猫が尿道から出血し、歩き方がフラフラしていて元気がありません
飼い主からの相談に専門の獣医師が回答します
リリコ(質問主)
猫 15歳 オス アメリカンショートヘア
体重:4.7kg
飼育歴:14年2ヶ月
居住地:大阪府大阪市港区
飼育環境:室内
はじめまして、よろしくお願いします。
一昨日、H29年12月29日 23時頃、トイレに行き1度吐く。その後もトイレに何度も行くため、おかしいなと様子を見に行くと、尿道からポタポタと出血がある。出血しながらトイレに出たり入ったりを繰り返し、時折座り込む。またトイレに行くがオシッコは出ず、トイレこら出てくると、右回りにゆっくりクルクル回り出す、約1分。回った後、部屋中をウロウロし出すが、歩き方が少しフラフラしている。トイレ周辺はあちこちに血がつき血餅もあり。すぐに救急病院へいき、尿検査、血液検査、CTで膀胱炎と診断。BUN44。また、ヘルニア傾向があるとのこと。点滴、止血剤で処置。翌日かかりつけ医に受診し抗生剤を処方してもらうよう指示を受ける。翌朝、猫の足元は更にフラフラし、血尿もある。
救急病院からもらった検査結果を持って昼間にかかりつけ病院に受診。かかりつけ病院では、触診、視診のみで特に検査はせず。医師より、①抗生剤は飲まなくてよい、止血剤のみ処方 ②脈がとれない ③血栓かも との診断で、歩けなくなったらすぐに受診すること、何もなければ1週間後に再受診の指示を受けました。帰宅途中に血尿あるが、その後 自宅では 血尿、血餅は見られない。しかし、食欲なく、右前足、右後ろ足が特に力入らず、右後ろ足の爪が床に擦れる音を立てながら歩行。座って水を飲むが、右後ろ足に力入らず、前に伸びてくる。名前を呼んでもあまり反応せず。翌日、フラつきは変わらず、餌少し食べる。水は数時間に1度立ち上がった時に飲む。血尿無し。ゴロゴロ言い、名前に反応もするようになるが、あまり動かず元気はない状態です。
質問です。かかりつけ病院は、MRIもあり設備の整っている病院ですが、触診、視診だけでした。①救急病院では抗生剤を飲むよう言われたのですが、処方はされなかったのですがよいのでしょうか。②フラフラですがまだ歩けてはいます、オシッコも出ています。このまま様子を見るだけでいいのでしょうか。③血尿は出ていない。血栓の疑いと言われているのに、トラネキサムを飲ませていいのでしょうか。④血栓が詰まった場合、どうなるのでしょうか。痛みはありますか。
どうぞ よろしくお願い致します。
2017-12-31 17:58:23
専門の獣医師からの回答
膀胱炎は、様々な原因により起こりますが、細菌性膀胱炎の場合には抗生剤の投与が有効です。一方、猫では特発性膀胱炎というのが多く、血尿などを起こします。これはストレスなどによっておこることが知られており、ミルクプロテインなど精神を安定させるようなお薬で治療していきます。またこれら精神を安定するような成分が入った病気用のフードもあります。この膀胱炎では、抗生剤の投与は効果がありません。この子の膀胱炎が前者なのか後者なのかで、抗生剤の投与の必要性が異なります。尿検査で何が出ているかで診断できるはずです。BUNが44とありますので、腎臓が悪かったり、高たんぱく食を与えている可能性などがあります。再チェックが必要です。
足の脈が取れないので血栓かも?ということですが、こちらの方が重症度が高いです。そうであれば、大動脈血栓症という病名で、血栓は、大動脈が左右の後肢に分岐する血管の位置で詰まることが多いです。心臓病(心筋症)の猫によく発生します。血栓症の治療はいろいろありますが、まずは診断が必要です。内科的治療は、血を固まらせないような薬や溶かす薬を使います。トラネキサム酸は、血を固める薬ですので、血栓症が疑われる場合には使うべきではありません。血栓形成を助長し、悪化させます。心筋症は、甲状腺機能亢進症からも起こります。高齢であることからも甲状腺ホルモンの測定も必要かと思います。
血栓症であれば、命に関わることがほとんどです。本格的に血栓がつまると足が壊死(腐る)していき、一般的にそう長くは生きれません。心臓病の有無も含めて再度検査が必要かと思います。そして、血栓があるのであれば、今からお薬の投与が必要です。
2018-01-05 11:41:31
リリコ(質問主)
