イヌ・ネコの健康医療相談

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ママ(質問主)


犬アイコン 犬 14歳 オス プードル(トイプードル)

体重:4.2kg

飼育歴:13年3ヶ月

居住地:石川県七尾市

飼育環境:室内

1月2日から食欲不振の為、7日から11日間入院、ステロイド点滴、退院後もステロイドの皮下点滴、服用あり。先週まで肝炎の服薬、療養食(低脂肪)治療で胆のう(ドロドロ、胆石)診断でしたが、炎症数値が下がらず、先日、セカンドオピニオンを受け、肝細胞がん(腫瘍4センチ)の疑いと診断され、2次診療先を近隣の大学付属動物病院かネオペッツVRセンターで検討中です。大学付属病院の方が自宅から近く車で3時間、ネオペッツは5時間程かかってしまいます。

※高度医療は大学病院付属病院と他医療機関の違いはありますか?

※検査から高度医療受診と検討していますが、地元でCT検査してから高度医療受診した方がいいでしょうか?高齢な為、高度医療先で全身麻酔CTを1回で済ませたいのですが。
※食欲不振の初期症状から既に2ヶ月近く経過、検査まで更に10日、その後手術となると、腫瘍はどのくらい大きくなるものでしょうか?
※ステロイドを1月中は、ほぼ毎日のように服用、2月は週数回の点滴に使用、今週から服用はないのですが、何か影響はありますか?

日時2018-02-24 13:22:02

専門の獣医師からの回答

頂いたご質問は、非常に難しい質問が含まれています。
あくまで一般論および専門医としての私の個人的見解であることをご理解して下さい。

まず、現在の状況ですが、なぜステロイドを使用しているのかが不明なのですが、
肝臓の腫瘤の精査以前の問題として食欲不振や炎症数値が上昇していることの原因究明の方が重要かと思われます。

肝臓にたまたま腫瘤がみつかり、肝細胞癌の疑いとのことですが、犬の肝細胞癌の進行はおそく、また末期にならないと食欲不振や炎症は起こりません。
また、高齢犬やステロイドを服用している犬では結節性過形成など腫瘍とはことなる腫瘤も多いので、
腫瘍性かどうかも含めての診断には画像診断だけでなく肝生検が必要となります。

今回の事例では、肝臓に腫瘤が見つかったことが高度二次診療施設への紹介理由のようですが
やはり食欲不振や炎症の根本的な原因究明の方が重要のように思います。
大学の附属動物病院も含め全国に高度獣医療に対応した二次診療機関が増えてきましたが、
それらの施設においても対応出来る疾患や得意分野はいろいろです。
このため高度獣医療施設へのセカンドオピニオンを考えるに当たっては、より適切な二次診療施設を紹介できるかどうかも、主治医の裁量といえます。
すなわちどこどこ大学ではこういった分野に詳しい先生がいるので、そこを紹介します。と言った具合です。

CT検査を紹介までに地元で済ませるかどうかについてですが、造影CT検査のクオリティー次第です。
私の病院では紹介時にCT検査をすでに受けられている患者様の場合でも、より専門的CT検査が必要であれ再度行うことが多いです。

肝臓腫瘤の成長速度についてのご心配に関しては、エコーで認められたと思われる腫瘤の大きさの変化については、
現時点では腫瘍かどうかもわかりませんし、腫瘍であったとしても、腫瘍の種類が特定できないと、進行速度は予測不能です。

最後にステロイドの投与については、肝臓の検査には多大な影響があります。
最初にも触れましたが、なぜステロイドが投与されているのか自体が今回頂いたご質問の文章からは推察することが難しいので、
投薬しなかった場合の影響等についてお答えは難しいかと思います。

いずれにしても現在の臨床症状に対して病態把握や治療が不十分であるために、良化しない可能性もあるので、
高度獣医療施設でのセカンドオピニオンはお奨めかと思います。
その際にこの施設を選択するかは、紹介理由に大きく左右されますので主治医の先生やセカンドオピニオンの先生とご相談下さい。

日時2018-02-27 10:24:52

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