もし臆病な愛犬「福」が脱走してしまったら? とーさんが飼い主の責任として思うこと

散歩する犬
おさんぽがあまり好きではありません

 月刊誌『天然生活』『ESSE』で編集長をつとめ、数多くのヒット書籍をつくり続けている編集者の小林孝延さんこと「とーさん」は、困り顔の元保護犬「福」と元野良猫の「トモ」「モエ」と暮らしています。今回は、最近のニュースで考えたことです。

(末尾に写真特集があります)

人ごとには思えなくて

 千葉県でオオカミ犬のエリカちゃんが脱走、捕獲されたというニュースがわりとセンセーショナルな感じで報道されました。とーさんは直接取材もしてないし、ニュースやSNSからの情報しかもっていないので、この件そのものについて発言する立場にありませんが、非常にいろんなことを考えさせられたのでした。

 オオカミ犬というのは犬とオオカミのハイブリッドの血統を引く犬だそうで、もちろん純血のオオカミではありません。聴力と嗅覚(きゅうかく)に優れて、警戒心が強い半面、仲間と認めたものには極めて良好な関係をつくる性格だそう。なんだかうちの福と性格がひじょーーーに似ていて、しかも「わおおおおおん」と遠ぼえする様は、もうまんま福でして、なんだか、人ごとには思えませんでした。ただ、このオオカミ犬はしつけが非常に難しいのだとか。過去に女性をかんで死亡させた事故も報告されているそうです。

ソファの上の犬
我が家の自称「おおかみいぬ」福

愛する犬を守るには

 やはり犬を飼う以上は、ちゃんと呼び戻しができるように最低限のしつけは必要だなと強く強く感じました。そして、世の全ての人が犬が好きではないし、危害を加える可能性がある存在であることも事実(どんな小さな犬でさえも)。こうしたことを改めて肝に銘じて生活しなければならないとも思いました。

 自分の愛する犬を守るにはそれしかないんですよね。今回はオオカミ犬のエリカちゃんが無事に飼い主さんのもとに帰ることができてなによりだったわけですが、万が一人にけがをさせていたら、おそらく処分されることになったかもしれません……。そうでなかったとしても捕獲された時のエリカちゃんのあの姿を見て、犬を愛する人たちは皆、心を痛めているでしょう。ああならないためにも、飼い主との信頼関係を構築し、しつけをきっちりとおこなうことは責務だと思いました。

 わが家のオオカミみたいな遠ぼえをする超臆病な元保護犬の福も、大勢の人に取り囲まれたらきっと尻尾を股の間にたくしこんで、じっと隠れたまましげみから出てこないでしょう。臆病だからこそ恐怖がマックスになったら逆切れして攻撃性をあらわにするかもしれません。

犬と猫
ちょっと迷惑そう?

 もちろん、これまでの経験から脱走もしないし、絶対にとーさんから離れないと信じてはいるけれど、やはりそれは飼い主の思い込みにすぎないかもしれないのです。だから、これからは近所の散歩でもGPSを必ずセットしていこうと思いました(これまでも慣れないところに出かける時は必ず人間の子供用のGPS発信器を取り付けております)。

 ともあれ、エリカちゃんも近隣のみなさんも、捕獲にあたったみなさんも無事でなによりでした。ほっ……。さて、とーさんは福の呼び戻し訓練でもしましょうかね。

◆小林さんが発行人を務める月刊誌『天然生活』のサイトはこちら

(次回は9月18日に公開予定です)

【前の回】すぐにご飯を食べなくなる愛犬「福」 犬ってこんなに好みが激しいの!?

小林 孝延
編集者・文筆家。出版社在籍中は『天然生活』『ESSE』の元編集長、『ハニオ日記』石田ゆり子著ほか、ライフスタイル系の雑誌・書籍を多数手がける。2023年10月に著書『妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした』(鳴風舎)を刊行

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この連載について
とーさんの保護犬日記
困り顔の元保護犬「福」の「とーさん」になった編集者の小林孝延さんが、いとおしくも前途多難な保護犬ライフを語ります。
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