相談・獣医師回答・コメント
かず(質問主)
犬 16歳 メス ミニチュアダックスフンド
体重:5.0kg
飼育歴:15年10ヶ月
居住地:大阪府和泉市
飼育環境:室内
2ヶ月ほど前より、お腹の服らみを確認。
食欲もあり、元気、排尿、排便異常なし。
かかりつけ医のレントゲン、エコー検査にて脾臓のしこり、腫瘍判明。
2ヶ月間食欲もあり、元気なため詳しい検査しないとわからないが悪性の可能性は低いが、良性でも腫瘍が大きいためてきることなら手術した方が良いが緊急性は低いとの診断。
緊急性は低いが、やはり手術はした方が良いが、年齢や出血多量のリスクを考えると様子見でもいいのではないかと言われています。
余命1年程度と診断されましたが、そんなに持つのかということと、腫瘍破裂等も考慮し、リスクをおって手術に踏み切るべきか、やはりリスクを考慮し、様子見で行くべきか悩んでいます。
2020-10-18 21:51:30
専門の獣医師からの回答
超音波検査で脾臓に腫瘤が見つかった場合、形態だけで腫瘍性病変(血管肉腫、リンパ腫、組織球性肉腫など)か非腫瘍性病変(血種や結節性過形成など)かを区別することは難しいと思われます。細胞診を実施することにより、診断が確定できる場合(リンパ腫など)もありますが、出血の危険性を伴う場合、細胞診は禁忌とされているため、診断を確定するには摘出した脾臓の病理組織学的検査が必要となります。
15歳10ヵ月という高齢犬の場合でも、腫瘤の血流が多い場合、腫瘤が大きい(3cm以上が一つの目安)場合、血管肉腫が疑われる場合は、腹腔内出血のリスクが高いと判断し、早期の摘出を考慮することがあります。ただし、麻酔リスクの評価と転移の有無の精査を行い、手術適応かどうかを慎重に判断する必要があります。もし、詳細な検査が未実施で、年齢のみで手術を迷われているようでしたら、担当の獣医師に検査を依頼し、その結果を踏まえて手術するかどうかを判断しても良いかもしれません。手術を行わずに経過観察を選択される場合は、腹腔内出血の危険性は残りますが、こまめに貧血のチェックをすることで早期の発見に繋がれば、出血を内科的に制御できる可能性も高くなると思われます。ちなみに貧血による症状は、可視粘膜の蒼白(在宅では眼の結膜や口腔粘膜が白っぽくなることで確認できます)、虚脱(ぐったりする)、活動性の低下(元気がない)などです。また、超音波検査で腫瘤の大きさを定期的にモニターすることや血液検査で貧血のチェックをすることも予後の予測に繋がると思われます。飼い主様のお気持ちを担当の獣医師にしっかりと伝えて、どの方向性で治療を進めて行くかをよくご相談下さい。
2020-10-20 19:32:13
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