イヌ・ネコの健康医療相談

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ちん(質問主)


猫アイコン 猫 9歳 メス 雑種

体重:5.0kg

飼育歴:8年8ヶ月

居住地:大分県大分市

飼育環境:室内

昨年10月歯肉炎にて受診時、採血にてGPT158、グロブリン5.6、血糖、ALP、TP、Alb、腎機能、貧血正常でした。

12月、グロブリン、TP、Albは正常範、GPTだけが386で、グリチロン服薬となりました。エコーでは、胆嚢には問題ないとのことです。肝臓にしこりもないようです。

1月のGPTは309で、グリチロン継続中です。
元気、食欲はあります。
避妊手術時の採血では、肝機能検査はしておらず、今回、採血したら高かったという状況です。

①GPTのみ高いとは、どういう状態なのでしょうか?
②GPT高値の原因わからず、このままグリチロンのみを長期服用し続けても大丈夫でしょうか?
③9月に三種ワクチンをしましたが、GPTと関係あるのでしょうか?
よろしくお願いします。

日時2021-02-07 16:35:56

専門の獣医師からの回答

肝酵素についてのご質問にお答えします。
まず,GPT(現在はALT)は,逸脱性肝酵素に分類される肝細胞に含まれる酵素の一種です。
体内に存在するALTはそのほとんどが肝細胞の細胞質に存在しており,肝細胞が傷害を受けると血液中に漏れ出します。
血液検査でALTが高いということは何らかの原因で肝細胞がダメージを受けたことを意味します。
ALTが高ければ高いほど多くの肝細胞が障害を受けていることになりますが,肝機能とは無関係です。
ALTは肝酵素の中で感度がもっとも高く,しばしば健康診断で認められる場合がありますが,今回の様に中等度以上の上昇が持続している場合には,問題です。
慢性的に肝細胞障害を起こすような原因がどこかにあるとお考え下さい。
ワクチン接種の際にアレルギー反応等の副反応が起こった場合にはALTが上昇することもありますが,ALTが上昇する原因は,多岐にわたり,肝臓疾患,さらには消化器疾患とは限りません。
そのため原因究明は容易でなく,肝生検(肝臓の病理検査)が必要となることもあります。
治療に関してですが,グリチロン投与が適切かどうかは原因や病態によるためコメントしかねます。
元気食欲に問題がない場合,どこまでの精査を行うべきかの判断は難しいのですが,肝臓は沈黙の臓器ですので,油断は禁物です。

日時2021-02-10 22:16:46

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