イヌ・ネコの症状辞典

皮膚がおかしい

 皮膚は、紫外線や外的圧力など外界からの様々な刺激から体を保護したり、細菌やウイルスの侵入を防いだり、体温を維持(保温)するなどの働きをもちます。また、過度の水分消失を防止(乾燥防止)したり、体を防水するなどの役割も果たしています。

 そのほか、皮膚は寒冷や痛みなどを感知する感覚器としての役割もあります。

 イヌやネコの皮膚は、被毛で覆われているため、皮膚の異常が見つかりにくく、異常に気づいたときには、すでに進行している場合があります。

原因
 
 皮膚の色に変化があったり、湿疹しっしん、しこりなどがある場合は、病気が考えられます。また、かゆがる様子がみられるときは、寄生虫に感染している可能性があります。
観察のポイント
 
●皮膚全体が黄色っぽい
 黄疸おうだんが考えられます。

●皮膚が青紫色、赤紫色である
 皮下における出血が考えられます。皮下の浅い部位で出血が起こった場合は赤紫色になり、深い部位で出血が起こった場合は青紫色になります。
 外傷など思いあたることがなく、青紫色あるいは赤紫色のあざがみられた場合は、血小板減少症など血液の病気が考えられます。

●皮膚に赤いはんがある(紅斑こうはん
 皮膚病のなかでもっともよくみられる症状です。紅斑は皮膚に炎症が起こり、血管が拡張していることを示しています。皮膚に紅斑がみられる場合は、皮膚炎が考えられます。

●湿疹がある
 湿疹は皮膚炎にみられる主な症状の一つです。

●しこりがある
 イヌやネコは中年以降になると、皮膚腫瘍ひふしゅようの発生率が高くなります。皮膚の腫瘍には、良性と悪性があります。
 乳腺腫瘍にゅうせんしゅようは、避妊していない雌では発生率が高くなり、まれに雄にも発生します。

●かゆみがある
 かゆみは、皮膚炎(アレルギー性、内分泌性、外部寄生虫性など)、感染(細菌、真菌、外部寄生虫)などが原因で起こります。
 食事内容を変えた後にかゆがるようになった場合は、食物アレルギーが疑われます。
 一緒に暮らしているほかのイヌやネコがかゆがっている場合は、ノミ、ダニ、疥癬かいせん、シラミなどの外部寄生虫感染の可能性があります。

●異臭がする
 皮膚の感染(細菌、真菌)、皮膚の壊死えし、皮膚にできたしこりが破れた場合などに起こります。

●ふけがある
 アレルギー性や脂漏性皮膚炎などでみられます。

●外部寄生虫の有無
 イヌやネコの皮膚、毛、およびイヌやネコが生活している場所にノミ、ダニなどがいないかどうかよく調べます。
考えられる主な病気
 
先天性疾患(先天性魚鱗癬、白皮症、皮膚無力症など)[イヌ、ネコ]
角化異常症(原発性特発性脂漏症、亜鉛反応性皮膚症、ビタミンA反応性皮膚症など)[イヌ]
内分泌性疾患(副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症など)[主にイヌ]
アレルギー性疾患(アトピー性皮膚病、ノミアレルギー性皮膚炎など)[イヌ、ネコ]
自己免疫疾患(天疱瘡、エリテマトーデスなど)[イヌ、ネコ]
犬ジステンパー[イヌ]
細菌感染
膿皮症[主にイヌ]
真菌感染症(皮膚糸状菌症など)[イヌ、ネコ]
クリプトコッカス症[主にネコ]
外部寄生虫感染症[イヌ、ネコ]
日光性皮膚炎[イヌ、ネコ]
猫対称性脱毛症[ネコ]
皮膚の腫瘍[イヌ、ネコ]
好酸球性肉芽腫症候群[ネコ]
溶血性貧血[イヌ、ネコ]
血小板減少症[イヌ、ネコ]
肝臓疾患[イヌ、ネコ]
乳腺の腫瘍[イヌ、ネコ]
じんま疹(注1)[イヌ]
皮下膿瘍(注2)[ネコ]
黒色表皮肥厚症(注3)[イヌ]

注1【じんましん】皮膚の一部が突然赤くなってれ、ひどいかゆみを伴う病気。ほかの発疹ほっしんやかゆみを伴う皮膚病と異なり、症状は数時間あるいは数日で消える。
注2【皮下膿瘍ひかのうよう】皮下組織の細菌感染によって起こる。皮下にうみがたまり、盛り上がることもある。
注3【黒色表皮肥厚症】皮膚炎が長期間にわたる場合に、皮膚が厚くなったり、メラニン細胞が活性化して黒色の色素が付着した状態。
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