イヌ・ネコの症状辞典

ショック状態

 ショック状態(虚脱きょだつ)とは、意識が低下し、立ち上がって体を動かすことが困難な状態をいいます。

 ショック状態は、臓器の機能障害によって、急激な血液の循環障害を起こします。その結果、酸素やぶどう糖などの必要エネルギーの供給を細胞が得られなくなって、ショック状態に陥ります。ほとんどすべての病気がショックに進展する危険性があります。

 具体的な症状として、動物は横たわり、体温の低下、歯ぐき(歯肉しにく)の蒼白そうはく、異常な呼吸、失禁(尿・便漏れ)などを起こします。

 生命の危機が、きわめて近くに迫っており、このような状態をみたら躊躇ちゅうちょせず、獣医師の診察・治療を受けてください。

原因
 
 多くは交通事故、中毒、熱射病、日射病、血栓症、てんかん重積などで、突然、起こります。
 もともと、もっている病気(基礎疾患)がさらに悪化してショックを起こすことがあります。肝疾患、腎疾患じんしっかん、心臓疾患、代謝性疾患などになると、ショック状態に陥ることがあります。
観察のポイント
 
 次のような症状が現れていないか、観察してください。
●意識が低下している、姿勢がおかしい
・立たせようとしても立てない、意識が低下しているようにみえる。
・横たわったまま四肢だけ無意識に動かしている(遊泳運動)。
・横たわったまま首を伸ばし、頭を後方に反らせるような姿勢をとっている。

●眼球の動きがおかしい
・眼球が規則性をもって上下もしくは左右に往復運動をしている(眼振がんしん)。
・眼球に刺激を与えても、まったく動かさず、反応がみられない。
瞳孔どうこうが散大しているか縮瞳しゅくどうしている。

●呼吸がいつもと違う
・呼吸が無呼吸であったり、ほとんどしていないようにみえる。寝ているような状態にみえる。
・呼吸が不規則、促迫しているようにみえる。

●歯ぐきの色がいつもと違う
・歯ぐきの色がきれいな薄ピンク色ではなく、濃かったり逆に薄かったりする。

●体温の異常
・熱射病にかかると、体温が40℃以上の高温になる。ショック状態では、ほとんどの場合、38℃以下になる。

●失禁する
・意識がほとんどないにもかかわらず、尿や便が漏れてしまう。
考えられる主な病気
 
〈脳疾患〉
発育障害(水頭症)[イヌ、ネコ]
髄膜炎[イヌ、ネコ]
てんかん重積[イヌ、ネコ]

〈代謝性疾患〉
肝性脳症[イヌ、ネコ]
副腎皮質機能低下症[主にイヌ]
糖尿病[イヌ、ネコ]
低血糖症[イヌ、ネコ]
甲状腺機能低下症[主にイヌ]
敗血症に起因する脳症[イヌ、ネコ]

〈心臓・循環器疾患〉

〈呼吸器疾患〉

〈腎臓疾患〉
尿毒症[イヌ、ネコ]

〈感染症〉
犬ジステンパー[イヌ]
猫伝染性腹膜炎[ネコ]

〈薬物中毒〉
鉛中毒[イヌ、ネコ]
不凍液(自動車用)による中毒[イヌ、ネコ]

〈その他〉
腫瘍[イヌ、ネコ]
熱射病、日射病[イヌ、ネコ]
事故による脳外傷[イヌ、ネコ]
事故による内臓破裂[イヌ、ネコ]
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