相談・獣医師回答・コメント
maria(質問主)
犬 14歳 メス マルチーズ
体重:3kg
飼育歴:13年8ヶ月
居住地:静岡県御殿場市
飼育環境:室内
胆嚢炎について
エコーで胆のうの壁が厚い指摘されました。
吐くと肝臓の数値がALT跳ね上がっていた時が以前にありました。
ALPなどは上がりません。GGTも上がっていました。
それは自然にもとに戻るのですが。
この繰り返しをしてたからか?と思うのですが、
今は肝臓の数値はすべて正常です。エコーで胆のうの壁がずっと厚いのは
炎症が今も残っているからでしょうか?それにしても、吐いて数値が上がってた時もCRPや白血球はまったく問題なかったのですが。
胆のうの壁の厚さは炎症は今は起こしてなさそうなのにどうして厚いのでしょうか?
それと犬は寝てて吐くのでしょうか?
犬の吐くときのしぐさ、オエオエってしてゲボって吐きますが、
このようなしぐさを寝たままするってあるのでしょうか?
何も出てこないのですが、ここ最近2回もあったので寝てて吐くのはどんな時なのか不思議でお聞きしたいです。
2020-09-19 20:46:18
専門の獣医師からの回答
胆嚢炎と嘔吐についてのご質問に対してお答えさせて頂きます。
まず胆嚢炎に関しては,急性と慢性があり,細菌感染が原因である場合とそれ以外の原因で起こる場合があります。犬の胆嚢炎の多くは,胃腸炎や膵炎あるいは胆管肝炎などに合併して認められます。
胆嚢や肝臓は沈黙の臓器の代表格ですので,胆嚢炎による症状は,基礎疾患の悪化や,腹膜炎や閉塞性黄疸の原因となる肝外胆管閉塞などを重篤な合併症を起こさない限り,不明瞭のまま推移することも多いです。胆嚢壁がエコー検査でいつも厚いとなると,慢性胆嚢炎の存在が濃厚であり,石灰化が認められるようになる場合や胆泥や胆石が認められるようになる場合もあります。
逸脱性肝酵素のASTとALTは,肝細胞障害を意味しますが,胆嚢炎が重度であれば,胆嚢周囲の肝臓にも炎症が波及することで上昇します。誘導性肝酵素であるALPやGGTは,胆汁うっ滞や消化器疾患さらには内分泌性疾患やステロイド投与等さまざまな原因で上昇します。
CRPは主に急性炎症に反応するものですので,慢性胆嚢炎では腹膜炎や膵炎を伴わない限りあまり上昇しません。白血球も同様です。
慢性胆嚢炎の確定診断や原因究明には,胆汁検査による細菌検査や内視鏡検査による腸生検などが必要とありますが,病態が安定している老齢動物では,検査時の麻酔リスクを考慮して,内科的治療で様子をみるケースが多いかと思います。その場合は定期的な検査を行いながら,投薬を継続することになるかと思います。
嘔吐は様々な原因で認められ,一様ではありません。慢性胆嚢炎の疑いがある症例ですので,慢性腸炎や慢性膵炎が存在する可能性も高いと思われ,その場合の症状と矛盾はありません。
2020-09-26 10:52:08
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