イヌ・ネコの健康医療相談

相談・獣医師回答・コメント

satou(質問主)


犬アイコン 犬 9歳 メス プードル(トイプードル)

体重:4.8kg

飼育歴:9年1ヶ月

居住地:宮城県仙台市青葉区

飼育環境:室内

突然のメール誠に申し訳ございません。9歳のトイプードル(女の子)についての相談です。2019年5月29日ころ突然吐くようになり5/30にかかりつけのクリニックを受診したところ、採血でALT1000<,AST1000<,ALP1061,ɤGTP33と高度の肝機能異常を認め、それが原因であるとの指摘を受けました。肝機能が悪くなった原因ははっきりしませんでしたが点滴をしていただき、その後ウルソと抗酸化物質のサプリメントを処方され経過をみたところ速やかに改善いたしました。吐き気などの症状も一日前後あったのみですぐ元気になりました。
よく考えたところその数日前に除草剤をまかれた草に近づきにおいをかいだりしていたためそれが原因かもしれないとのこととなっておりました。
また受診の際行った超音波検査で胆石を指摘されましたが粘液嚢腫の状態にはなっておらず現在何か悪さをしている印象はないとのことでした。その後同じような症状はなく経過いたしておりましたが、2020年7月11日前回ほどではないものの数回吐き、食欲もないようなのでかかりつけ医を受診させたところALT547,AST77,ALP470,ɤGTP8と肝機能異常を認めておりました。
前回肝機能異常を認めてから散歩はもっぱら抱っこして行っており、たまたま外で歩かせた直後でした。翌週の採血ではALT105,AST38,ALP364と改善し、胆嚢の石についても変わりないとのことでした。先日(9/5)の採血ではALT49,AST22,ALP325と改善はしておりますがALPは依然やや高めで、Tcho317,TG500<と高値でした。ちなみにリパーゼは正常でした。7/18の採血ではTcho325,TG141,7/11の採血ではTcho361,TG199でした。主治医の話では肝機能については順調に経過しており、今後は半年に一回程度の採血でいいでしょうとのお話でした。またTGの高値については食後の採血であったためその影響を考えていいでしょうとのお話でした。今回の2回のエピソードについて胆石による可能性もあるかと思い毎回相談いたしておりますが、現段階では経過がよく、粘液嚢腫の状態ではないため、また手術の負担も大きいため経過観察でいいでしょうとのお話です。また食事については現在ロイヤルカナンの満腹感サポートとシュプレモの体重管理用を半分ずつ与えており、他にささみのチップス数枚、ガム一つ、ヨーグルトタブレット、納豆一日4.8g、鶏ささみやマグロを湯がいた物少々、アマニ油一滴程度、果物少量をおやつとしてあげておりますが食事は継続でいいでしょうとのお話でした。昨年肝機能異常を指摘されてからウルソと抗酸化物質のサプリメントは継続的に内服させております。
他の相談サイトでセカンドオピニオンを伺ったところ胆嚢は切除したほうがいいだろうとのお話もあり、非常に心配しておりました。まず今回の肝機能の変化については胆嚢が悪さをしたものと考えるべきでしょうか。上記のエピソード以外は非常に元気に過ごしておりますが胆嚢については主治医のお話通り問題なければ半年に一回の定期検査で見ていくことでいいでしょうか、また食事についてもこのまま(体重は4.8kg前後で安定いたしております)でみていっていいものでしょうか。また、胆嚢の手術はかなり危険性が高いとのお話もありますがやはり危険性は高いでしょうか。手術をこのままずっと回避できる可能性はありますでしょうか。長くなって申し訳ございませんがご意見をいただければ幸いです。

日時2020-09-06 12:40:59

専門の獣医師からの回答

まず,血液検査で肝臓の逸脱性酵素(ALTとAST)および誘導性酵素(ALPとγGTP=GGT)の上昇と高脂血症(高コレステロール血症と中性脂肪の上昇)肝機能の異常に加えて胆石が認められる症例のご相談と理解しました。
誤解があるようなのですが,肝酵素検査は肝機能検査ではありません。逸脱性肝酵素の異常は,肝細胞障害や肝細胞膜の異常を意味し,誘導性酵素は胆汁うっ滞や胆嚢疾患,消化管疾患あるいはステロイドの影響などで上昇します。高脂血症は胆汁うっ滞やステロイドの影響あるいは食事性に上昇することがあります。肝酵素異常や高脂血症の原因はさまざであり,肝臓疾患とは限りませんし,まして肝臓の機能を評価するものではありません。いずれにしても顕著な肝酵素異常が認められ,現在も高脂血症が持続しているとなると,精密検査をお薦めします。
本症例では胆石も認められるとのことですが,胆石の犬では多くは胆嚢炎を併発することが多いのですが,慢性膵炎や慢性腸炎あるいは内分泌性疾患と関連している場合も多く,もし精密検査を希望される場合には,CT検査による全身評価に加えて,内視鏡検査での胃腸生検,経皮的胆嚢穿刺による胆汁細菌培養,および経皮的肝生検による肝臓の組織学的検査といったところです。
ただ,5kg以下の小型犬における経皮的肝生検はリスクがあるので,開腹下の生検の方が安全です。開腹下で行うとなると,むしろ治療をかねて胆石除去のため胆嚢切除をはじめから計画した方が無駄がないかもしれません。
胆嚢切除術はヒトに比べて犬では手術リスク(周術期死亡を含む併発症の起こるリスク)が高いのは事実です。手術リスクは施設による違いもかなりありますが,総胆管閉塞による黄疸を引きおこした症例では著しく周術期死亡率が高くなります。無症状の胆石に関する手術適応の明確な基準はありませんが,細菌感染を伴う難治性の慢性胆嚢炎を合併している場合や,総胆管閉塞症のリスクがが高い場合には,外科切除が理想です。
現在病態は落ちついているようなので主治医の先生の指示通りでよいように思いますが,ご心配であれば精密検査をお願いしてもよいのではと思います。
なお,近年の安全性の高い除草剤(ラウンドアップなど)でここまでの肝障害が認められることは考えにくいです。

日時2020-09-10 19:34:53

 
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