相談・獣医師回答・コメント
ルル(質問主)
猫 15歳 オス 雑種
体重:4.0kg
飼育歴:14年9ヶ月
居住地:沖縄県島尻郡八重瀬町
飼育環境:室内
病歴
2013年2月から7月の間に三度右頭部の扁平上皮癌(上皮内)を切除、浸潤なし。2013年7月の血液検査でALTが290。その後は130〜200の間を上下しています。2015年5月猫膵特異的リパーゼ(Spec fPL)9.8。その後は9.1〜10.3の間を上下しています。若い頃に初めてワクチン接種をする際のFIV検査では陰性でしたが、2014年9月にFIV陽性(FeLV陰性)。室内飼いですが何度か外へ逃げた事があるので、その時に感染した可能性が高いです。
最近の体調
元気、食欲あり(毎日完食)、水も食後、寝起き等にしっかり飲みます。
尿、便も毎日出ています。
寒い日に鼻水、くしゃみが出ます。
肝臓、膵臓以外の数値は正常値内です。
現在投薬なし。
質問
肝臓と膵臓の数値が高いのでタンパク質とカロリーの低いご飯を与えるように獣医師に言われてサイエンスダイエット の成猫用ライトを5年ほど与えていますが、年齢や病歴の事もあるのでヒルズのl/dかロイヤルカナン の肝臓サポートに切り替えた方がいいのではないかと思っています。
ただl/dも肝臓サポートも脂肪が高く、l/dはタンパク質も高いのでサイエンスダイエットライトから切り替えると肝臓、膵臓の数値が上がってしまうのではと思うのですが、療法食よりも一般食の方が良い場合もあるのでしょうか?
シロの場合はどちらの方が適しているのでしょうか?
免疫力をつけるため猫用の乳酸菌のサプリメント(パウダー)を食事に混ぜて与えてみようかと思っていますが、猫エイズ、肝臓と膵臓の数値の高い猫に与えても大丈夫でしょうか?
宜しくお願い致します。
2018-04-08 12:15:13
専門の獣医師からの回答
肝数値と膵特異的リパーゼが慢性的に上昇しているFIV陽性の高齢猫に対する食事管理の質問についてお答えします。
まず,Hillsのl/dやロイヤルカナンの肝臓サポートは肝不全,特に高アンモニア血症をコントロールする為の療法食であり,肝酵素の上昇があるからといって安易に使用すべき食事ではありません。
まして慢性膵炎が疑われる患者にそのような高脂肪の食事は与えると病態をかえって悪化させる可能性があります。
療法食,あるいは一般食を選択するにしても,低脂肪でシニアに適した食事がよいのではと思います。
体重4.0kgで,栄養状態が不明ですが,もし痩せているのであれば,あまりカロリー制限が必要がないように思います。
また食事を変更した場合には,食事変更後1~2カ月ぐらいしたら,血液検査をしてもらって肝酵素や膵酵素に変化がないかチェックしてもえばよいかと思います。
なお,療法食はオーナー様がかってに考えて変更すべきものではなく,獣医師の判断で用いるべき食事です。
療法食の適応を間違えると効果が得られないばかりでなく,有害事象がある場合も多いので,主治医の先生とよく相談してください。
投薬やサプリメントに関しては,強肝剤(ウルソデオキシコール酸)などの投与や肝臓用のサプリメントや消化器用のサプリメントは安全に使用可能です。
ビオフェルミンのような乳酸菌のサプリや薬剤の投与はまず問題なく使用できるかと思います。
ただ,本人が嫌がるサプリを無理矢理与えるようなことはストレスの増大になりかねません。
FIV陽性かつ老齢猫において免疫低下を予防するのには、ストレスのない生活環境の確保とバランスのとれたその子に適した食事管理が極めて需要です。
愛猫が長生きをしてくれることをお祈りします。
2018-04-12 18:05:09
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