イヌ・ネコの健康医療相談

相談・獣医師回答・コメント

チョビ(質問主)


猫アイコン 猫 12歳 オス 雑種

体重:6.1kg

飼育歴:11年2ヶ月

居住地:栃木県宇都宮市

飼育環境:室内

バイトリルの投薬量について。

12歳、オス、室内飼いのエイズキャリア猫。

先日、慢性鼻炎が悪化したため、かかりつけの病院に受診したところ、インターファロンの注射と、1日1回の内服薬としてバイトリル50mgが処方になりました。
その日の夜に服用させたところ、散瞳がみられ、いつもより大人しく、ずっと甘えてきたりと、いつもとは違う様子でした。
その日は、なぜ様子が違うのか分からず、また、次の日には散瞳も落ち着いておりました。
また夜になり薬を服用させようとしたのですが、その日、薬を口にするのを嫌がり、すり潰した薬をチュールに混ぜたものを3回舐めただけで全量服用させられませんでした。それからまもなく、再度散瞳がみられました。
もしやこれは薬のせいなのか?と思い、バイトリルについてインターネットで調べてみると、日本獣医師会のHPに、このような記載がありました。
以下、抜粋。
『米国におけるバイトリル®過剰投与患猫にきわめてまれに発現した視覚異常事例  2000年7月に米国バイエル社より臨床医師宛てにインフォメーションレターが出された.注意喚起のため以下にその抜粋を掲載する. 『弊社動物用薬品事業部には,バイトリル®(錠剤・注射)で治療された猫において,きわめてまれではありますが,盲目症,一過性の盲目症,部分的な盲目症および散瞳といった視覚障害が認められたとの報告が近年寄せられております.報告を基にした過去10年間における視覚障害発生率は,122,414頭に1頭(0.0008%)の割合であると推計されます.この副作用事例の報告は,1997年7月に,米国におけるラベルの表示が,従来の経口投与による用量 が2.5mg/kg/bwでの1日2回投与から,5~20mg/kg/bwでの単回投与あるいは半量 ずつの2回投与に変更されたことと関連性があるように思われます. 弊社は,本件を徹底的かつ客観的に調査するために,American College of Veterinary Ophthalmologyの眼科専門医の協力を得て,特別な安全性試験を現在実施しております. 結果は試験が終了次第報告させていただきますが,すでに実施されております予備試験の結果 において,用量依存的に視覚障害が発生することが示唆されています.その最も重篤な症状は薬剤を1日当たり50mg/kg/bwで投与された猫において,投与後1週間以内に観察されましたが,承認投与用量 の下限であります1日当たり5mg/kg/bw投与の猫については,副作用はまったく観察されませんでした.このことより,今回バイトリル®錠の猫における使用用量 を1日当たり5mg/kg/bwを超えないよう注意していただくようお願い申し上げます。』

体重6.1kgの猫に対して、バイトリル50mgは適切な投与量なのでしょうか??
エイズキャリアだから多めに投与したなど、何らかの理由があるのでしょうか??

小さい頃から通っている病院で、良くして下さる先生なので、投薬量の指摘などしづらく、ここで相談させていただきました。

長文になってしまい申し訳ありませんが、ご回答いただければ幸いです。

日時2019-07-15 20:39:47

専門の獣医師からの回答

回答させていただきます。

バイトリル(エンロフロキサシン)による視覚障害は、話としては有名です。ただ、どの程度に起こるのか?なぜ起こるのかについては不透明なところもあるようです。ちなみに、自身はバイトリルを使用していないこともあり、バイトリルによる視覚障害を経験したことはありません(他院からのご紹介で診断した症例は経験はありますが)。投与量としては、やや多めとは思いますが、錠剤での処方を考えると、この薬用量で処方することは、十分考えられます。例えば、半錠だと5mg/kgに足らないので、感染コントロールのため少し多めにしたのは、あり得る話です。この用量でも、大丈夫な猫であれば大丈夫だと思われます。また、バイトリルは粉にすると苦いので、粉末状にするのは、ためらいますので、この先生の気持ちも十分理解できるところです。
 バイトリルによる視覚障害は、投薬を中止すると治るケースと、永久的に視覚を消失する場合があるようですので、とりあえずはスグに投薬を中止して、主治医の先生にご相談することをお勧めいたします。
ちなみに、薬用量を少なくすればいいかどうかは不明ですので、今後この猫ちゃんにバイトリルやそれに類似した薬は投薬しない方が無難だと思います。

ご参考になれば幸いです。

日時2019-07-19 21:38:54

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