心臓の拍動に乱れがある
心臓は一定のリズムで拍動していますが、心臓の拍動(心拍)回数は、体や心臓の状態によって変化します。
この調節には自律神経やホルモンなどが関与しています。
- 原因
-
●自律神経
心臓を支配している自律神経には脈を速くする交感神経と、脈を遅くする迷走神経の2系統があります。
●ホルモン
ホルモンでは、副腎 や神経の末節から分泌されるアドレナリン、ノルアドレナリンが重要です。これらのホルモンは、心臓の収縮力を強くし、脈を速くする作用があります。
●その他
心臓の拍動に影響するものとして、血液中のカルシウムやカリウムなどのイオン、酸素の濃度、代謝産物、血圧などがあります。激しい運動をして、体中の代謝が急に盛んになると、心臓の拍動は増加します。
健康でも激しい運動や興奮、体温が高い場合などは心臓の拍動数が増加します。
しかし、運動したわけでもないのに、心臓の拍動に異常がみられることがあります。なかには、心臓の機能が低下するような重大な病気にかかっていることもあります。
- 観察のポイント
-
●心拍回数
イヌやネコで、ひどく太っていなければ、左側あるいは右側の胸壁で、前足の肘 があたる部位に手をあてると心臓の拍動が伝わってきます。左右の後ろ足の付け根付近に走行する動脈の拍動を数えることによっても、心拍数を測ることができます。
心拍数や拍動のリズムには個体差があるので、日頃から心拍数や拍動のリズムを観察しておくとよいでしょう。
1分間における心拍数の目安を表に示しましたので、参考にしてください。
なお、心拍のリズムが乱れたもの、不規則になったものを不整脈といいます。
正常な心拍数(1分間)の目安
【子イヌ】:毎分220回まで
【成犬】:毎分70~160回
【トイ犬種】:毎分180回まで
【ネコ】:毎分90~240回
●心臓の拍動の乱れ方
不整脈には、心臓の拍動が遅くなる場合と速くなる場合、拍動のリズムが規則的な場合と不規則な場合に分けられます。
●ほかの症状を伴う
心臓の拍動に乱れが生じると、心臓から送り出される血液の量が減少して、様々な症状を伴うようになります。
軽度なものでは症状をほとんど示さないことがあり、少し安静にするだけで回復する場合もあります。
しかし、重度なものでは失神を起こしたり、心臓の拍動が停止してしまう場合もあります。
疲れやすかったり、安静時にもかかわらず呼吸が速かったり、粘膜が青白かったり、失神やけいれん発作などがみられた場合は、獣医師の診察を受けてください。心電図検査などによる正確な検査が必要となります。
- 考えられる主な病気
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不整脈[イヌ、ネコ]
心臓の腫瘍[主にイヌ]
自律神経の緊張[イヌ、ネコ]
代謝性疾患(電解質異常など)[イヌ、ネコ]
低酸素症[イヌ、ネコ]
内分泌疾患[イヌ、ネコ]
貧血[イヌ、ネコ]
ショック状態[イヌ、ネコ]
発熱[イヌ、ネコ]
低体温[イヌ、ネコ]
中毒[イヌ、ネコ]

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