イヌ・ネコの健康医療相談

相談・獣医師回答・コメント

ばぁ(質問主)


犬アイコン 犬 15歳 オス ビジョン・フリーゼ

体重:7kg

飼育歴:15年0ヶ月

居住地:京都府京都市南区

飼育環境:室内

眼圧は、短期間(3.4日)で変わりますでしょうか。
火曜日にA病院で「70を超えている」と言われ、金曜日にB病院で「15」と言われました。

日時2019-04-10 11:25:51

専門の獣医師からの回答

質問ありがとうございます。
まず、確認なんですが、眼圧70→15は、無治療で起こったという理解でよろしいでしょうか?
何かしらの治療をして、下がったなら治療が効いたということですので。

治療なしで起こったなら、いくつか理由は考えられます。
1.70という数値がヒューマンエラー
 眼圧を測る場合、動物が暴れた場合、抑え込むこともありますが、頸部を圧迫したりすると上がります。この場合は、真の眼圧上昇ではありませんので、問題ありません。また目が閉じ気味だと、少しまぶたを指で開きますが、この時に眼球を圧迫してしますと、同じように眼圧は上がります。この場合も、問題ありません。

2.水晶体前房脱臼があった場合
 水晶体という部分が脱臼して、目の中の前の方に落ちてくる病気がありますが、この時は測定器の構造上、眼圧が高く測定されることがあります。その後、後方脱臼(水晶体が後ろに落っこちる)になれば、眼圧が下がります。この場合は、無治療で70→15は、理屈としては成り立ちます。この場合は、水晶体脱臼という病気ですので、治療の適応になる可能性があります。水晶体が正常な位置にあるかを診断してもらう必要があるとは思いますので、主治医の先生に聞いてみて下さい。

 ちなみに、なんですが、現在動物において眼圧を測る方法は、シェッツ眼圧計を用いる方法、圧平式、反跳式とあります。どの測定方法を用いているかで、話が変わりますので、A病院とB病院が同じ測定方法をしているかを確認しないと正確に答えるのは難しいです。それぞれの病院で測定方法が違うと、話は全く変わる可能性があります。今のところ、動物病院で比較的普及しているのは反跳式と思われます。

 なお、絶対ではないということを念頭に置いていただきたいですが、眼圧が70あれば、通常は、痛がるなどの症状、結膜(白目)の充血、角膜(黒目)の混濁など症状を呈することが多いと思います。

 参考になれば、幸いです。

日時2019-04-18 18:26:40

ばぁ(質問主)


先生。
この度は、大変ご丁寧なお返事をいただきましてありがとうございます。
すごく嬉しかったです。

ご回答を拝見し直ぐに、見て頂いた病院が使っている眼圧計を、形状だけですが必死に思いだし、ネットで名称を探してみました。

【シェッツ眼圧計を用いる方法、圧平式、反跳式】は、ごめんなさい、よく分からないのですが、見た目が
眼圧70超えと言ったA病院は【Icare TONOVET】で、
眼圧15と言ったB病院は【Tono-Pen Vet】のような形状だったと思います。
更に実は質問後、B病院で診てもらった金曜日の翌週の火曜日、またA病院に行きました。今度は【眼圧90】でした。
病院が違うとはいえ、
1週間のうちに、70→15→90・・・。
正直、不安でいっぱいになりました。
これって、かかりつけの病院によって【緑内障と診断される】【何の問題もない】と全く正反対の診断を下されてしまうという事ですよね。

ですので、そのまた1週間後の月曜日。
今度はさらに別のC病院にも行ってみました。
これまでの経緯もきちんとお話ししました。そしてC病院では【眼圧40】でした。
C病院が使っている眼圧計は【Tono-Pen AVIA VET】みたいでした。
私が「あっここも眼圧計が違う・・・」と思いながら眼圧計を見ていたので、「古い計器ですけど・・・」とはおっしゃっていました。

どれも一般的によく使われる眼圧計だとネットに書いてありましたが、年季が入っていそうな感じの物もあり、先生方に失礼とは思いつつもちょっと数値に信用が出来ませんでした。
(もちろん、口に出しては言っていませんが)

