痩せる
食事をきちんととっていないとき(摂食不良)、食べているけれど栄養分を体内に取り込めないとき(消化・吸収不良)、また、吸収した栄養を体内で必要に応じて利用できないとき(代謝異常)に
- 原因
-
イヌやネコが痩せる原因には様々なものがあります。なかには、一過性のもので、病気ではないこともあります。たとえば、夏になると暑さのために食欲が減退したり、ストレスで痩せることもあるでしょう。また、高齢のせいで痩せることもあります。
でも、急激に痩せてきたような場合は、病気が原因となっているかもしれません。主に消化器の病気、心臓病や腎臓病 、糖尿病、腫瘍 などにかかっていると、痩せることがあります。
- 観察のポイント
-
痩せてくると、筋肉や皮下脂肪の量が減るので、
肋骨 や背骨がごつごつして目立ってきます。
●定期的な体重測定
急激に痩せてくる場合は、見た目の変化も大きく、体が小さく見えたり抱いたときに軽く感じたりするので、容易にわかることが多いようです。
しかし、元気そうにしていても、定期的な体重測定を行いましょう。長期にわたって体重がゆっくり減少する場合は、病気にかかっていることがあります。体重の増減は、健康状態を知る大切な目安になります。
●食事の摂取量
食事や環境の変化に神経質なイヌやネコは、必要な食事量をとらないで、痩せていることもあります。食事の摂取量に変化がないか観察してください。
●飲水量の増加
以前は、太っていて、しっかり食べていたのに、最近だんだん痩せてきたような場合で、極端に水を飲むようになり、おしっこの量が増えていると、糖尿病にかかっているかもしれません。
●年齢(老化)
老化に伴う体重減少と考えていると、実際は病気の場合がよくあります。異常がないかどうか注意して観察してみましょう。
●咳 をする、呼吸状態に変化がみられる
咳や呼吸に異常がみられるときは、心臓の病気が原因となっている危険性があります。
●口が痛そう
食べようとするのに、においだけかいでためらう、食べたとき痛そうに鳴いたり首をひねって口から出してしまう、いつもにおいのあるよだれを口の周りにつけているような場合は、歯肉炎や口内炎の危険性があります。
歯石 が多量についていないか、歯ぐき(歯肉)が赤く腫 れていないか、観察しましょう。
●吐く、下痢をしている
食べても吐いたり、下痢をしてしまうときは、消化器の病気のおそれがあります。肝臓や腎臓の病気でも同様の症状がみられます。
- 考えられる主な病気
-
口内炎[主にネコ]
歯周組織の腫瘍[イヌ、ネコ]
口腔軟組織の腫瘍[イヌ、ネコ]
歯周病[イヌ、ネコ]
歯肉炎[イヌ、ネコ]
消化管内寄生虫症[イヌ、ネコ]
犬糸状虫症[主にイヌ]
僧帽弁閉鎖不全症[主にイヌ]
門脈体循環短絡症[主にイヌ]
慢性特発性腸疾患(腸リンパ管拡張症)[イヌ、ネコ]
胆石症[イヌ、ネコ]
慢性肝臓病(慢性肝炎、肝硬変、肝線維症)[イヌ、ネコ]
脂肪肝[主にネコ]
膵炎[イヌ、ネコ]
胃内異物(毛球症など)[イヌ、ネコ]
慢性胃炎[イヌ、ネコ]
食道拡張症(巨大食道症)[イヌ、ネコ]
腎盂腎炎[イヌ、ネコ]
糸球体腎炎[イヌ、ネコ]
副腎皮質機能低下症[主にイヌ]
甲状腺機能亢進症[主にネコ]
糖尿病[イヌ、ネコ]
腫瘍[イヌ、ネコ]
これまでに3,000件以上もの相談が寄せられています。
みなさんの心配事に似ている過去の事例がないか、症状、病気、体の部位、薬、犬種・猫種など気になるキーワードで、相談・回答を検索してみましょう。
みなさんの心配事に似ている過去の事例がないか、症状、病気、体の部位、薬、犬種・猫種など気になるキーワードで、相談・回答を検索してみましょう。