イヌ・ネコの健康医療相談

犬の免疫介在特発性多発性関節炎で、投薬していたら肝臓の数値が高くなりました

飼い主からの相談に専門の獣医師が回答します

JUJU(質問主)


犬アイコン 犬 7歳 オス 雑種

体重:19kg

飼育歴:6年11ヶ月

居住地:兵庫県三田市

飼育環境:室内

肝臓の数値が異常です。本人(ワンコ)は元気そうです。
免疫介在 特発性 多発性関節炎にかかりました。昨年12月の半ば頃から、食欲不振、体の震え(恐らく発熱によるもの)で、病院に連れて行き(12月末頃)、血液検査では、白血球とCRPの数値が上昇していたため、細菌感染の腸炎と最初は診断され、抗生剤の内服薬と注射で治療していました。しかし、回復しないため、抗核抗体の検査もしましたが、陰性でした。次に関節液の検査をしたら、炎症反応がありました。その結果、免疫介在 特発性 多発性関節炎と診断されました。外的な症状は出ていません。日常生活は普通にできています。散歩(歩行)も普通に行きます。病名がわかったのは、今年1月の初めです。
7歳のオス(1月産まれ)です。
ダルメシアンとボーダーコリーのミックスです。近親相姦によって産まれた子です。父親はボーダーコリーで、母親はダルメシアンとボーダーコリー(父)のハーフです。(この病気が遺伝的なものなのかもわからないので、血筋を書きました)
治療は内服薬でステロイドを最初は使っていましたが、臓器の負担を考え、免疫抑制剤を投与してもらいました。シクロスポリン(シクロキャップ50㎎1日一回)とアザチオプリンの2剤です。
最初は副作用のせいか、食欲が落ち、嘔吐もありましたが、胃薬を2剤(シメチジンとプリンペラン)投与してもらい飲ませたら、それらの症状は無くなりました。抗生剤(ビクタス)も飲ませています。
ステロイドは一緒に飲ませていました。量を1錠から半錠に減り飲ませていました。
それで、血液検査をしたら、肝臓の数値が異常に上がりました。GPTが961で
AlPが2125でした。症状は特に現れていません。食欲もありますし、嘔吐や発熱もありません。体温38.7℃、体重18.5kg(元気な時は20㎏はありました。
それで、肝臓のエコーを診てもらいましたが、異常なしでした。(犬が動くので詳細までは診れなかったと獣医師は言います。)次に副腎の検査をしました。ステロイド(プレトニゾロン)を飲んでいたので、正確な数値は出ないことは解りながらの検査でした。結果は異常に低い数値が出ました。
1回目の血液検査では、0.20、2回目(副腎注射後)では、0.60でした。
獣医師はこのような結果は見たことがないと言いました。他の数値と合わせて診ると、クッシング病やアジソン病ではないと言われました。
ステロイド(プレドニゾロン20㎎)を1錠を1日一回を1ヶ月弱飲んで、その後、半錠になり、約2週間飲んでいました。
(1月半ばの検査ではGPTは238でした。ステロイドを飲み初めて約2週間後の時です)
このような結果が出たので、今はステロイドは飲ませていません。(今日で2日目)です。
今は肝臓の総合薬も飲ませています。
ステロイドでこのような結果はあるのでしょうか?体に異常があるのでしょうか?
宜しくお願い致します。

日時2019-02-06 17:46:52

専門の獣医師からの回答

多発性関節炎でステロイドや免疫抑制剤を投与する場合,肝酵素上昇は必ず起こります。
犬では副腎皮質ホルモンの投与により,他の動物種と異なりALP(アルカリフォスファターゼ)が上昇します。
さらにALT(アラニントランスフェラーゼ)の上昇を伴うのはステロイドによる肝腫大や基礎疾患から肝障害が併発する結果であることが多いと言えます。
ステロイドの反応が悪かったり,副作用が強い場合には,副作用の少ないシクロスポリンなど他の免疫抑制剤に切り換えるか併用を行います。
今回は副作用が強いアザチオプリンが用いられているとのことですが,この薬は肝障害を誘発しやすい薬です。
なお,ご質問の中で“1回目の血液検査では、0.20、2回目(副腎注射後)では、0.60でした。”との記載がありましたが,前後の流れから,ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)負荷試験による血中コルチゾール値のことと推測しています。
ステロイド投与中やステロイド投与後まもなくであれば,自分の副腎は抑制されているため皮質機能低下症の状態になりやすいです。
もともとアジソン病がなかったどうかを最初に同様の検査をしていないとわかりません。
ステロイドや免疫抑制剤などを投薬する必要がある疾患の場合,お薬の副作用はしばしば認められることは多いので,定期的な検査を行い,
処方を調節する必要があります。
いずれにしても,症例毎に治療効果や副作用が大きく異なる疾患や治療方法については,我々専門家といえども診察もせずに一部の検査結果のみで判断することはできません。
まずは主治医の先生から十分にご説明を受けて頂くことをお薦めします。
また,飼い主様が投薬方法を勝手に変えないようにして下さい。
副作用が心配で飼い主さんの判断により、どうしても薬を変更した場合などは、必ず先生に伝えて頂かないと,検査の読み方も異なり,適切な治療が出来なくなってしまいます。
主治医の先生とよくご相談しながら治療を頑張ってください。

日時2019-02-18 00:04:08

JUJU(質問主)


ご回答ありがとうございます。ご丁寧に説明して頂いてありがとうございます。

肝臓の数値は徐々に下がってきております。GPTは、324 → 119にまで下がりました。肝臓の総合薬を飲ませているからかもわかりません。
免疫抑制剤はシクロスポリンとアザチオプリンの2剤は飲ませないといけないと言われました。どちらも薬の量は最低限の量より少ない言われました。また、どちらか片方だけでは、効きが弱いと言われました。
副作用について聞きましたら、気にするほどではないような感じに言われました。
ステロイドは、獣医師の判断で、前回の肝臓の数値が上がった時から飲ませておりません。白血球もCRPも正常のままです。
状態が落ち着いていても、これらの免疫抑制剤は半年は飲ませ続けると言われました。途中で止めると、次に数値(白血球、CRP)が上がった時に、薬が効かなくなる可能性があるので、早期に止めることができないと言われました。
アザチオプリン以外の免疫抑制剤ではダメなのか聞きましたら、これがベストな薬だと言われました。

副作用が心配です。特にアザチオプリンは副作用があることを教えて頂きありがとうございます。
自分でも少し調べましたら、副作用で悪性腫瘍のリスクが高くなるともありました。
また肝臓の数値が異常に上がったのは、外部からの要因が大きいと言われました。拾い食いをさせたのではないかと言われました。拾い食いはさせないように注意して散歩に連れて行っております。

副作用に関して、これから更に半年も免疫抑制剤を飲ませ続けると、どうなるのでしょうか?かといってステロイドに戻せば、もっと副作用が心配です。
副作用の心配がない他の免疫抑制剤はないのでしょうか?シクロスポリンは副作用は少ないと教えて頂きましたが、やはり、シクロスポリンだけでは効かないのでしょうか?
また半年も必要なのでしょうか?
色々と伺って申し訳ございません。宜しくお願い致します。


日時2019-02-24 22:30:51

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