水をたくさん飲む、おしっこの量が増える
摂取する水分の量とおしっこの量(尿量)が増えることを多飲多尿といいます。また、トイレに何回入っても、少量しか尿が出ない状態を
- 原因
-
毎日の飲水量は、尿をつくる
腎臓 やのどの渇き、腎臓の働きを補助するホルモンの働きで決まっています。したがって、腎臓やホルモンに異常が起こると、様々な症状が現れるようになります。
腎臓でつくられる尿の過程に何らかの異常が起こって体内の水分が不足するようになるとのどが渇き、飲水量が増えるようになります。また、精神的に影響を受けるような出来事があったり、薬の服用、腎臓に関与するような病気になっても、似たような症状を起こすことがあります。
- 観察のポイント
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飲水量や尿量にどのような変化が起こっているか、注意して観察してください。
●健康な飲水量とおしっこの量
1日の飲水量の目安は、体重1kgあたり40~60mlです。異常がみられたら、毎日決まった時間に水分摂取量を測るとよいでしょう。
1日のおしっこ量の目安は、体重1kgあたり20~45mlです。
尿量を測るのは手間がかかってたいへんですから、毎日の飲水量を測ってください。飲水量が1日の目安となる量の2倍以上であれば、明らかに異常な状態です。
■1日に必要な飲み水の量とおしっこの量
飲み水の量=40~60ml おしっこの量=20~45ml(体重1kgあたり)
動物の体重を計算してみましょう。体重10kgのイヌは次のようになります。
飲み水は400~600ml おしっこの量は200~450ml(1日あたり)
●食物の種類、生活環境
一般に食物の種類や気温などの生活環境によって、飲水量は左右されます。とくにイヌは、運動量によって飲水量が増えますが、健康なら尿量が極端に増えることはありません。
●尿の色や性状
室内にトイレを設置すると、尿の観察ができます。尿の色が薄ければ、尿量が増えている可能性があります。尿がベタベタしていたら糖尿病かもしれません。
●避妊手術を受けていないイヌ、ネコ
陰部からおりものが出ていたり、腹部が張っている場合で、さらに元気がなくなったり食欲が低下しているのに、飲水量が極端に増えているようであれば、子宮蓄膿症 の危険性があります。
●元気や食欲はあるが、全身性の脱毛がみられる、腹部が張ってきた
イヌでは副腎皮質機能亢進症 が考えられます。
●元気や食欲が非常に盛んなネコ
老齢のネコでは、甲状腺機能亢進症 が考えられます。
●元気や食欲の低下、体重減少がみられる
イヌ、ネコでは、糖尿病、糸球体 腎炎、間質性 腎炎、上皮小体 (副甲状腺)機能亢進症などが考えられます。
- 考えられる主な病気
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糖尿病[イヌ、ネコ]
副腎皮質機能亢進症[主にイヌ]
副腎皮質機能低下症[主にイヌ]
上皮小体機能亢進症[イヌ、ネコ]
尿崩症[イヌ、ネコ]
腎不全[イヌ、ネコ]
腎性尿崩症[イヌ、ネコ]
糸球体腎炎[イヌ、ネコ]
尿細管間質性腎炎[イヌ、ネコ]
子宮蓄膿症[雌イヌ、雌ネコ]
甲状腺機能亢進症[主にネコ]
急性肝不全[イヌ、ネコ]
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みなさんの心配事に似ている過去の事例がないか、症状、病気、体の部位、薬、犬種・猫種など気になるキーワードで、相談・回答を検索してみましょう。
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