イヌ・ネコの健康医療相談

レイア(質問主)


犬アイコン 犬 14歳 メス アメリカン・コッカ-・スパニエル

体重:10.5kg

飼育歴:8年10ヶ月

居住地:東京都世田谷区

飼育環境:室内

保護犬の我が子、年齢はおそらく14.15歳くらいのアメリカンコッカーです。二週間ほど前乳腺にできた腫瘍を局所麻酔で摘出、病理検査の結果悪性の細胞が認められるとの事で明日、全身麻酔下での乳腺摘出手術を致します。心臓の状態、年齢から全摘は避けた方が良いとの事…今現在、肉眼レベルでの肺転移などは認められず、今後のことも考えて手術に踏み切りました。この2年で緑内障により両目義眼、重度の外耳炎から鼓膜を含む内耳の全摘手術、昨年はリウマチ陽性反応が出てしまったため5日おきにステロイドと免疫抑制剤、そして甲状腺ホルモン低下に対する薬を服用しています。辛い思いをして来た我が子、これからは穏やかに過ごして欲しく、術後、少しでも元気に過ごせます様、食事その他アドバイスをお願い致します。

日時2018-02-28 22:02:42

専門の獣医師からの回答

毛並みの綺麗なお利巧そうな子ですね。推定とはいえ14~15歳と高齢で2年の間に両目の義眼挿入術と全耳道切除術を受け、さらにはリウマチや甲状腺機能低下症の治療を継続中とのこと。また、この度は乳腺摘出術を受けられるとのことで、数々の病気を克服してきたご愛犬の頑張りと飼い主様のご愛犬に懸ける愛情に心からエールを送ります。

乳腺腫瘍の術後の治療と経過観察については主治医の指示に従ってください。
その際に、飼い主様が自宅で出来る触診の方法について、特に腋の下の腋窩リンパ節や下腹部の浅鼠頸リンパ節の触れ方を指導して頂かれると良いでしょう。

一般的に高齢犬と生活するうえで気をつけてあげたい事を、1)歩行に関すること(運動器・神経系)2)食事について 3)心臓(循環器) 4)泌尿器系 5)肝臓・胆管系 6)腫瘍 7)その他、の順に触れてみます。

1) 高齢になると関節の炎症や筋肉の萎縮が生じますが、リウマチとのことですし、残念ながら失明していますので、激しい運動をすることは無いと思います。高齢犬の場合、足腰が弱らない程度の歩行習慣(室内を自由に歩いていれば十分でしょう)は大切です。足腰の負担を避けるため段差の上り下りは控えましょう。腰の痛みや足の痺れ(変形性脊椎症による背骨の変形や椎間板ヘルニア)にも注意しましょう。もしも歩行が明らかに辛そうなときは診察をお受け下さい。また高齢犬では、ある日突然に激しいめまいによって片方によろけて立てなくなる(前庭障害)ことがあります。

2) 高齢になると、食べたものを消化吸収して利用する機能が低下しますので、消化吸収の良いフードがお勧めです。高齢犬用のフードや、場合によっては検査で異常がなくても、消化吸収がよく栄養価の高いフードとして、肝臓疾患や腎臓疾患用のフードを与えることも出来ます。

3) 循環器では、心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)に注意しましょう。心臓に雑音が聴取されないか、此れからも定期健診時に主治医に診て頂きましょう。

4) 腎臓機能(泌尿器系)が年齢と共に低下していることがありますので、今後も定期的に血液検査などでチェックを受けましょう。近年は腎臓結石や尿管結石、膀胱結石も少なくありません。これらは通常レントゲン検査や超音波検査でチェックするのが一般的です。

5) 肝臓・胆嚢については、コッカースパニエルで甲状腺機能低下症があるとのことですので、胆嚢に貯留物が蓄積しすぎることによる異常(胆嚢粘液嚢腫など)が起きないか注意してあげてください。急性や慢性の胆嚢炎の場合には、食欲不振や嘔吐といった一般的な胃腸障害の症状しか見られないことが多いものです。通常、肝臓や胆嚢および脾臓などは血液検査と超音波検査でチェックします。

6) 加齢に伴う腫瘍の発生は残念ながら避けることが難しい問題です。ヒトと同様に早期発見が重要ですが、物言わぬ動物ではどうしても発見が遅くなります。明らかな症状が現れたときにはすでに体内で進行していることが多いことから、やはり定期健診(必要に応じて超音波検査やレントゲン検査)が大切です。主治医に身体の表面のリンパ節の触り方を指導してもらい、リンパ節をはじめ体表の腫れが無いか日頃から触れる習慣をつけておかれるのも良いでしょう。

7) その他、いよいよ高齢になると体温の調節がうまく行かなくなることがあります。特に体力が低下して体温の維持が難しくなると、元気なときであれば平気な室温でも体温が低下する(例えば、5月の室内にいて体温が低下するため暖房が必要になる)ことがあります。秋冬は特にご注意下さい。体力という点では体重の変化にも注意されると良いでしょう。

以上、一般的な内容ではございますが、ご愛犬の現在の体調が少しでも長く維持できますことを願っています。

日時2018-03-01 21:06:10

レイア(質問主)


とてもご丁寧なご回答頂き、読ませていただきながら涙が出て来ました。動物と飼い主さんのことを心より思われ、患者様からの信頼もあつい、素晴らしい先生でいらっしゃると拝察します。我が子は昨日無事に手術を終え、その日のうちに帰宅致しました。今日になり食欲も戻り安心しております。どの子もそうである様に、我が子も見えなくても聞こえなくても人の感情を読み取ることが得意です。先生からのアドバイスを受け、これから先少しでも元気に一緒に過ごしていこうと、気持ちを切り替えることが出来ました。病理検査の結果待ちですが、何が一番我が子にとって最善なのか、これから先しっかりと見極めて行きたいと思っております。本当にお忙しい中、ご回答頂けましたこと心より感謝申し上げます。

日時2018-03-02 15:19:59

 

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