昨日はB病院(最初に眼圧15と言ったところ)に、「もう1度計って欲しい」と行ってみたところ、今度は【眼圧35】でした。
結局、最終的に、どこの病院も「眼圧が高いから緑内障」と診断されました。

実は3年前に、左目が【眼圧20】から一気に【90】になり、義眼の緊急手術を受けています。
先生が教えて下さった【水晶体前房脱臼】という病気は今回初めて知り、【眼圧が高い=緑内障=激痛=手術】と聞いていたため、『左目の義眼の手術は果たして適正だったのか』と思い始めています。今更・・・になりますが。
また今回の右目に関しては、『眼圧が高いから緑内障。先生はそれぞれ手術を考えている。でも高齢のため麻酔のリスクを考えて私が手術を拒否。なので、点眼若しくは内服薬で眼圧を抑える』と現在なっていますが、本当にこれで良いのか?と。
先生のような方が、近くで開院して下さっていれば・・・と切に思いました。
本当にありがとうございます。
もしまた何か、アドバイスを頂戴出来ましたら幸いです。

日時2019-04-19 10:48:54

専門の獣医師からの回答

詳細な報告ありがとうございます。
大変参考になりました。

まず、眼圧計ですが、次の特徴があります。

圧平式 Tono-Pen 点眼麻酔が必要なこと(オトナシイ子なら、必要ない場合もあります)、機械によってはキャリブレーションという手間暇があります。眼球を直接触ることで、圧を感知します。低眼圧領域にやや弱いという傾向はあります。

反跳式 Tono-Vet 麻酔が必要なく、測定が簡便でメリットが多く、最近では最もメジャーな方法になりつつあります。一方、動物の体位に影響を受けることがあり、高眼圧領域がやや弱いという傾向があります。

自分は両方使用した経験があるのですが、ヒューマンエラーが出やすいのは、TonoVetという印象があります。しかし、測定方法の簡便さから、自分は今、TonoVetしか使用していません。測定が簡便であるため、症状と数値が一致しないときは、なるべく測りなおしたり、後日再測定することもあります。
お話ですと、TonoPenで、15とのことですから、ヒューマンエラーがあったかは何とも言えないです(経過からすると、一番おかしかったのは15という値なので)。ただ、ヒューマンエラーとはいっても、ある程度は起こりえるので、仕方ないところもあります。この辺りが動物医療の現在の限界ですので、ご理解ください。(それが証拠に、人だと全く違う方法で眼圧を測ります。同じ方法では動物は測定できません)
また、3つの病院で診てもらったので、それぞれの病院で指摘を受けていないことを見ると、水晶体脱臼は否定的な気もします。水晶体脱臼は、犬では稀な病気というわけではありません。

で、自分としての結論なんですが、おそらく、何かしらの理由で15という低めの値が出てしまった時があるようですが、緑内障という診断に間違いはないようです。
その理由としては、片眼が緑内障になっていることです。緑内障を発症した場合、もう片眼が緑内障になる確率は、2年で50%と言われています。つまり、緑内障が発症する土台があるということです。ちなみに、緑内障の治療で義眼は、一般的な処置になります。人と違い、末期で治療することが多いためです。

治療に関してですが、今、目が痛いのか?見えているのか?ということによっても変わってくるので、絶対とは言えませんが、やはり高齢であることを考えても、自分もなるべく負担が少ない内科治療(点眼や投薬)を選択すると思います。その場合は、やはりワンちゃんの生活の質を中心に考慮していくことになるとは思います。

緑内障の治療は、正直飼い主さんにも、色々な意味で負担をかけてしまいます。その中で、すごく頑張っているんだなと思い、頭が下がります。

ご参考になれば幸いです。

日時2019-04-19 21:27:31

ばぁ(質問主)


