イヌ・ネコの健康医療相談

犬の元気がなくなり嘔吐し、胆嚢に炎症がみられました

飼い主からの相談に専門の獣医師が回答します

ぽっけ(質問主)


犬アイコン 犬 14歳 メス チワワ

体重:2.2kg

飼育歴:13年9ヶ月

居住地:大阪府大阪市都島区

飼育環境:室内

はじめまして。
アドバイスを頂きたいと思いまして質問させていただきました。
チワワ14歳♀です。

7月13日に、突然元気が無くなり、ご飯も食べず嘔吐した為、翌日に
かかりつけの獣医さんに診てもらったところ、胆嚢に陰があり炎症があるとのことでした。

血液検査の結果↓数値が高いところだけ記載しております。
WBC/27700 Plat/517 ALT/1000 AST/385 BUN/46 CRE/1.7 CRP/5.0 
2日間入院をして様子をみるとのことで、
少し数値は高いが、退院して様子をみて、点滴もしていただき、入院したときより元気になったかな?と思っていたのですが、
食欲が全くなく、獣医さんよりサツマイモ、カボチャ等あげても良いと言われたので、好きなものをあげてみましたがほとんど食べない状態でした。

昨日から身震いをするようになり(数分程)、また嘔吐した為、病院に行ったところ、
血液検査の結果↓数値が高いところだけ記載しております。 ALT/1000 AST/173  GGT/273 T-Bill/12.4 Glu/48 BUN/66 CRP/5.0 

目にも黄疸が出ており
かなり数値が高く、肝臓など他の臓器も影響していると言われました。

胆嚢の摘出手術をすることが良いかも・・・と言われましたが、年齢のこともあり術中、術後に亡くなることもあるので、獣医さんにも手術は勧めているわけではなく選択の一つとして提案されました。
今入院してもう少し様子を診ていただいています。その間に考えて下さいといわれました。

手術をしたいですが、体の負担を考えると即決も出来ず、この状況の場合、手術をするべでしょうか?
手術をしなかった場合、薬での緩和治療があるのでしょうか?
またどの位生きることが可能でしょうか?

ご教示いただきたいです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

日時2018-07-23 22:08:15

専門の獣医師からの回答

現在,重篤な黄疸が出ているようで,急性経過となると閉塞性黄疸が強く疑われます。
閉塞性黄疸は,肝臓や胆嚢からの胆汁を小腸に排泄するための総胆管が何らかの原因で閉塞して,胆汁が排出できなくなり,黄疸が認められる疾患です。
総胆管の閉塞は胆嚢内の胆石や粘液が総胆管内に移動して閉塞することで起こる場合が最も多いのですが,急性膵炎などにより総胆管や腸管に炎症が波及することでも起こります。

肝臓や胆嚢は,しばしば沈黙の臓器と呼ばれ,よほどの異常が起こらない限り,症状はでません。
元気食欲の消失に加えて,白血球数の増加,急性炎症の指標であるCRPの上昇,重度の肝障害と重度の高ビリルビン血症(黄疸),低血糖となると,極めて深刻であり,ネット相談などをしている状態では正直ありません。
また,高齢で腎機能低下を示唆する所見も認められているようです。
閉塞性黄疸の患者では胆汁うっ滞により肝臓の細胞自体もダメージを受け,深刻な場合には肝不全に陥ります。
すでに低血糖の所見もありますので,肝不全も併発しているかもしれません。

治療にかんしては,総胆管閉塞の原因いよって異なり,膵炎に代表されるような炎症性の場合には内科的治療が第1選択となります。
一方,胆嚢粘液嚢腫や総胆管内への胆石の閉塞などが原因であれば,通常は外科手術が必要となります。
外科手術は肝臓外科の中で,重篤な黄疸が認められる患者は最も死亡率が高く,外科専門医であっても周術期死亡率は25%以上となり,経験豊富な獣医師に紹介されることが多いです。
なお,緩和治療としては脱水を補正するための補液,吐き気をおさめるための嘔吐止め,痛みを緩和させるための鎮痛剤および感染予防のために抗生物質を投与したりします。
外科疾患であった場合には,内科的治療で改善することは少ないので,経済的な理由やはやく苦痛をとりのぞいてあげるために安楽死を希望される方もあります。
自然死を望まれる場合の余命に関しては原因や病態によりますので,頂いた文面のみでは判断出来ませんがそれほど長くないかも知れません。
いずれにしても原因がはっきりしないと手術の適応かどうかはわかりませんし,すでに手遅れになっている可能性もあります。
セカンドオピニオンも含め,主治医の先生とよくご相談して,お決めになるのがよろしいかと思います。
ご検討をお祈り致します。

日時2018-07-27 23:28:49

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