健康や寿命を考慮して新たに犬猫を飼うことをためらう傾向がある。このため、バックアップ体制を整えた上で、高齢者に一時預かりボランティアをしてもらう。

(太田匡彦、湊彬子、山田理恵)


■飼育放棄など問題に

 ペットと自らの余命を考えて新たに犬猫を飼育することをあきらめる高齢者がいる一方で、全国の自治体では、高齢者が亡くなったり入院したりなどで、犬猫を飼い続けられなくなったことによる持ち込みが増加し、問題になっている。

 改正動物愛護法では、動物の所有者は「動物がその命を終えるまで適切に飼養(終生飼養)することに努めなければならない」と定められている。東京都などは「高齢者による飼育放棄の増加傾向に強い問題意識を持っている」としている。また、高齢者に犬猫を譲渡しない自治体や動物愛護団体も少なくない。

 ほかにも、高齢者が中・大型の犬を制御できずに逃がしてしまったり、その犬が咬傷(こうしょう)事故を起こしたりする事例も全国で相次いでいる。

朝日新聞
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