イヌ・ネコの健康医療相談

相談・獣医師回答・コメント

(質問主)


犬アイコン 犬 14歳 オス 柴

体重:8.0kg

飼育歴:13年8ヶ月

居住地:鹿児島県鹿児島市

飼育環境:屋外

はじめまして。
今年に入ってから睾丸の腫れ?に気がつき様子をみていましたが、6月頃やはり大きくなっているーピンポン玉からゴルフボールくらいでしょうか…でしたので近くの病院に連れて行きました。
診断は精巣腫瘍、おそらくセルトリ細胞腫だろうということで
年齢的なもの、詳しい検査を行ってみないとわからないがおそらく、手術は難しいだろうと言われました。
その日は睾丸に注射をうち、前立腺のお薬と抗生剤を2週間分いただいて帰りました。
その後、ネットなどで検索し
セカンドオピニオン目的で
違う病院に行ってみました。
そこでも、精巣腫瘍で間違い無いだろうという診断。ですが、様々な検査をしてみて、手術ができそうなら手術を勧めるとのこと。でしたので、フェラリア検査、血液検査、レントゲン、エコーをしていただいてその結果、多少、貧血は見られるものの、肺や他にも転移もなさそうで心臓も高齢ではあるが耐えられる範囲であろうとのこと。
早めの手術を勧めると言われました。色々なお話を聞いて私だけでは決め兼ねたので一旦、家族で話し合おうと…持ち帰りました。が、
見事に意見がわかれました。
この子にとって最良の選択がなんなのか
…意見がわかれた今、とても悩んでいます。
一日でも長く一緒にいたい。
先のことは誰にもわかりませんが
良き、アドバイスがありましたら
背中を押していただきたく相談いたしました。長々となりましたがよろしくお願いいたします。

日時2019-08-25 13:13:56

専門の獣医師からの回答

精巣の腫瘍はセルトリ細胞腫、精上皮腫(セミノーマ)、間細胞腫(ライディッヒ細胞腫)の3種類があり、その発生率は同程度と言われています。また、一つの精巣に複数の腫瘍が同時発生することもあります。セルトリ細胞腫と精上皮腫は転移することがありますが、転移率は低く(10%前後)、間細胞腫は転移することはありません。確定診断には病理組織学的検査が必要となるため、術前に鑑別することは困難です。治療は外科的な摘出ですが、手術適応かどうかを慎重に判断する必要があります。一般的には、転移がなく、麻酔リスクの評価で問題がなければ、手術適応と判断します。ただし、セルトリ細胞腫では、高エストロジェン血症による骨髄抑制が認められる場合がありますので、その場合は例え転移が無くても手術不適応と判断します。術後の病理組織学的検査の結果、完全切除で転移を示唆する所見がなければ、根治が期待できます。もし、不完全切除や転移を示唆する所見(脈管浸潤有り)が認められた場合は、抗癌剤治療が有効です。
高齢犬の場合、年齢だけで手術の適否を判断するべきではないと思います。個体ごとに手術可能かどうかを客観的に評価し、自身の判断を飼い主様にお伝えすることが獣医師の務めだと思います。飼い主様は獣医師の判断に不安や疑問があれば、率直にお気持ちを伝えた方が良いと思います。ご家族でご意見が分かれているという現状も含めて、担当の獣医師ともう一度良くお話しされることをお勧め致します。

日時2019-08-31 01:14:34

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