イヌ・ネコの健康医療相談

相談・獣医師回答・コメント

bb(質問主)


猫アイコン 猫 13歳 メス 雑種

体重:不明

飼育歴:8年6ヶ月

居住地:東京都三鷹市

飼育環境:室内

数年前から連続するくしゃみが出始め、今年の春頃には30秒くらいくしゃみが続くようになったので受診して、抗生剤を注射してもらいました。2週間間隔で3回投与したところ回復しましたが、何度か同じ症状を繰り返すようになり、抗生剤が効かなくなりました。7月にはくしゃみよりも鼻水が片側からだけ出るようになり、いびきのような呼吸で苦しそうになりました。暗い場所にこもり、食欲がなくなりトイレにも行かず、3.8キロあった体重が約1ヵ月で2.6キロまで低下しました。通院中の病院で、鼻腔内リンパ腫の疑いということで、レントゲン、CT、エコーを行ったところ鼻腔内に異物なし。鼻腔粘膜、下顎リンパの生検での病理検査の結果、典型的なリンパ腫の所見はないが、大型のリンパ球が少数ながらみられ、リンパ腫を否定できないと考察されました。リンパ組織のクローナリティ検査では、B-cell、T-cellともにネガでした(IgHは3種類、IgLは2種類のプライマーでPCRを実施、いずれもネガ)。担当獣医師と相談し、まずは食欲回復を期待してこれまでのネブライザーでの治療に加え、プレドニゾロンの投与を開始したところ、数日で食欲が回復し、鼻汁も改善傾向がみられ、呼吸は正常に戻り、体重は数週間で3.2キロまで戻りました。獣医師の総合的判断では、様々な抗生剤への反応性が悪い一方、鼻汁が片側性であること、ステロイドにはよく反応していること、病理の結果ではリンパ腫を否定できないことから、ハイグレードリンパ腫の可能性が高いとの見立てです。二次診療施設での放射線治療を勧めていただきましたが、1からの検査やストレスを踏まえ、現在の病院で、実施するとしても弱い抗がん剤治療を希望しました。完全緩解ではなくQOL向上を優先させたいと思っています。抗がん剤として副作用が少ないとされるロムスチンとL-ASPをご提案いただいています。

そこでご相談したい点は、確定診断ができておらず、顔面の腫れなどもみられていない状況で、副作用が少ないとは言え抗がん剤治療を選択するべきか、選択するとしたらこのプロトコールが妥当と思われるのかご意見をいただければと思います。現在、ネブライザーと、ステロイドで食欲や排せつには問題なく、体重は徐々に戻りつつありますが、筋肉減少の副作用が出てきており、大腿筋がかなり影響を受けています。自発運動も減少気味です。よろしくお願いいたします。

日時2020-09-22 19:07:22

専門の獣医師からの回答

抗がん剤を使用する場合やはり確実な診断をしてから使用すべきと考えます。ロムスチンは全く副作用がないわけではないので、CTで異常がなく、PCRや細胞診でも強くリンパ腫を疑う所見がない症例に使うのはお勧めできないです。細胞診で大型のリンパ球がみられたとしても、反応で大きくなったリンパ節や正常なリンパ節でもそれはみられますし、PCRも陰性ならリンパ腫の確率はさらに下がります。ステロイドで反応したのは炎症が治まった結果とも考えられます。経過を見てさらなる悪化がみられたら、その時にもう一度CT検査や細胞診をしてリンパ腫の診断が確実になってから抗がん剤の治療をしてもよいのではないかと思います。ただし、もしリンパ腫であった場合、ステロイドの投与を先行させるとあとで抗がん剤が効きにくくなる可能性があります。

日時2020-09-28 21:13:13

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