イヌ・ネコの健康医療相談

相談・獣医師回答・コメント

シャラチノ(質問主)


猫アイコン 猫 11歳 メス 雑種

体重:2.9kg

飼育歴:10年6ヶ月

居住地:東京都足立区

飼育環境:室内

お世話になります。 海外に住んでいるものです。
登録時には、「海外」がなかったので、実家の方を登録させて頂きました。


飼い猫が「消化器のリンパ腫」と診断され 抗がん治療を始めましたが
こちらの国の私の住んでいる地域では 猫の抗がん治療が初めてだそうで、 少し不安もあるなか、
抗がん治療剤及び投与、用量、緩和ケアなどについて
アドバイス頂きたく投稿致しました。


猫)
・2009年7月生(避妊済み)
・FeLV/FIV 陰性
・体重:現在2.9kg
・慢性膵炎(Spec fPL:9.2)
・子猫の頃から食後の慢性嘔吐あり(ソーセージ型)


経緯)
子猫の頃から慢性嘔吐があり病院にずっと相談していましたが 特に異常が見当たらず、8歳の頃からは慢性膵炎と診断され、 ステロイドを継続投与していました。

ステロイド投与中には嘔吐がないほうだったのですが 2019年11月からは、ステロイド投与中にも 嘔吐が見られ(2回/月)、体重が3.2kgキープしていたものが 徐々に減り、2020年2月には2.9kgと、初めて3キロを切った事から 病院に相談し、検査をしてもらいまいした。
(食欲80~90%、便は正常でしたが、検査直後に下痢を一度しています)

検査は定期的に行っており、前回の検査は2019年の9月では(血液検査、腹部エコー、レントゲン)異常は見られなかったのですが、 2月11日に行った検査では、WBCの上昇、腹部に腫瘍らしきものが見られるとのことで、大学病院を進められました。
(行きつけの病院では、細胞診は無理だと言われました)

大学病院では、2月18日に血液検査、腹部エコー検査、細胞診検査などを行い、 大腸(横行結腸-下行結腸のあたり)に約3×4cmの腫瘍が発見され、 悪性リンパ腫瘍(大顆粒リンパ球増多症?"lage cell"とだけ言われました)と診断されました。

【抗がん治療内容】

・抗がんプロトコール: COP
・抗がん開始日   :2月18日
  1週目:ビンクリスチン 0.5mg/㎡/IV + PDS 5mg/Day
  2週目:1日目ビンクリスチン 0.5mg/㎡/IV + PDS 5mg/Day
      2日目(翌日)シクロフォスファミドの投与を行っており、
  これを4週繰り返し、2週間抗がん休薬(PDSのみ)を繰り返すそうで
  す。
  現在、1クール(4週)を終了し、
  2週間の休薬期間で、ステロイドのみの経口投与を行っております。

シクロフォスファミドは、 初回 300mg/㎡/IV の投与を行ったところ、 次の日から嘔吐、下痢が始まり、食欲不振がひどくなり、
更に、前日のビンクリスチンのIV投与後、ラインを維持したまま 翌日シクロフォスファミドの投与(IV)を行ったところ、 血管炎を起こしてしまったことから、 次回からは、用量を減らし、経口投与ができないか相談しましまして、 経口投与をすることになりました。

長くなりましたが、ここからが質問なのですが・・・。
猫の負担を考えて、シクロフォスファミドも200mgぐらいから始めたかったのですが、経口投与の場合、 1錠50mgで、
錠剤を分けるより、1錠で与えたほうが良いと言われ、
猫の体重からすると250mg/㎡の計算になりますが、
1錠(50mg)/SID 1日で全部で投与するように言われました。
(+ フロセミド 2mg/kg/BID)

点滴投与時にはあった下痢は今回の経口投与時にはなかったものの、
投与後、ひどい嘔吐があり、 かかりつけの病院にて、皮下点滴とセレニアを投与してもらい、 更に食欲不振が酷く、食欲増進剤(レメロン(15mg錠)1/4t/3日置き)を処方してもらって今日にいたります。

質問)
1)シクロフォスファミドの経口投与の場合、1日に全部投与するものなのでしょうか?
嘔吐があまりにも酷かったもので、心配になりました。

日本の知り合いの猫ちゃんは、2~5日に分けて投与していたと聞いたことがあったもので・・・。

猫に負担の少ない治療を第一に希望しております。
猫によって、治療方針などが違うことは承知しておりますが、 一般的にこのような場合、1錠1活投与などは身体に負担になりませんでしょうか。
日本では、どのような投与法を一般的にしていますでしょうか。


また、シクロフォスファミド経口投与の際、2日~5日に分けて投与する場合、フロセミドの投与は同じく、2~5日となるのでしょうか。


2)また、行きつけの動物病院で毎週抗がん剤を追加して飲ませるようにいわれており、抗がん治療を始めた日(2/18)から
メトロニダゾール 15mg/kg/BID 、
2/22から3/14までは、追加で エンロフロキサシン 5mg/kg/BID 投与するようにいわれています。

抗がん治療開始前日に、一度下痢をしましたが、現在、血便、下痢などの症状はありません。

3月11日に行った血液検査で、
WBCの数値が下がったことから(31→12.9)
エンロフロキサシンの投与は中断し、
メトロニダゾールの投与は続けるように言われました。

抗生物質をこのように長期間投与して大丈夫なものか、心配になりました。
日本の場合、抗がん治療の際、予防的抗生物質の投与は どのように行われているものなのでしょうか。
継続投与で問題はないでしょうか・・・?

