イヌ・ネコの健康医療相談

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まつもと(質問主)


犬アイコン 犬 14歳 メス ミニチュアダックスフンド

体重:8kg

飼育歴:14年2ヶ月

居住地:山形県長井市

飼育環境:室内

ミニチュアダックス(14歳、女の子)です。
現在、5センチ大の乳腺腫瘍と思われるものがあります。4-5年かけて大きくなってきました。手術をするべきか悩んでいます。
というのも、かかりつけの獣医師さんによると、心臓が弱く全身麻酔には耐えられないだろうとのことです。
局所麻酔でも、暴れると負担がかかってしまうとのことで、
投薬(プレドニン)により様子を見て、もし破裂してしまった場合はMohsペーストをするのがよくある流れだと聞きました。
しかし、破裂したり、様子を見てほかに転移があった場合、もっと苦しい思いをするのではないかとも考えます。
私の中では、素人ながら局所麻酔で取り除くことが根本的な一番の解決策であろうと思います。
しかし、愛犬のQOLや、手術のリスクなど考えると決断ができない状態です。

ほかの状態として、基本的には元気です。
食欲、体重変化、排泄などは問題ないです。
ただもう目がほとんど見えなくなってしまっております。
鼻水が出たり、痰が絡み、逆シャックリのようなことになるときがあります。そのためコンセーブとアピナックを投与しております。


リスク等、最新の医療情報等、そしてアドバイスをいただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。

日時2019-12-03 17:09:06

専門の獣医師からの回答

 犬の乳腺腫瘍には良性と悪性があり、一般的にその確率は半々(良性である確率が50%、悪性である確率が50%)と考えられています。犬の乳腺腫瘍は、4段階の病気分類(ステージ1~4に分類、数値が大きいほど乳腺腫瘍は進行していると考えます)がなされており、しこりの大きさが3cm未満でリンパ節転移や遠隔転移が認められない場合はステージ1、しこりの大きさが3~5cm未満でリンパ節転移や遠隔転移が認められない場合はステージ2、しこりの大きさが5cmを超えてリンパ節転移が認められる場合はステージ3、遠隔転移が認められる場合はステージ4と分類されています。現在5cm大の乳腺腫瘍ということですので、リンパ節転移が認められれば、悪性腫瘍でステージ3に該当するものと思われます。リンパ節への転移があるかどうかにつきましては、リンパ節の細胞診で確認します(はっきりしない場合は、術後のリンパ節の病理組織学的検査が必要です)。ステージ3の場合、手術1年後の生存率は75.8%、手術2年後の生存率は66.4%という報告がありますが、高齢犬の場合は予後が悪い可能性があります。
乳腺腫瘍の治療は外科手術が第一選択になります(5cmの大きさの乳腺腫瘍に対して、外科手術を行わずに抗癌剤治療を行っても効果は期待できません)ので、麻酔リスクの評価、転移の有無を調べてから、手術適応かどうかを判断します。腫瘍が良性であった場合は、完全切除で根治が期待できます。完全切除できたかどうかは、外科手術で摘出した乳腺腫瘍の病理組織学的検査の結果で判断します。病理組織学的検査で不完全切除、脈管浸潤あり、リンパ節転移ありという結果でしたら、局所再発や転移のリスクが高くなりますので、積極的な補助療法(抗癌剤治療など)を検討します。ステージ3以上になってしまうと、1回の手術だけで根治することはありませんので、積極的な補助療法(抗癌剤治療など)の検討が必要となります。
現在、14歳2ヵ月齢という高齢で、アピナック(慢性心不全改善薬)とコンセーブ(抗てんかん薬)を処方されているようでしたら、麻酔リスクの評価は慎重に行う必要があります。また、局所麻酔での手術につきましては、5cmの大きさの乳腺腫瘍の摘出には広範囲の切除が必要となるため、適応ではないと思われます。
乳腺腫瘍に関する最近の情報としましては、トセラニブという分子標的薬が肺転移した乳癌の進行を遅らせる可能性があるとの報告がありますが、基本的な治療に変わりはありません。担当の獣医師とよく相談して、治療の方向性を決めて頂ければと思います。

日時2019-12-08 23:54:45

 
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