相談・獣医師回答・コメント

この子の場合、前肢を吸い続けることの理由として、いわゆる乳離れできていないことと、お腹が空いてミルクを欲しがっていることが考えられると思います。あまりにも離乳食を食べないまま体力が低下してしまうことも心配ですから、スポイトやプラスチックの注射器で離乳食の食べが不足している分をミルクで補う必要があるかと思います。
離乳については、すでに実践しておられるように、離乳後も引き続き食べさせてあげる予定の、消化がよく成長期および繁殖期向けの栄養バランスが取れたフードを、猫用のミルクやぬるま湯で柔らかくふやかした物を離乳食として与えます。
仔猫は離乳食をまだ充分に食べ物として認識していない可能性がありますので、馴れるまで少し時間がかかる子がいます。
離乳食の温度は38℃にし、そのつど作り直しましょう。
前肢を吸うのであれば、最初は少量の離乳食を前肢に付けて舐めさせてみるのも離乳食を食べる切っ掛け作りになるかもしれません。
また、動物病院で給餌用のチューブ（カテーテル）とプラスチック注射器を出してもらえるのであれば、それらで離乳食を少しずつ口に入れてあげると良いでしょう。
離乳食を入れておく食器は、仔猫が近付き易いように、底が浅く幅の広いお皿が良いでしょう。
仔猫は順調であれば1週間に約100gくらい体重が増えます。「離乳」は仔猫にとって大きなストレスとなる時期ですので、離乳食を食べる量が少ないために痩せてきたり、元気が無い、発育が明らかに遅れている、といったようであれば、早めに一度動物病院を受診されることをご検討下さい。