先生。
おはようございます。
早々のご回答を頂いていたにも拘わらず、御礼が大変遅くなり申し訳ございませんでした。

左目が緑内障になったのは、ちょうど3年前でした。
その時、「半年から1年で、もう片方も緑内障になる恐れがある。」と言われました。
なので術後は、先生に「必要ない。見た限り、大丈夫ですよ。」と言われても、無理やりにでも右目の眼圧を計っていただいておりました。
結果2年以上の間、眼圧が上がることも無く、でもその間、どんどん視力が低下してきて、最終的には見えなくなっていました。
診断では「徐々に白内障も出て来ているが、失明の原因は、脳から来るものでしょう。」という事でした。
そして丁度3年経った今になって、緑内障になり、また数値が【気が付いた時には異常に高い】いうのは、正直ショックでした。
「これだけ気を付けていたのに。」
「だからいつも、『眼圧を計って欲しい』と先生に言っていたのに。何で計ってくれなかったの?マメに計っていればここまでにならなかったかもしれないのに。」と思ってしまいました。
『眼圧が高いというのは、想像でいないくらいの痛みだ』と何度も聞いていたので、犬に申し訳ない・可哀そうなことをしたという気持ちで一杯です。
「こんなことになるのなら、左目の義眼手術の際、一緒に右目も義眼にしておけば良かったんじゃないか。」とも思ってしまいました。
これは良くない事ですし、今となっては、もうどうしようもないことですのにね。

今はQOLの向上のみを考え、少しでも長く・気持ちよく毎日を過ごしてもらいたい、そしてまだまだ・いつまでも傍に居て欲しいと思っています。

お返事が遅くなってしまった理由として、実は最後にもう1点、教えて頂ければと思い記録・平均を取っておりました。

緑内障と最終的に診断がおり、点眼薬として、参天製薬の【トルソプト点眼液1%】を頂きました。
【朝晩2回・1滴】点すように言われています。
しかしこの点眼薬は、しみるのか・痛いのか、点して【平均1分後に暴れだし・必死に目を擦ろう】とし、【平均3分後から息遣いが異常なまでに荒くなり(このまま心臓が止まってしまうんじゃないかと思うほど)】【平均10分後から少し落ち着き始め】【平均13分後に完全に落ち着く】となります。
この点眼薬を点した後約15分間、私は必死で
抱きしめ・抑えて落ち着くまでじっとしています。
時には、骨折させてしまうんじゃないかと心配するほど抑えてないと目を擦ろうとしています。
この点眼薬はそういったものなのでしょうか。
参天製薬のカスタマーセンターに電話して聞いてみたのですが、「人間に対しての臨床研究・結果はありますが、犬に対しては無いので・・・。」と。(確かにそうだろうと思いますが、居てもたってもいられなくて・・・)
やっぱりこのまま点し続けた方が良いのでしょうか。
現在、主治医の先生はB病院にしています。
今週、木曜日か金曜日に【トルソプト点眼液1%】の効果を計るために病院に行って眼圧を計ってもらう予定です。

ご多用の中大変恐縮ですが、再度先生のご見解を賜りたく存じます。
どうぞ宜しくお願い致します。

日時2019-04-23 08:31:19

専門の獣医師からの回答

回答させていただきます。

>診断では「徐々に白内障も出て来ているが、失明の原因は、脳から来るものでしょう。」という事でした。

確かに脳疾患かもしれませんし、単純に年齢的なものもあるかもしれません。聴力・視力が加齢で低下するのは人と同じです。

>そして丁度3年経った今になって、緑内障になり、また数値が【気が付いた時には異常に高い】いうのは、正直ショックでした。
>「これだけ気を付けていたのに。」
>「だからいつも、『眼圧を計って欲しい』と先生に言っていたのに。何で計ってくれなかったの?マメに計っていればここまでにならなかったかもしれないのに。」と思ってしまいました。

 なかなか難しい問題です。教科書には、週2回くらいで測るようにって書いてあるものもありますが、現実的には、よく測れる人で1か月毎、遠くからの来院だと3か月に一回とかになってしまうケースもあります。仮に毎日測っていても、急性発症は防げませんし、事前には分かりません。朝は普通で夕方発症だって稀なことではないのです。また、必ずしも発症からの経過時間が短ければ、治療経過がいいというわけではありません。発症後1時間くらいで治療始めたのに、経過が悪く失明する場合もあれば、発症から1週間後から治療始めても、経過が良かったりするケースもあったりします。

>『眼圧が高いというのは、想像でいないくらいの痛みだ』と何度も聞いていたので、犬に申し訳ない・可哀そうなことをしたという気持ちで一杯です。

 上記のこともあるので、なかなか難しいところもあると思います。飼い主さんとしては、そう思われるかもしれませんが、誰も将来を予測できるわけではありませんので、自分を責めないでください。その時々で、懸命に治療するしかないのは、我々も同じです。





