イヌ・ネコの健康医療相談

相談・獣医師回答・コメント

リー(質問主)


犬アイコン 犬 16歳 オス シ-ズ-

体重:6kg

飼育歴:16年5ヶ月

居住地:千葉県千葉市花見川区

飼育環境:室内

16歳のシニア犬です。今年の3月に左首にしこり(1センチ)が見つかり、かかりつけの病院で細胞診検査をしてもらいました(外注)。結果は「良性の上皮腫瘍性病変や非腫瘍性あるいは腫瘍性の唾液腺導管の上皮の可能性。なおリンパ節内部からの細胞は得られていません」と返ってきました。病院側からは怪しいものでは無いので様子見で大丈夫ということでした。元々心臓の持病もあり、月一の通院や定期的な検査(血液.心臓検査)と同時に毎月そのしこりも触診してもらっていたのですが病院側は唾液腺だろうとおっしゃっていたのでとくに何もしませんでした。しかし次第に大きくなり右側にもしこり、吐き気や体重減少が見られた為9月下旬にもう一度細胞診検査をしたら「上皮腫瘍が疑われる所見でコロイド様の桃色不定形物も得られており摘出組織での検査をご検討下さい。なお標本上にはリンパ節の構成成分は確認されません」とありました。すぐに高度医療センターを紹介してもらい血液検査.エコー.細胞診検査をしたところ原発巣は他にあると思われる悪性腫瘍だろうと。身体状態が良く無いことと喉の奥まで腫瘍があり気道確保が難しいとのことで麻酔での摘出検査やCTはしていません。その後かかりつけ医との話で、3月の細胞診で分からなかったのは、腫瘍部分の圧迫?でリンパ球置換が起こってしまったと聞きました。珍しいことだと。今は他に施しようがなく点滴等のみです。リンパ球置換だと早期発見は難しいのでしょうか。そもそもそのリンパ球置換とは何ですか?今更なのですが後悔だけで苦しんでいます。長文になりましたがご意見をお願いします。

日時2020-11-18 13:22:36

専門の獣医師からの回答

腫瘍細胞がリンパ節に転移した場合、リンパ節内で腫瘍細胞が増殖することにより、リンパ節の正常構造が破壊され、腫瘍細胞に置き換わってしまうことがあります。この状態をリンパ節が腫瘍細胞に置換されたと言い、完全に置換されてしまうとそこがリンパ節であったこともわからなくなることがあります。お尋ねのリンパ球置換という言葉ですが、聞いたことがありませんので、おそらく主治医の先生は、リンパ節が腫瘍細胞で置換されているということを説明したかったのではないかと思われます。
体表に腫瘤が認められた場合、細胞診は診断に導くための有用な検査の一つです。ただ、完璧な検査ではなく、腫瘤の状態や穿刺部位によって評価が変わってくる可能性があります。今回のケースのように、1回目の検査では腫瘍細胞がみつからず、時間が経過した2回目の検査で腫瘍細胞が見つかったような場合は、1回目の検査では腫瘍細胞がまだ腫瘤内に存在しなかった、或いは数が少なく(或いは範囲が小さく)、穿刺吸引した中に腫瘍細胞が含まれていなかった可能性が考えられます。2回目の検査では、時間が経過し、腫瘍細胞の数が増加(或いは範囲が拡大)したことにより、腫瘍細胞を見つけることができた可能性が考えられます。また、細胞診だけで腫瘍が良性か悪性かを判断することが難しい場合もあります。このような問題を解決するには、細胞診で複数個所の穿刺を行う、大きさをモニターしながら頻繁に細胞診を行う、あるいは組織片を採取し病理組織学的検査を行うしかありません。
今回は不幸にして発見が遅れてしまったようですが、飼い主様が後悔で苦しんでおられるお気持ちと同じように、かかりつけの獣医師もなぜはやく見つけられなかったのかという自責の念にかられているのではないかと思われます。リンパ節が腫瘍細胞に置換されたという状態は、腫瘍が進行した状態になるため、それを初期に見つけられなかった理由と結びつけることには、矛盾があるようにも思われますが、お互いの意思疎通がうまくできていなかった(獣医師の説明が分かりにくく、飼い主様に正しく伝わっていなかった)可能性も考えられるため、お気持ちの整理がつくようでしたら、疑問に思われていることを獣医師に伝えて、冷静にお話されることが良いように思われます。

日時2020-11-22 00:59:47

リー(質問主)


この度はご丁寧な返答を有難うございます。残念ながら先日息を引き取りました。高度医療センターで診断後は他の病院で診ていただいていました。あの様な状態でも新規で受け入れて頂き寄り添ってくれた病院に感謝しています。かかりつけ医には改めて話をしに行きました。最後まで癌だとは思っていなかったそうです。やはりとても珍しい症例で経験もなく結果気づけなかった事は申し訳ないと話していました。ただ高齢犬でもあり初期の時点で化学療法等をしてもあまり変わらなかっただろうと。沢山の言い訳とカルテの修正跡 不信感しか残りませんでした。
私の無知さで先生を信じ、末期癌だと分かった後も現実を受け止められず心構えも出来ず苦しませて呆気なく逝かせてしまった事、あまりにも可哀想で申し訳なくてどうして良いか分からない状態です。
改めて今回ご返答頂き有難うございました。

日時2020-11-24 15:24:14

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