ヒトと犬の長~いつき合い、感じて 遺跡からの貴重な出土品
兵庫県立考古博物館(播磨町大中1丁目)で新春展示「ひょうごの『かわいい戌(いぬ)』」が開かれている。今年の干支(えと)の戌にちなんで、館蔵品の中から犬の形をした出土品3点が並んでいる。観覧無料で31日まで。
同館によると、日本人と犬との関わりは約9千年前の縄文時代早期までさかのぼる。人と一緒に狩りをする猟犬などとして大切に扱われていたとみられ、犬の墓も残っている。県内では淡路市の佃遺跡で約3500年前(縄文時代後期)の犬の骨が出土したという。
今回は15世紀前半の室町時代につくられ、安産のお守りや玩具として使われていたとみられる犬の土製品2点(いずれも長さ約5センチ、高さ約4センチ)を展示。居館跡の「沢構(さわかまえ)跡」(市川町)と「広根遺跡」(猪名川町)からそれぞれ出土し、よく似たひょうきんな表情だ。姫路城跡や大坂城跡からもこれらとよく似た犬の土製品が出土しており、どこでつくられたかは不明だが、広く流通していた可能性があるという。
「珉平焼(みんぺいやき)窯跡」(南あわじ市)から出土した明治時代後期につくられたとみられる陶器製の犬(長さ約9センチ、高さ約6センチ)も愛くるしい表情をしている。すずりに水を差すための容器で中が空洞になっており、輸出用につくられたが生産中に失敗し、捨てられたものとみられている。
担当者は「人と犬との身近な関係を感じてもらえたら」と話している。
月曜休館、9日は休み。問い合わせは同館(079・437・5589)へ。
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