相談・獣医師回答・コメント
macaronberry(質問主)
犬 15歳 オス ラブラド-ル・レトリーバー
体重:23kg
飼育歴:2年5ヶ月
居住地:福島県いわき市
飼育環境:室内
今年の3月の終わりに口腔内(左のほっぺ)に腫瘍ができ、9月に切除(3cm大)しました。
抗癌剤(起壊死性のもの)を1度試したところ、右前肢(抗癌剤を投与した肢です)の肘のあたりがパンパンに腫れ、獣医師から血管を通っていく中で血管から染み出たかもしれないと言われ、壊死や最悪の場合の断脚の説明を受け帰宅しました。心配しましたが、翌日の午後から少しずつ腫れが引いていき、動きも以前のように戻り最近では気にならなくなっていたほどでした。ただ、右前肢が部分的に少しブヨブヨしていたのは気になっていました。そして昨日の昼間急に右前肢を床に付けなくなって***を引くようになり、今日は手根付近の腫れと熱感があった為受診しました。獣医師からは抗癌剤を使ってから3週間経過しているから可能性は低いと思うけど…と言われ、また呆然としてしまいました。
ステロイドと抗生剤を1週間分頂きひとまず帰宅しました。
必要最低限の動きはしますが相変わらず手根から先端にかけて浮腫んでいる様子で触られるのも嫌がります。
ラブの右前肢が今どういう状態でこれからどうなる事が考えられるのか 知りたいです。どなたかよろしくお願い致します。
2021-11-20 21:29:10
専門の獣医師からの回答
お話の内容からは、右前肢の症状は、抗癌剤の血管外漏出に起因した可能性が考えられると思われます。抗癌剤が血管外に漏出した場合、抗癌剤の種類、漏出した量や濃度にも依存するため、はっきりとしたことは言えませんが、一般的には局所の疼痛は漏出直後から、局所の浮腫や発赤は漏出後1週間くらいから、皮膚の潰瘍化は数週間経ってから起こり始めると言われています。重篤な細胞毒性反応が引き起こされると、ステロイド等の抗炎症剤を用いた治療での改善は難しく、数週間後に潰瘍を伴う組織壊死や皮膚の脱落が起こる可能性があります。そのような場合は、壊死組織のブライドメント(壊死組織除去)が有効とされていますが、ダメージの範囲が広い場合は皮膚移植、末梢での重度の血行障害の結果、指端の壊死を生じた場合は断脚が必要となることもあります。
現在のところ、熱感、腫脹、疼痛という炎症反応が起こっている状態だと思われますので、抗生剤とステロイドの投与で炎症が抑えられ、皮膚の潰瘍化等に至らなければ、予後は良いかもしれませんが、今後の経過を現時点で予測することは難しいと思われます。
2021-11-25 00:58:41
macaronberry(質問主)
この度は詳細に説明して頂き誠にありがとうございます。素人には到底分かりえない事態だった為教えて頂きとても助かりました。ステロイドと抗生剤を飲み始めてから日ごとに腫れが引いていき、触った時の拒絶反応もだいぶ薄れました。抗癌剤を試した日にすごく腫れた部位がなんとなくしこりのような硬い感じがするのが不安なのでまた土曜に受診します。回答してくださった先生のように詳しい説明があるとよいのですが。今後も注意深く様子を見ていきたいと思います。ご回答ありがとうございました。
2021-11-25 23:30:06
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