イヌ・ネコの健康医療相談

猫の乳腺腫瘍の手術は、肝不全や慢性鼻炎があっても耐えられますか

飼い主からの相談に専門の獣医師が回答します

(質問主)


猫アイコン 猫 14歳 メス 雑種

体重:3.2kg

飼育歴:13年10ヶ月

居住地:鳥取県米子市

飼育環境:室内

乳腺腫瘍ができた猫を手術させるべきか悩んでいます。

昨日、お腹の下の方に2センチほどの腫瘍をみつけ急いでかかりつけの病院につれて行ったところ、乳腺腫瘍だと言われました。
手術するかどうか聞かれずっと悩んでいます。

何年か前に猫風邪をひき、かなり危ない状態からなんとか持ち直すことができましたが、それから慢性鼻炎のような状態で毎日くしゃみをしてたくさんの固形になりかけた鼻水を撒き散らしたり、喉から痰が絡んだような音を頻繁に出すようになりました。病院の先生は、もうこれは後遺症で治らないものだとおっしゃっていました。
また、断言はできないけれど血液検査の結果おそらく肝不全だとも言われています。

こんな状態の子でも、手術を乗り越えることはできるのでしょうか。
手術をしたら、どのくらいの確率で無事に成功するのかを先生に聞きましたが教えてはいただけませんでした。
やってみないと分からないことなのでそれは仕方ないと思いますが、せめてだいたいの確率だけでも知りたいのです。
体力的に手術を乗り越えられない可能性の方が高いのであれば、腫瘍は取り除かない方向で出来る限りのケアをしてあげたいです。

昨日の病院で、脱水気味だとも言われました。
ご飯はよく食べ、排泄も問題ないです。
どうしたらいいのか分かりません。ただ1日でも長く一緒に過ごしたいです。
どうぞよろしくお願いします。

日時2018-11-14 00:53:40

専門の獣医師からの回答

14歳の雌猫の下腹部に乳腺腫瘍と思われる直径約2cmのシコリが見つかった、とのこと。ここでは猫の乳腺腫瘍であることを前提としてお答え致します。
1) 猫の乳腺腫瘍はおよそ85~90%が悪性の乳腺癌といわれています。また、直径が2cm以上ある場合は、すでにリンパ節や肺に転移している可能性が高く、予後不良因子とされています。
2) 猫の乳腺腫瘍は悪性度が高いため、腫瘍を含めた乳腺の全切除手術を受け、その後カルボプラチンという抗癌剤の投与を5回受けるという治療を受けた場合の術後の平均生存期間は約448日といわれています。
 14歳と高齢で、しかも体調面に不安があり、麻酔や手術に耐えられるかどうかご心配な状況では、手術は御愛猫にとって負担が大きいだけかも知れません。
 レントゲン検査またはCT検査などで肺を含む他臓器への転移が認められない場合、猫の乳腺に悪性の乳腺癌が見つかった際の手術は、通常は先ず片側の乳腺を全切除し、その後残った反対側の乳腺にシコリが見られない場合も、術創の抜糸を終えてから比較早期に残った反対側の乳腺を全切除します。そして、その後抗癌剤治療をすることが一般的です。
 残念ながらこれだけの治療をしても、肺転移で亡くなる猫が少なくありません。
 どこまでの治療を受けるかを決めることは飼い主様にとってとても難しいことと思います。
 下腹部のシコリが乳がんであることを確認するために、生検といって小さく組織を採って病理検査を受ける、または診断の目的(根治目的でなく)でシコリだけを切除して病理検査を受ける、という選択肢も有るかと思います。病理検査のための生検や局所のみの切除であれば、猫にとって麻酔と手術の負担が少しは軽いと思いますが、乳腺癌の場合は切除した部分に術後すぐから局所再発する可能性も考えておく必要があります。
 上記のような処置や手術に耐えられるがどうかは、例えば血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを受けられて総合的にどのような選択肢があるかを、改めて主治医にご相談されるのが良いのではないでしょうか。
 どうぞお大事になさって下さい。

日時2018-11-22 22:38:31

猫の皮膚病は飼い主が気づくことが多い病気です。よくある事例や飼い主が気づけるポイントを、猫専門病院「東京猫医療センター」の服部幸院長が動画で解説します。

 
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