イヌ・ネコの健康医療相談

相談・獣医師回答・コメント

Hannah(質問主)


犬アイコン 犬 13歳 オス ミニチュア・シュナウザ-

体重:9kg

飼育歴:0年10ヶ月

居住地:秋田県湯沢市

飼育環境:室内

浸潤性脂肪腫かどうかはエコー検査でわかりますか?

愛犬の脂肪腫が浸潤性かもしれないということでct検査を勧められたのですが、麻酔を考えると考えてしまいます。

エコーで診断がつく、と記載している記事がネットで見つかったため、それが可能かお聞きしたく、質問させていただきました。よろしくお願い申し上げます。

日時2020-11-02 01:37:02

専門の獣医師からの回答

典型的な良性の脂肪腫は被膜に包まれており、可動性があります(皮膚と一緒に動きます)。外科手術は被膜を破らなければ、脂肪腫のみの摘出も可能です。筋肉に固着して可動性が無い(筋肉にくっついて動かない)場合、浸潤性脂肪腫である可能性があります。浸潤性脂肪腫が疑われた場合でも、完全切除できる大きさと場所でしたら、外科手術時に浸潤部位を確認し、取り残しが無いように周辺組織(浸潤が確認された筋肉など)と共に脂肪腫を摘出することで、根治が期待できます。今回、浸潤性脂肪腫が疑われ、CT検査が必要ということですが、脂肪腫が巨大化しており、完全切除が難しい部位に認められるということでしょうか?もし、そうでしたら、CT検査は手術方法を決定する上で、役立つと思われます。超音波検査で、綺麗な被膜構造が全周に亘って確認できれば、浸潤性がないと判断できると思われますが、そのためにはリニアタイプのプローブでの検査が必要だと思います。リニアタイプのプローブは詳細な画像を見ることができますが、深度に乏しい(あまり深い箇所は見ることができない)ため、巨大化した脂肪腫では役に立たないかもしれません。深い箇所までみることのできる、コンベックスタイプのプローブは、リニアタイプのプローブほど詳細な画質は得られませんが、脂肪腫が周囲組織と境界明瞭であることが確認できれば、浸潤性脂肪腫の可能性は低いと考えても良いかもしれません。
脂肪腫は良性腫瘍であるため、どんどん大きくなる傾向がなければ、13歳という高齢犬の場合、積極的な手術は行わないこともあります。ただ、どんどん大きくなる傾向がある場合や既に巨大化し、その大きさに起因した問題が生じるようであれば、麻酔リスクを慎重に判断した後に、外科手術を行うこともあります。
診察で心配なことがあるようでしたら、その旨を担当の獣医師に伝えて、納得された上で、検査、手術を受けられることをお勧め致します。

日時2020-11-04 22:58:32

Hannah(質問主)


非常に丁寧なご回答を頂き、ありがとうございます。

現在、胸と脇に大きな脂肪腫があり、夜中のいびきがすごいのでもしかしたら呼吸器系を圧迫などしているのでは、とかかりつけの先生に伺ったところ、もしそうなら浸潤性だろうと回答を頂いた次第です。

もし肺や気管を圧迫している場合はエコーなどでも判断できるのでしょうか。もしくはレントゲンなどの方がその場合は診断精度が高いのでしょうか。

近々歯石除去を行う予定ですが、麻酔をかけると言うことで同時に脂肪腫摘出もお願いしようかと思いましたが、一度に長い麻酔をかけるよりも短い麻酔を数回に分けた方が犬の身体への負担が少ないと先生がおっしゃいます。やはりその方がいいのでしょうか。飼い主としては何度も麻酔をかけるのもリスクになってしまいそうで怖いという思いがあるところが正直です。内臓(肝臓や腎臓)への麻酔の負担を考えると数回に分ける場合、麻酔はある程度の期間を空けるべきというような気もしますがどうなのでしょうか。

再度、この度はお忙しい中、大変詳細なご回答を頂き、ありがとうございました。心よりお礼申し上げます。

日時2020-11-07 12:45:31

いびきの原因は通常上部気道(喉から胸の入口まで)にあるため、胸と脇にある脂肪腫がいびきと関連している可能性は低いと思われます。体重が9kgとありますが、もしすごく太っているようでしたら、いびきの原因は肥満かもしれません(その場合は、減量すればいびきも治まると思います)。
腫瘤が胸腔内で肺や気管を圧迫しているかどうかを調べるには、レントゲン検査が有用です。超音波検査で胸腔内の気管を観察することはできません。
麻酔に関しましては、長時間の麻酔リスクが高いと判断される場合は、主治医の先生が言われるように2回に分けた方が安全かもしれません。近々歯石除去を行う予定とのことでしたら、術前の麻酔リスクの評価は既に終わっている(麻酔は可と判断されている)ということでしょうか?そうでしたら、後は実際に麻酔をかけた時の状態(術中の状態:モニターで監視します)や覚醒後(麻酔から覚めた後)の状態、術後の血液検査に問題がなければ、2回目の麻酔はそれほど時間を空けなくても大丈夫だと思います。もし、何か問題が生じるようでしたら、2回目の麻酔は再検討する必要があるかもしれません。

日時2020-11-07 18:11:32

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