イヌ・ネコの健康医療相談

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Kちー(質問主)


猫アイコン 猫 2歳 メス マンチカン

体重:2.6kg

飼育歴:1年7ヶ月

居住地:広島県江田島市

飼育環境:室内

5月4日に元気がないので受診に行くと、FIPの極めて強い疑いと診断されました。血液検査の結果と腹膜炎、腹水を確認したことからほぼ間違いないだろうとのことで、その時の腹水を今検査機関に調べてもらっていてその結果待ちです。治療はステロイドとインターフェロンの注射で、栄養と水分補給に点滴を3日間。連休中であったため家からかなり遠い病院に通っていたので先生とも相談し、近い病院に転院。そこで再度血液検査。FIPを否定出来る結果ではないが、概ね改善傾向。ただし、貧血の進行が深刻なレベルに近づきつつあるとのことだった。治療はステロイドを飲み薬に変えたこと、鉄剤の飲み薬が追加された事くらいで特に変わらず。当の本人は現在は好き嫌いを言うようになったものかなり食欲も回復、元気も出てきた感じ。
現在FIPが対症療法のみが中心と言うのは理解していますが、可能性があるかもしれない治療法も研究されているそうで、そうゆうのにかけてみたい気持ちもあります。もちろん検査結果がきて確定診断が下ってからですが。相談したいのは、FIPであった時、延命措置以外の治療の紹介と、腹水の検査が陰性だった場合、FIPの可能性は消えるのか?また他に考えられる病気として何か?です。

日時2019-05-09 14:13:44

専門の獣医師からの回答

とてもご心配なことと拝察致します。
プレドニゾロンとインターフェロンによる治療を受けておられるとのこと。
残念ながらFIPであった場合の確実な(完治が十分に期待できる)治療法は確立されていません。腹水があるとのことですので、現在の薬に追加するのもとして、FIPによる血管炎を緩和するために血小板の機能を抑制する薬剤である「オザグレル塩酸塩水和物」を、5~10mg/kg宛て、1日1回経口投与、があります。
主治医にご相談なさってみて下さい。

腹水中にFIPの原因となるウイルスの遺伝子が存在するか否かを検査に出されているとのこと。FIPと確定診断された猫の7%(81頭中6頭)で遺伝子検査が陰性だったとの報告がございます。腹水中の遺伝子検査が陰性の場合は、他の原因による可能性が高いといえますが、検査の限界からFIPであっても検出できない場合がありますので、完全にFIPを否定することは出来ません(株式会社ケーナインラボ資料参考)。

FIP以外に腹水が貯留する原因は沢山ございます。例えば腹腔内に腫瘍が生じることによる腹膜炎。重度の肝炎や肝硬変で消化管の血液が肝臓を通過し難くなって(門脈圧亢進)貯留する場合。腎臓から血液中のアルブミンというタンパク質が尿に出て行ってしまったり、腸の異常でアルブミンが消化管に出て行ってしまったり、または肝臓でのアルブミンの産生量が少なかったりする(低アルブミン血症)ことによる腹水の貯留、などがあります。
臨床症状と経過、腹水の性状と遺伝子検査、血液一般検査などを総合的に評価することで、FIPの診断はほぼ確かなものに出来ると思われます。

大変な病気が疑われておりますが、どうぞお大事になさって下さい

日時2019-05-11 12:21:52

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