
痛みや不調なく穏やかにいられる
犬や猫は痛みや不調を言葉で伝えることができません。さらに野生の本能から体の不調を隠そうとする習性があるため、飼い主が気づいたときにはすでに進行していることも少なくありません。
病気を治すだけでなく、日常的に痛みや苦しさをできるだけ少なくし、穏やかな体の状態を保てるよう気にかけることが大切です。定期的な観察と健康管理が、その子の変化にいち早く気づくための第一歩になります。
心と体の健康 社会的な充足感
ペットも人と同じように、心も体も健康で、
社会的に満たされてウェルビーイングが実現します。
犬や猫は
「ごはんを十分に食べていれば大丈夫」ではありません。
「病気じゃないから」大丈夫でもありません。
飼い主や周りの人とのかかわりあいも
非常に大切です。
ペットのウェルビーイングをより具体的に。
彼らが本当に幸せかどうか、
5つの視点(5ドメイン)から考えてみましょう。
これらは相互に影響するので、
体と心の両方が満たされて、
初めて本当の幸せにつながります。
どれかひとつが欠けても、
その子の幸せは損なわれてしまうのです。

犬や猫は痛みや不調を言葉で伝えることができません。さらに野生の本能から体の不調を隠そうとする習性があるため、飼い主が気づいたときにはすでに進行していることも少なくありません。
病気を治すだけでなく、日常的に痛みや苦しさをできるだけ少なくし、穏やかな体の状態を保てるよう気にかけることが大切です。定期的な観察と健康管理が、その子の変化にいち早く気づくための第一歩になります。

からだの土台は、毎日の食事と水からつくられます。年齢や体の状態に合った質のよいごはんを、バランスよく、適切な量だけ与えること。飲み水も、いつでも新鮮なものが飲める状態であることが基本です。
犬や猫はもともと肉食・雑食の動物で、においや味への感受性がとても高い生き物です。食事の質だけでなく、食べる楽しさや満足感も健康に影響します。「食べているから大丈夫」ではなく、何を、どのくらい、どんなふうに食べているかまで考えてあげることが大切です。

犬や猫は過ごす場所の影響をとても大きく受けます。清潔さや温度、騒音・においへの配慮はもちろん、身を隠せる場所や好きな場所を自分で選べることも重要です。犬や猫の聴覚・嗅覚は人間よりはるかに優れているため、人には気にならない音やにおいが、大きなストレスになることがあるからです。
犬には視線を遮られて安心して休める場所が、猫には高い場所や隠れる場所が、生物として本能的に必要です。また、生活リズムが一定で予測できる環境であることも、安心感につながります。くつろげるスペースの広さと質、どちらも整ってはじめて、ほんとうに安心できる環境が生まれます。

遊ぶ、探索する、休む、誰かと関わる。こうした経験は特別なことではなく、心と体の健康に直結するものです。犬はもともと群れで行動する社会的な動物で、人や他の犬との交流を必要とします。猫は単独行動が基本ですが、探索や狩りの本能があり、刺激がない環境では退屈やストレスを感じてしまいます。
こうした行動の機会は、それぞれの生き物としての本能的なニーズです。その子の性格や年齢に合わせて、毎日の暮らしの中に「動く・遊ぶ・関わる」時間をつくってあげることが大切です。

犬や猫にも、怖さ・不安・ストレス・満足感・喜びといった感情があります。体が健康でも、毎日怖い思いをしていれば幸せとは言えません。研究によって、慢性的なストレスや恐怖はホルモンバランスや免疫機能にも悪影響を与えることがわかっています。
精神状態は「気持ちの問題」ではなく、生物としての健康そのものに関わる重要な要素です。安心感があり、強いストレスの少ない状態で毎日を過ごせること。それが5つの面の中でも特に大切な、すべての土台になります。