尿が出にくい
尿は
排尿姿勢をとるものの尿がまったく出ない、あるいは少ししか出ない、尿をポタポタと漏らすなどが典型的な症状です。
まったく排尿できない状態が長く続くと、
排尿困難は、イヌ、ネコともに起こりますが、雌よりも雄によくみられます。
- 原因
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膀胱から
尿道口 (尿の出口)までの間に腫瘍 や結石などがあると、障害物となって排尿困難を起こします。
●腫瘍
膀胱や尿道に腫瘍があると、それが排尿路を塞 いでいることがあります。また、子宮や膣 、直腸に発生した腫瘍が、尿道を外側から圧迫するために排尿困難を起こす場合があります。
●前立腺 の異常
尿道は前立腺の中を貫通しています。このため、腫瘍や膿瘍 などによって前立腺が肥大すると、尿道が圧迫されて排尿困難を起こします。
●膀胱結石
結石は雌でも雄でも形成されますが、雄のほうがより排尿困難の原因になります。これは雄の尿道が雌に比べて細く長いためです。
とくに、雄ネコでは砂のような細かい結石が排尿困難の原因になります。
●尿道が曲がる
会陰ヘルニアや鼠径 ヘルニアなどを起こしたときに、膀胱が腹腔 内から脱出してしまうことがあります。このような場合は、尿道が折れ曲がって排尿困難を起こすことがあります。
- 観察のポイント
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●日頃の排尿状態
排尿回数は個体差があります。日頃から、動物の排尿状況(回数や1回の排尿量、色など)をよく観察しておくことが大切です。
●尿が出ない期間
尿がまったく出なくなったり、出にくくなったことに気づいたら、早めに受診してください。なかでも、まる1日尿が出ていない場合は急いで獣医師の診察を受けてください。
●ほかの症状を伴う
嘔吐 を伴うときは、尿毒症 を併発している危険性があります。
●間違えやすい膀胱炎
膀胱炎になると排尿後も残尿感が残ります。実際には膀胱に尿がたまってないのに、残尿感があるため、動物はずっと排尿姿勢をとっていることがあります。ともすれば、飼い主は、このような状態を排尿困難と思い込んでしまいます。
- 考えられる主な病気
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尿結石(膀胱結石など)[イヌ、ネコ]
前立腺肥大[雄イヌ]
前立腺の腫瘍[雄イヌ]
子宮や膣の腫瘍[雌イヌ、雌ネコ]
直腸の腫瘍[イヌ、ネコ]
下部尿路感染症(膀胱炎など)[イヌ]
特発性下部尿路疾患[ネコ]

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