初めまして。ご回答いただきありがとうございます。
あれから、やはりトラネキサム酸は怖いと自己判断し飲ませず様子をみました。
血尿で受診してから4日後、足のふらつきは変わらず、食欲もなく水もあまり飲まない状態だったので再受診しました。同じ病院ですが医師が変わり、脳の病気の疑いがあるとMRIをすすめられましたが、全身麻酔もあり迷い迷い予約せず帰りました。その2日後、胆汁か胃液かわかりませんが黄色い液体を1日6回ほど吐いたため、再受診。BUN46、クレアチン3.4。肝臓の数値もそれほど悪くない状態のため、足のふらつきや嘔吐は内臓系の問題ではなさそうとのこと。やはり脳の方かということになり、話はMRIに。しかし、私は、今年15歳になる、しかも弱っているこの子に全身麻酔は前向きではなく、また、もし脳腫瘍などあっても手術は怖いと考え、もし脳腫瘍等であっても、QOLを重視し、緩和ケアをと思っていることを伝えました。そのため、医師からは、プレドニゾロンを処方してもらい様子を見ることになりました。副作用がある話も聞きましたが、とりあえず数日はこれで様子を見ようと思います。MRIは、半年前に1度だけ痙攣を起こしたことがあり、その時にも勧められましたが踏み切れず、今回のことがあり、今もずっと悩んでいます。病巣がわかれば、痛みを和らげられる薬を出してもらえたりメリットはあるとわかるのですが、まだ踏み切れません。もし、またご回答いただけるのであれば、15歳になる弱っている猫にMRIはいかがなものか、教えていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
2018-01-05 22:43:09
やはりCreも上がっていますね。IRISのステージで言えば3の慢性腎臓病です。リンや電解質、血圧、尿検査、甲状腺ホルモンはチェックされなかったのでしょうか。
痙攣の既往があるんですね。神経疾患を疑っているのであれば、MRI検査は有益です。ただ、何を期待するか。脳の異常がわかって手術などをするお気持ちがあるのであれば検査すべきでしょう。書かれているように、脳腫瘍などが見つかっても手術せずに、内科的な治療をされるのであればリスクのあるMRI検査はあまり有益でないでしょう。ステロイドに反応してくれればいいですが、反応しない場合にはどうされるか。そこで判断が必要になります。
ただし、腎臓病を侮ってはいけません。ステージ4が最終でして、この子は3です。決して良くないんです(悪いです)。前述したような検査をして腎臓病の治療を早く開始しないと確実に命を奪われます。また、一般論として麻酔をかけると腎臓病に負担をかけますので、腎臓を優先に考えるのであれば麻酔はすべきでないでしょう。それと、残念ですが一度障害を受けた腎臓は治ることがありません。治療などにより血液検査値は上下しますが、腎臓の組織が治っているわけではありません。腎臓病は、進行性に悪化していきます。
2018-01-06 09:48:15
リリコ(質問主)
ご回答いただき ありがとうございます。
あれからとても悩み悩み、やはり、何が原因なのか分かった上で治療を考えようと、一昨日1月6日にMRI検査を受けました。その結果、脳に膿が溜まっていたようです。MRI検査当日は、膿がみつかったというだけで詳しいことはきいておらず、医師の画像診断後に今後の治療について話をするため、(2日経ちますが)病院からの連絡待ちです。治療方針などで、また分からないことがあったら、こちらで質問させていただきたいと思います。ありがとうございました。
2018-01-08 15:23:35
専門の獣医師からの回答
しっかりと検査をされているので、そのご担当の先生に質問があればしっかり聞いて、どう治療されるかを考えられてください。
何もデータのないところで、私がコメントするより、よっぽど有益です。
お大事になさってください。
これで終了です。
2018-01-08 17:41:17
リリコ(質問主)
はい、わかりました。検査結果など詳しく診ていただきたかったのですが、データの貼り付けがわからずで、すみませんでした。ご回答いただき 心強かったです。
2018-01-08 18:02:24
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