イヌ・ネコの症状辞典

血を吐く

 肺、気管支などの呼吸器系から出血し、せきとともに血を吐く場合を喀血かっけつといいます。

 これに対し、口の中、のど、食道、胃・十二指腸などの消化器系から出血して血を吐く場合を吐血とけつといい、喀血と区別します。

原因
 
喀血かっけつ
 喀血では、吐き出した血液は鮮紅色で、血液に泡が混じっていることが多々あります。
 ネコの咳は、イヌに比較して不明瞭ふめいりょうです。また、呼吸器系から吐き出された血液をすぐに飲み込んでしまうことが多いため、ネコの喀血に気づくことは非常にまれです。
●喀血の原因
 喀血は、誤って異物を気道内に飲み込んだり、交通事故やけんかなどによる気管や肺の損傷によって気道内で出血した場合にみられます。気管支や肺、心臓などの病気や腫瘍しゅよう、血液の病気などによっても起こります。


■吐血
 吐血では、胃・十二指腸などから出血した場合は黒ずんだ色をしています(口の中・のどなどの上部の消化器から出血した場合は黒ずんでいません)。また、吐血では、黒色便がみられることもあります。
●吐血の原因
 吐血は、口の中・のどからの出血、食道や胃の病気・腫瘍、血液の病気などによって起こります。
観察のポイント
 
●出血の確認
 一般に、動物は血を吐いても飲み込んでしまうことがあり、出血を見つけにくいことがほとんどです。
 激しい咳をした後や、喀血が疑われる場合は、苦しがったり暴れたりしない程度に口の中を観察し、口の中に血液が付着していないかどうか確認しましょう。

●血を吐いた状況
 どのような状況で血を吐いたのか観察してください。突然に起こったのか。回数は1回のみか、繰り返しみられるのかどうか。記録しておきましょう。

●前触れの有無
 血を吐く前に吐き気、痛み、咳、鼻血などの症状がありましたか。異物を誤飲した可能性はないでしょうか。また、以前に呼吸器や心臓、消化器が悪いと診断されたことがなかったでしょうか。

●吐いた血液の状態
 吐いた血液の量、色はどうでしょうか。吐いた血液の色や性状(前述)により、喀血か吐血かを判断することができます。また、血液以外の混入物がないかどうか観察してください。

●咳の状態、呼吸状態の観察
 咳の強さや頻度、呼吸数や呼吸状態、粘膜の色やチアノーゼの有無を観察します。

●血を吐いた後の状態の変化
 出血量が多い、激しくせき込む、呼吸困難、チアノーゼなどの症状がみられたら、生命の危険にさらされているかもしれません。できる限り早く、獣医師の診察を受けてください。
考えられる主な病気
 
■喀血
犬糸状虫症[主にイヌ]
心不全による肺水腫[イヌ、ネコ]
重度の呼吸器系疾患[イヌ、ネコ]
血小板減少症[イヌ、ネコ]
播種性血管内凝固(DIC)[イヌ、ネコ]
血友病[イヌ、ネコ]
喉頭、気管、肺の腫瘍[イヌ、ネコ]
胸部の外傷[イヌ、ネコ]
異物の吸引[イヌ、ネコ]
激しい咳[イヌ、ネコ]
けんかによる肺の損傷[イヌ、ネコ]

■吐血
口腔内、のどの外傷[イヌ、ネコ]
食道、胃の炎症[イヌ、ネコ]
口腔の腫瘍[イヌ、ネコ]
食道の腫瘍[イヌ、ネコ]
胃の腫瘍[イヌ、ネコ]
血小板減少症[イヌ、ネコ]
播種性血管内凝固(DIC)[イヌ、ネコ]
血友病[イヌ、ネコ]
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