イヌ・ネコの健康医療相談

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そらみ(質問主)


犬アイコン 犬 12歳 オス ウェルシュ・コ-ギ―・ペンブローク

体重:17kg

飼育歴:12年4ヶ月

居住地:埼玉県さいたま市桜区

飼育環境:室内

細胞検査で肝細胞癌の可能性が高く手術を迷っています 5センチ位の腫瘍が肝臓の右側の根元近くにあります 奥まった所にあるので手術で全部取り切るのは難しく手術をしても再発すると言われました また
太い血管が近くを通っているので手術中に大量出血をおこし亡くなるリスクも高いと言われ手術を迷っています このような手術中に亡くなるケースは多いですか?手術した場合どれ位寿命が伸びますか?

日時2021-07-10 15:40:15

専門の獣医師からの回答

手術による死亡率は,専門的な病院で1割程度となります。
手術リスクは,年齢や合併症の有無に加えて,腫瘍の大きさや場所により異なります。
犬では肝臓を左側区域,中央区域,および右側区域に3分類しますが,手術の難易度は左側に比べて中央や右側は高くなります。特に右側区域は肝葉が後大静脈という太い血管に隣接するため,血管処理に手間がかかります。犬の肝細胞癌は人と異なりかなり稀な腫瘍であるため,手術成績や予後についての報告はわずかしかありませんが,2004年の海外論文で42例中2例(4.8%)が術中死し,いずれも右側区域の犬で大出血が原因であったことが報告されています。
私の病院において少なくとも術中死はなく,区域別の周術期死亡率もほとんど同じです。犬の肝細胞癌は,周術期死亡率は1割程度と決して低くないのですが,手術で完全摘出できることが多く,
周術期を乗り越えれば根治がのぞめます。
このため,他の疾患がなければ,手術により寿命をまっとうすることが多いです。
右側区域の肝細胞癌は巨大化すると手術難易度は極めて高くなりますので,早めに専門的な病院で手術を受けられるのが望ましいかと思います。

日時2021-07-16 06:48:49

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