相談・獣医師回答・コメント
こば(質問主)
犬 14歳 オス シ-ズ-
体重:5.2kg
飼育歴:13年7ヶ月
居住地:山梨県南アルプス市
飼育環境:室内
心不全と診断され薬を飲みながら経過観察中です。先日、診察を受けてレントゲン検査をしたところ肝臓に7㎝の腫瘍があり肝臓がんと言われ、高齢なのでできることはない、経過観察と言われました。心臓、肺は思っていたより悪くない、呼吸も落ちついていると言われました。
去年の肝臓エコーで胆嚢が腫れていると言われサプリメントが処方されていました。咳は全くしません。食欲旺盛、元気にワンワン吠えて、静かに寝ることができています。嘔吐、黄疸もありません。ただ去年12月の血液検査でALT4000、ALKP2000と高値がでてしまいその時に肝臓エコーを撮り胆嚢の腫れがわかり胆嚢破裂に注意していこうと言われて経過を見ていました。最近、便秘、下痢になりやすく下痢になった時はディアバスターで治まっています。腫瘍が7cmもあって普段と変わらない生活が送れていることに少し疑問を感じ相談させて頂きました。血液検査で肝臓関連項目がとても高値なので肝臓がんは確定でしょうか?愛犬は約2年ステロイドを処方されて飲み続けています。ステロイドを処方している理由は聞かされていません。
2018-06-03 13:32:06
専門の獣医師からの回答
心臓に異常がある13歳齢の愛犬の肝臓に7cmの腫瘤があるとのご質問に関してお答えします。
仮に悪性の肝細胞癌であった場合でも,症状はないのが普通です。
また,肝酵素の上昇と肝臓の機能は全く相関しませんし,肝臓腫瘍などとの相関もほとんどありません。
むしろステロイドを長期投与しているとのことなので,犬ではその影響で肝酵素(特にALPとGGT)が上昇したり,肝臓が腫大したりすることが多いです。
また,胆嚢が腫大してうて破裂に注意となると,胆嚢粘液嚢腫という病気を疑われている可能性があります。
胆嚢粘液嚢腫もステロイドを長期投与していると起こりやすい疾患です。
臨床症状については,肝臓や胆嚢は沈黙の臓器なので,よほど重症化しないと症状が現れません。
逆に重い症状が現れた場合には,治療を行っても救命できるとは限りません。
質問にかかれている情報のみでは心不全の重症度や胆嚢腫大の原因ならびに肝臓腫瘤の鑑別について判断は難しいですが,肝臓の腫瘤や胆嚢粘液嚢腫は外科疾患であり,手術が必要となります。
心不全があって高齢であるために手術が本当にできない状態かどうかについては,精密検査が必要かと思います。
少なくとも,年齢に関してはまだ平均寿命にも満たないので,手術の選択肢を否定する理由にはなりません。
心不全に関してもその程度が重要であり,それほど重症でなければ,外科的治療を妨げる要因になることは少ないかと思います。
セカンドオピニオンを希望され見ることを強くお勧めします。
2018-06-15 16:02:34
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