相談・獣医師回答・コメント
ととと(質問主)
犬 12歳 メス フレンチブルドック
体重:8.9kg
飼育歴:10年11ヶ月
居住地:埼玉県さいたま市西区
飼育環境:室内
昨年秋頃から、たびたび
・失禁や腰が砕ける(後ろ足の力が抜ける)
・車に乗るとパニックになる
様子が見られ、12月に健康診断をしましたが、異常なしとの診断でした。
車に乗るのが苦手なのは昔からなので、老化現象くらいに思い、愛犬も歳をとったから、多少の足腰の弱さや失禁は仕方ないと家族でも話していました。
しかし、1月に入り、肺に水が溜まり医師からは心臓病の可能性があるが、突発的に起きたのか、12月の健康診断で見つけられなかったのかは不明と言われ、血管拡張剤などの心臓病の薬と利尿剤、抗生剤でなんとか生き延びている状況です。
初めて肺に水が溜まった時は、4日間何も口にせず、病院で食欲増進剤の注射を打ち、その後1週間ほどかけて少し回復したように見えましたが、実家に家族が遊びにきた際に興奮してしまったのが良くなかったらしく、再び肺に水が溜まり、現在も治療を続けています。
家族としては高度医療は望まず、できるだけ自宅で最後まで見とりたいと思っていますが、一昨日、突然てんかんのような症状が現れ、その後もめまいが続いている様子でとても心配です。
まだ、心臓と肺の水であれば、薬でコントロールできるのかもしれませんが、原因不明の発作が起きるとなると、いつ起きるのかも分からない、てんかんなのか、心臓の発作なのかも分からない状況ですが、医者からは、昼間に発作が起き、夕方には落ち着いていたので、てんかんでしょうと診断され、薬はあるけど精神安定剤なので、本当にひどいときに使うとのこと。
愛犬が目の前で発作を起こしたことがトラウマとなり、原因が不明なことや、具体的な治療がないことが気になります。
大きな発作があった次の日の朝も、めまいが続いている様子があり、向かって右に頭が傾き、明らかに目が回っている様子、足元もおぼつかないので、もしかしたら前提疾患かも?と疑い、医者に相談しましたが、MRIを取るのであれば全身麻酔が必要なため、いまの愛犬にそれはしたくない、との判断でした。
・脳の腫瘍
・耳鼻関係の現象
・抗生剤の副作用
・てんかん
・心臓発作
など、調べれば調べるほど、原因がわからなくなりとても不安で、こちらで何かわかればと思いご相談しました。
2021-02-17 11:26:52
専門の獣医師からの回答
車に乗るとパニックになるのは、書かれているように性格的なことだと思います。
卒倒は、心臓病でも起こりますし、てんかん(脳の異常)でも起こります。
肺に水がたまるのを肺水腫と言いますが、心臓性なら左心不全の症状で、うっ血性心不全の状態です。決していい状態ではありません。僧帽弁閉鎖不全症が最も可能性の高い病気ですが、この子が何なのかはわかりません。一般的には、強心薬や利尿薬、血管拡張剤で治療をします。肺水腫から低酸素に陥るようであれば心疾患からの卒倒の可能性があります。
ただし、短頭種なので、短頭種気道症候群とか呼ばれる上部気道閉塞によっても肺水腫を合併することがあります。心エコーで心臓病の診断ができると思いますので、肺水腫の原因を確定診断していかないといけませんが、心臓性で肺水腫がそんなに続くのであれば、薬剤の種類や量を調整しないといけないと思います。
目が回っているとありますので、眼振があるんだと思います。そして右に頭が傾いているので、右側の前庭疾患の可能性が高いです。ただ、てんかん発作を合併しているとなると、脳腫瘍などの可能性も否定できません。ステロイドや抗てんかん剤を持続的に投与しています。抗てんかん剤は心臓病にも影響しますのでよくご相談をされてください。前庭疾患は、毎日ステロイドを数日は投与したほうがいいと思います。脳腫瘍などの圧迫によるてんかん様発作であればそれも軽減できる可能性があります。
本当はMRI検査がいいのでしょうが、肺水腫がコントロールできていない場合にはかなりのリスクになりますので、検査をする場合でもまず肺水腫の原因を診断し、治療に結び付け、症状がなくなってからだと思います。
あと、後躯が弱いのは、犬種的には脊椎奇形や椎間板ヘルニアによって脊髄の圧迫により生じているんだと思います。内科的治療として消炎剤を投与しますが、前庭疾患でステロイドを使用されるのであれば、こっちの治療にもなると思います。この後躯不全麻痺も原因は様々ですので、もしMRI検査をされるのであれば、一緒に検査をしてもらったほうがいいでしょう。
ご担当の先生とよくご相談されてください。
お大事になさってください。
2021-02-22 10:27:59
ととと(質問主)
お返事ありがとうございます。
実は、つい最近、家族が見守る中で息を引き取りました。
エコー検査に連れて行った車の中で調子が悪くなり、もう大きな検査や治療に疲れたのかなと、家族で話していました。
この度は貴重なお時間をいただき、詳細にコメントをくださりありがとうございます。
今後同じような症状で悩む飼い主さんや、わんちゃんのためにこの相談や質問が役に立つといいなと思います。
2021-02-22 11:53:47
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