イヌ・ネコの健康医療相談

相談・獣医師回答・コメント

(質問主)


犬アイコン 犬 15歳 オス チワワ

体重:3.2kg

飼育歴:15年6ヶ月

居住地:高知県高知市

飼育環境:室内

先月終わりにフィラリアの薬をもらいに行った時、お腹にしこりがあるみたいだと伝えたら、お腹全部がしこりですよと言われました。エコー、レントゲン撮影では場所の特定が出来ず、県外の病院を紹介して頂き、CT検査で肝臓であるという事が分かりました。17cm×7cmという大きな物で、高齢という事もあり、手術するかどうか迷っています。CT検査ではとりあえず転移は見当たらない、肝臓で大きな腫瘍ではあるが、大きな血管からは遠い箇所にあるとの事。CT検査の為の麻酔も大丈夫でした。その場では決心がつかず、とりあえず手術の予定を立てましたが、一旦家に帰ってどうするか考え、また連絡下さいとの事を言って下さったので、連れて帰って来ました。なので、悪性かどうかの検査はしていません。良性であっても大きな物なので、このまま置いても小さくなる事はなく、今でさえ他の臓器を圧迫している状態なので‥手術し、この子の生命力に掛けてみたいとも思いますが、県外の病院である事もあり、手術中や術後に何かあってもすぐに駆けつけてあげれないと思うと躊躇してしまいます。今はまだ元気で、痛みなどもないようです。
10日程で体重が200g減っています。食欲はあり、餌はドライフードを食べていますし水も飲んでいます。排尿、排便もあります。

約15歳、手術した方がいいですか?

日時2019-07-09 01:53:48

専門の獣医師からの回答

高齢犬において肝臓に巨大な腫瘍が認められるとのこと,飼い主様がのみならず,獣医師の立場でも治療方針に苦慮するケースです。
おそらく肝細胞癌と思われますが,犬の肝細胞癌は人と異なり,初期には明確な症状を示さないため,巨大化し,
他臓器の圧迫や腹膜炎などを合併することで症状を発現することが多いです。
肝臓の腫瘤だけでもかなりの重量ですので,すでに体重減少が認められるとなると,病態は悪化していると考えた方が良いかと思います。
肝細胞癌であれば,根本的な治療は手術しかありません。
その場合,周術期を乗り越えれば予後はよいのですが,周術期死亡率は1割程度と決して低くありません。
本症例においてはかなり高齢ですので,通常よりも術後の合併症のリスクは高いと考えなければなりません。
とはいえ放置した場合には,肝臓腫瘍が原因となり寿命が縮まる原因となる可能性が極めて高いと思われます。
結局のところ手術を行うかどうかは飼主樣に決めてもらうしかないのですが,
このまま放置して肝臓腫瘍が原因で死亡した場合に後悔が残らないか?
手術を選択した場合には,もし手術が原因で寿命が短縮した場合に,後悔が残らないか?
いずれを選択しても,結果が悪ければ後悔や反省が少なからず残ります。
飼主樣にとって,どちらが悔いが残らないかをご家族ともよく話し合われて決めていただくことが最善かとおもいます。
もし,手術を決断されるのであれば,病態が悪化する前に行うことが重要です。

日時2019-07-13 12:57:45

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