3)緩和ケアの際の鎮痛剤について 「猫の生活の質」を第一に考えたい。 という旨は、大学病院のほうにも、かかりつけにも伝えてあります。 痛みのケアは積極的に取り入れたいと思っているのですが、 大学病院では、緩和ケアは、かかりつけで相談するように言われ、 かかりつけのほうでは、現在処方できるのはガバペンチンしかないとのことで、
ガバペンチンを 0.5mg/kg/BID 投与し続けています。

ガバペンチン、痛みケアに意味がありますでしょうか。
日本では、どんな薬剤を使っているか気になります。
医療について無知ではありますが、 書籍などに載っていた Pain scale5段階のチェックを独自で行ったのですが、 1段階(周りとの距離をとる、普段好きだったおもちゃなどに興味は見せるが、目で追うだけ、患部に触れると反応をみせたりみせなかったり)ぐらいが当てはまりました。


2)その他、ご指摘、ご指導頂ける内容があれば、教えていただければ幸いです。


お忙しい中、長文となってしまい申し訳ありません。
次の抗がん治療スタートの前に参考にできればとおもい、 こちらに相談させて頂きました。
どうか宜しくお願いいたします。

日時2020-03-19 15:08:48

専門の獣医師からの回答

ご質問に回答させて頂きます。
質問1)
猫の場合、シクロフォスファミドの投与量は、200~250mg/ m2が一般的だと思われますが、10mg/kg、150mg/m2という報告もあります。投与方法は、猫では経口投与が難しいため、単回(1回に全量投与)の静脈内投与が推奨されています。経口投与も可能ですが、その場合は単回でも分割(1週間の間に全量を数回に分けて投与する)も効果に大きな差はないと思われます。どのような投与量、投与方法を選択するのかにつきましては、薬剤強度を優先する(最大の効果を期待して高用量を投与する)か副作用軽減を優先する(薬剤を低用量から初めて徐々に増量する)かは、猫の年齢、飼い主様の要望、獣医師の経験などから判断する形になると思われます。また、重篤な副作用が認められた場合は、薬剤の減量、変更(シクロフォスファミドの場合はクロラムブシルへの変更)、中止を検討します。
投与されたシクロフォスファミドは、腎臓から尿として排泄され、薬剤を含んだ尿が長時間膀胱に留まることにより、出血性膀胱炎が起こりやすくなると考えられています。フロセミドの併用は、利尿をかけることにより、薬剤が膀胱内に留まる時間を短縮させ、副作用を軽減させることが目的です。従って、シクロフォスファミドを分割投与する場合には、投与毎にフロセミドの併用が必要です。また、寝てしまうと尿が膀胱に溜まりやすくなりますので、シクロフォスファミドは午前中に投与することも大切です。
質問2)
 副作用として骨髄抑制がみられる抗癌剤を使用する場合、白血球数(特に好中球数)をモニター(通常は1回/1週間)することにより、副作用(骨髄抑制)の発現状況を評価します。白血球数が減少した場合は、抗癌剤投与による副作用(骨髄抑制は通常は可逆性(時間が経てば回復する))が疑われるため、二次感染防止を目的として、抗生物質を併用します。また、白血球数が増加し、感染が疑われた場合も、抗生物質を併用します。抗癌剤投与による白血球数減少は、薬剤により最下点(白血球数が最も減少する時期)が予測できるため、その時期にだけ抗生物質を投与するという方法が理論的には可能ですが、個体差も大きく、検査結果での確認が必須となりますので、薬剤耐性とうい観点からは好ましくないと思われますが、長期に抗生物質を併用しているというのが現状だと思われます。
質問3)
 緩和治療についてですが、消化器型リンパ腫で痛みのコントロールが必要になった症例を私は経験したことがありません。ガバペンチンは「てんかん」で使用される薬剤という認識なので、今回どのような目的で使用されているのかは、主治医の先生にご確認ください。勉強不足で、申し訳ありません。
質問4)
 ひとつだけ、気になることがあります。今回、COPプロトコールで1クールが終了したとのことですが、寛解の程度(完全寛解(腫瘍が消失した)、部分寛解(腫瘍が小さくなった))は、どうだったのでしょうか?現時点で完全あるいは部分寛解の状態でしたら、その状態を維持するために、副作用対策をとりながら同様のプロトコールを継続する形で良いと思われます。もし、寛解が得られていない状態でしたら、別のプロトコールへの変更が必要になると思われます。抗癌剤による治療は、効果と副作用を比較して、どちらを優先させるかで実施の可否を判断しますので、主治医の先生とよくご相談ください。

日時2020-03-20 23:33:52

シャラチノ(質問主)


お忙しい中、とても詳しくわかりやすい説明、本当にありがとうございました。

説明不足で申し訳ありませんでした。
腫瘍に関する検査は、3月31日、2クール目を始める日に血液検査と腹部超音波検査を行うとのことでした。
来週の検査時におっしゃって頂いた内容も踏まえ、よく相談してみようと思います。

緩和ケアの部分についても、ご説明ありがとうございます。「猫が苦しまないように」とばかり思ってしまい、正確な判断ができていないのかもしれません。ガバペンチン投与についてかかりつけの先生ともう一度お話してみます。


藁をもつかむ心境でしたが、色々ご説明頂き、本当に本当にありがとうございました。

日時2020-03-22 11:26:14

 

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