>緑内障と最終的に診断がおり、点眼薬として、参天製薬の【トルソプト点眼液1%】を頂きました。
>【朝晩2回・1滴】点すように言われています。
>しかしこの点眼薬は、しみるのか・痛いのか、点して【平均1分後に暴れだし・必死に目を擦ろう】と>し、【平均3分後から息遣いが異常なまでに荒くなり(このまま心臓が止まってしまうんじゃないかと思う>ほど)】【平均10分後から少し落ち着き始め】【平均13分後に完全に落ち着く】となります。
>この点眼薬を点した後約15分間、私は必死で
>抱きしめ・抑えて落ち着くまでじっとしています。
>時には、骨折させてしまうんじゃないかと心配するほど抑えてないと目を擦ろうとしています。
>この点眼薬はそういったものなのでしょうか。

この話としては、よくある話です。もちろん、特に問題のない場合が多数なんですが、合わないということもあります。ただ、このような場合、さし続けるとよくない場合もありますから、主治医の先生と相談して、目薬をどうするかを決める必要があると思います。ただ、場合によっては、メリットがデメリットを上回る場合、副作用は許容しなければならないケースもあったりします。また、目薬による強い刺激があった場合、実は角膜潰瘍など、角膜に傷がついていて、そのせいで目薬がしみて痛がっているというケースもあります。難しいかもしれませんが、上記のケースですと、早めに主治医の先生に相談されることをお勧めいたします。

ご参考になれば幸いです。


日時2019-04-23 20:39:07

ばぁ(質問主)


先生。
おはようございます。
この度も早々のご回答ありがとうございました。
実は昨晩、ちょうど先生からご回答を頂く少し前の20時頃。右目の点眼薬【トルソプト点眼液1%】を点そうとしていました。
犬は、しみる?痛い?ことを覚えているのか、抱き上げると必死に逃げようとしました。あまり押さえつけてはと思い、一度自由にさせ、数分後再度トライしました。
その時、右目を閉じていたため少しだけ開けさせようと下瞼をそっと降ろしたところ「ギャン!」と今まで聞いたことが無い声をあげました。そして右目を何度も擦ろうと必死にもがき始めました。私はとにかく右目を触らせないように抱きかかえ、その後目を触らせまいと何とかエリザベスカラーを装着させ、急いで病院に電話をしました。
先生は、「内科的治療を止めますか・・・。内服薬もありますが効き目はかなり弱いですし、飲んでくれるかどうか。手術をしても薬は必要ですし・・・。」とだけ言われました。
実はこの犬ですが、てんかんを今年1月に発症し、毎日朝晩薬を飲んでいます。
その薬は大丈夫なのですが、その後『肝臓の数値が異常に高い』『腸内に細菌がある』と言われ、都度薬が出されていました。
しかしこの薬が嫌だったのか、薬が出されるたびに『連続3日間』『連続5日間』と、一切 食事も水も摂らなくなったという経緯があります(先月の話です)。
薬を飲ませるのを止め、栄養剤や乳酸菌や別の食事を与えたら、少しづつ水も食事も摂るようになり、最近やっと元通りになった次第です。

昨晩はもう右目の点眼は諦めましたが、それからずっと、今もぐったりしています。
今朝の食事だけは何とか時間をかけて食べてくれました。

先生。
この度は本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
私が悩んでいたこと・後悔していたこと・不安に不信に思っていたことを、全て払拭して下さいました。
本当に先生にお目にかかって御礼を申し上げ、そして何より、犬を診て頂きたい気持ちで一杯です。
誰にも相談できない中、先生のご回答だけが頼りでした。
【SIPPO】というサイトを知ったのは偶然で、知るや否や会員になり質問を投稿しました。

「もう15歳まで生きたんだから十分・・・」といったような事をおっしゃる方もいっぱいいます。
でも私にとっては、初めての犬・何よりも大事な犬です。
これからもずっと諦めることなく、大事に大事に寄り添って参ります。

先生に心より感謝申し上げます。

日時2019-04-24 08:21:55

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