イヌ・ネコの症状辞典

乳房が腫れている、しこりがある

 イヌやネコの乳腺にゅうせんは、胸部から腹部全体にわたって存在し、通常、イヌでは5対、ネコでは4対の乳頭があります。

原因
 
 イヌ、ネコにみられる乳腺腫瘍にゅうせんしゅようには、良性と悪性があります。イヌでは良性と悪性の比率は半々ですが、ネコでは悪性である危険性が非常に高く、早期の治療が必要です。
 イヌ、ネコに乳腺のれや熱感がみられる場合は、乳腺炎にゅうせんえんが疑われます。イヌでは、炎症性乳癌えんしょうせいにゅうがんという非常に悪性の腫瘍しゅようができることもあるので注意が必要です。
 乳房は腫れ、熱感、しこりなどで、異常を知ることができます。
●腫れ、熱感
 イヌやネコの雌は、生理的に出産の約10日前から乳房が発達します。必要な授乳を終え、子イヌ、子ネコが離乳するようになると乳房は速やかに退縮します。また、動物が発情後、偽妊娠の状態になると乳房が張ってくることもあります。
 しかし、これら生理的な要因とは別に、乳房が腫れたり、熱感を帯びているときは、乳腺炎が考えられ、痛みを生じることもあります。
 また、しこりがある、乳房に赤紫色の発赤がある、強い痛みがあるなどの症状がみられる場合は炎症性乳癌が疑われます。

●しこり
 乳房(乳頭の中やその周辺)に腫瘍ができると、触れたときにコリコリとした硬いしこりがあります。乳腺腫瘍は雌だけでなく、雄にも発生します。
観察のポイント
 
 乳房の異常は見つけやすいので、日頃からよくさわって観察しておくことが重要です。
●発情や交配の有無
 妊娠しているときや出産後なら、乳腺が腫れてきても正常です。また、発情後に偽妊娠となって腫れる可能性もあります。発情の時期を観察しておいてください。

●しこりの数
 しこりは一カ所とは限りません。ほかの部位にできていないか注意深く探してください。

●しこりの変化
 しこりを見つけた時期、大きさの変化、急激に大きくなっているかどうか観察してください。

●出血や発熱、痛み
 乳腺腫瘍があり、これらの症状が重なっているときは炎症性乳癌の危険性があります。

●後ろ足が腫れている
 乳腺腫瘍ができると、血液や体液の流れが悪くなり、後ろ足が腫れることがあります。

●ほかの症状を伴う
 乳腺腫瘍があり、呼吸状態が悪くなっている場合は、肺へ転移している危険性があります。
考えられる主な病気
 
■腫れ、熱感
乳腺炎[イヌ、ネコ]
炎症性乳癌[イヌ、ネコ]

■しこり
乳腺腫瘍[イヌ、ネコ]
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