イヌ・ネコの健康医療相談

僧帽弁閉鎖不全症とクッシング症候群のシーズーに、時々神経症状がみられます

飼い主からの相談に専門の獣医師が回答します

じゃじゃ(質問主)


犬アイコン 犬 9歳 メス シ-ズ-

体重:4kg

飼育歴:8年10ヶ月

居住地:北海道札幌

飼育環境:室内

2年ほど前にクッシング症候群と僧帽弁閉鎖不全と診断されました。
朝はアドレスタン、夜にエナカルドヲ服用しています。
何ヶ月に1回か、夜も寝ないでうろつき、頭を壁に押し付け、よだれをたらし、歯をくいしばると言う行動がありました。2〜3日様子を見ていると、いつもの状態に戻るのですが、今年に入ってから3月、8月、9月と起き上がれない状態になってしまいました。幸いいずれも、何日かたつと普段の状態に戻ったのですが、先週はなりふりかまわずケージの中で頭をぶつけながら歩き続け、次の日の朝には自分で立つことができない状態になりました。
この時も1日目を見開いて舌をだして横になっていました。
次の日、起き上がろうとしたところ、後ろ足に力が入らないようで立ち上がれませんでした。
また次の日には歩けるようになったのですが、左側に旋回しており、両目が一気に見えない状態になっていました。
おそらく、下垂体クッシングかと思うのですが、
病状がどんどん悪くなっています。

下垂体腫瘍が大きくなっているかと思うのですが
ここまでの状態になるとどのくらい生きられるのでしょうか。
また、目はこのまま見えないのでしょうか。
来月大学の動物病院に行く予定ですが、もしなにかアドバイスいただければと思います。

日時2016-09-21 21:36:35

専門の獣医師からの回答

ご質問の余命や失明に関してですが,明確な病態や原因が確定されていないこと,また僧帽弁閉鎖不全など他の老齢性疾患を併発していることなどから,現時点での判断は難しいです。
仮に脳腫瘍であった場合でも,どのような治療を行うかによっても余命が大きく異なるかもしれません。視力に関しても予測は難しいかもしれません。
 
今回の神経症状は,2年前にクッシング症候群を発症していることから飼い主様が推測されていように下垂体腫瘍が原因となっている可能性は高いと思われます。
クッシング症候群で下垂体腫瘍が認められる場合,下垂体腺腫とよばれる良性腫瘍がほとんどで,下垂体腫瘍そのものは小さく通常はクッシング症候群の治療のみ行われることが多いのですが,約1割の確率で腫瘍が大きく成長する巨大下垂体腺腫が認められます。
巨大下垂体腺腫の場合には脳腫瘍の成長に伴い,他の部位を圧迫することで様々な中枢系の神経症状が認められるようになります。
診断は大学病院でMRI検査と神経学的検査を行ってもらうことで容易につくかと思います。
下垂体腺腫における最も積極的な治療としては,下垂体腫瘍の外科的切除とメガボルテージの放射線治療が考えられますが,それらの治療はすべての大学病院で実施できるわけではなく,限られた施設でのみ行われています。
対症療法としては,脳圧を下げるお薬を投与したり,痙攣(ケイレン)が起こる場合には抗けいれん薬(抗てんかん薬)を使用します。
 
いずれにしても大学病院で精密検査を行ってみないと,今回の神経症状が巨大下垂体腺腫によるものかどうかもわかりませんし,他の脳腫瘍あるいは水頭症や脳炎などの他の脳疾患の可能性も否定できません。
 
現時点でできることとしては,問診時に重要となる症状を詳細にまとめていただき,大学病院への来院までは主治医の先生の指示に従って興奮させないように安静を保ってあげて下さい。
特に盲目でふらつきがおこると転倒や転落あるいは物にぶつかったりしやすいので,ケガをさせないように注意してください。
大学病院では,診断と同時に治療法についての詳しい説明があり,予後についてもある程度の話はしていただけるかと思います。
十分な説明をお聞きになった上で,どのような治療をどこまで行うかについて問われると思います。
特殊な治療になると費用も高額となり,治療法によってはリスクもありますので,その当たりもあらかじめご家族で相談されておくとよいかもしれません。
なお,現時点での治療としてステロイドは使用すべきでないと思われますが,脳圧を下げるお薬は内服薬もあり,大学病院を受診するまでの間,神経症状を緩和するのに役立つかもしれません。

日時2016-09-26 13:04:46

じゃじゃ(質問主)


ご回答ありがとうございます。
詳しく教えていただいて、大変参考になりました。
もしわかればでいいのですが、通常、クッシングで巨大腫瘍の子はどのような神経症状になる子が多いのかも教えていただければと思います。
よろしくお願いいたします。

日時2016-09-27 16:20:43

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