愛犬と車中泊、家は全壊「ペット可の避難所があれば」
大震度7の地震が2度も襲った熊本県などでの一連の地震。朝日新聞は23、24両日、避難生活を送る108人にアンケートし、取材した。余震が続く中、避難所や車で暮らす人たちはどんなことに困り、何を求めているのか――。
多くの人が経験した「車中泊」。余震への恐怖やプライバシーの確保を理由に挙げる人が目立った。
16日の本震後、夫婦で車に8連泊した南阿蘇村の農業、渡辺俊郎さん(68)は「避難所のスペースがなかった」と話した。高齢の両親は避難所に入れたが、「自分と妻までお願いするのは申し訳なかった」。夜は公衆トイレ近くに車を止め、寒くなるとエンジンをかけた。異状はなかったが、妻はエコノミークラス症候群を心配して病院に行った。空きができたと聞いて、24日になって避難所に入った。「久しぶりに床の上で寝られます」
自宅が半壊した益城町のパート従業員、陣妙美さん(63)も15日以降、町内のグランメッセ熊本に車をとめ、車中泊を続けていた。「避難所であっても、建物の中にいるのは怖い」
車いすを使う西原村の鈴川将司さん(42)は村民体育館の駐車場で車中泊を重ねていた。本震で家は全壊。両親は体育館で過ごすが、自身と妻は愛犬と車の中へ。「犬も過ごせる避難所があればいいのに」と話した。
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