イヌ・ネコの健康医療相談

猫の腹水の検査でFECVが検出され、伝染性腹膜炎と診断されました

飼い主からの相談に専門の獣医師が回答します

みち(質問主)


猫アイコン 猫 1歳 オス 雑種

体重:2.2kg

飼育歴:1年0ヶ月

居住地:岩手県盛岡市

飼育環境:室内

生後5.6ヶ月の雄猫に腹水が溜まり検査をした所
腹水からコロナウイルスが出たので伝染性腹膜炎との診断を受けました。
現在ステロイド、抗生剤、インターキャットなどの対症療法を3週間程続けて腹水はほとんどなくなっている状態です。
ステロイドの効果ではありますが食欲もあります。
診断結果にもこの病気が治らず余命が短い事も納得した上での質問です。

腹水から出たコロナウイルスのバイオタイプはFECVでした。
このタイプの場合毒性の強いFIPVより進行が遅いのでしょうか?
診断後ほどなくして亡くなってしまう猫ちゃんも多いと聞きます。
がんばってくれているのはバイオタイプが関係しているのでしょうか?
それともこれから急激に悪くなるという事なのでしょうか?

またこのバイオタイプというのはFECVからFIPVに変異するという事はありますか?

以上よろしくお願いします。


日時2019-01-28 15:27:47

専門の獣医師からの回答

FECV(猫腸コロナウイルス)は,あまり病害性が高くなく,猫伝染性腹膜炎(FIP)の原因ではありません。
ウイルスの変異はよくあることですが,FECVが猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)に変異するかどうかは私は知りません。
いずれにしてもFIPは,発症の仕組みも含め不明な部分が多い疾患です。
なお,FIPVに感染したとしても,通常多くの猫は伝染性腹膜炎(FIP)を発症することはなく,発症するのはごく一部の猫にすぎません。
ただ一旦FIPを発症しますと根治が難しく予後は悪いです。

本当にFIPを発症しているのではれば,FECVはたまたま見つかったか,
あるいは検査エラーの可能性も考えないといけないかもしれません。
検査材料によってFIPVが誤って陰性となることもあるので、そのあたりも考えないといけません。

ウエットタイプのFIPを発症した猫の腹水は非常に特徴的で,フィブリノゲンを多量に含んでおり,粘稠性があり,蛋白濃度が高いのが特徴です。
血液検査でも通常はポリクローナルの高グロブリン血症が認められます。
一方でFIP以外で腹水が溜まる原因もありますので,腹水性状や他の臨床検査所見が本当にFIPの所見と一致しているかどうか確認が必要かも知れません。
異物摂取による腸穿孔に起因した腹水を伴う腹膜炎などは、しばしばFIPと誤診されます。
参考までにFIPの病態は免疫がらみの血管炎ですので,治療としては副腎皮質ホルモンがメインとなりますが,
抗血小板薬を併用することで長期延命が期待できることもあります。

日時2019-02-05 19:06:10

みち(質問主)


ご回答いただきありがとうございました。
よく耳にする病気でも診断が難しいのですね。

これまでの経緯、行った検査を書きますので追加で行った方が良い検査があればアドバイス頂きたいと思います。

①貰ってきた当初から同じ月齢の子より体が小さく、毛並みは悪くなかったのですが背中から尾の付け根までを撫でると骨がかなり触れ発育不良であったと思います。
以前飼っていた子が老衰で亡くなる前の手触りと同じような感触でした。
元気はあったのですが食が細い。

②2週間後に3回目のワクチン接種、体重は1.4キロ程。お腹がポンポンだと言われたのですが
食事後だったのでそのせいだろうとの事

③更に2週間後、元気がなく下痢が始まったので受診。体重1.9キロ。エコーで腹水確認。
血液検査で基準値外だった所
bun(16.1)cre(0.5)が基準値以下
glob(5.2)T-bil(0.5)共に0.1基準値より上
腹水を抜き(色は黄色、粘性があったかは言われませんでした)検査機関へ

④腹水からFcoV検出、バイオタイプFECV
腹水からこのウイルスが出るのはFIP発症で間違いないとの診断でした。

その後は上記の投薬を続け食事量がかなり増え
背骨のゴツゴツ感は随分無くなりました。
腹水も今の所ない状態が続いているので今後は何を検査するべきでしょうか。


日時2019-02-06 12:29:01

専門の獣医師からの回答

FIPの診断に関しては,総合診断となり,治療に関しても,十分に確立されているわけでありません。
このため,治療のモニターとなるようなバイオマーカーもありません。
診断精度に関しては,期間をあけて抗体価を調べて,2回目の検査がさらに高値を示せば,
診断がより確実となります。
いずれにしてもFIP発症であれば,不治の病ですし,そうでなければ長生きする可能性もありますので,
経過をみながら,なりゆきに任せてもよいのではないでしょうか?
いろいろ心配を膨らませるよりも病態が落ちついている今の時間を大切にしてあげることが,愛猫にとっても飼い主様にとってもよいのではないかと思います。

日時2019-02-13 13:47:26

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