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episode.2

ベイエリアから都心に大自然まで存分に満喫!
ペットウェルカムが広がる東京

2022.10.31

「ペットは家族」となった昨今、東京では多くの場所がペットと一緒に行くことができます。実際に行きやすいルートで、都会を満喫できるコースと自然を感じられるコースを紹介していきます。

ペットと一緒に都会を満喫コース

行楽シーズン到来! 愛犬と小さな旅に出かけませんか? 一緒に楽しめる場所、フリーでのびのび過ごせるサービスなど、東京はペットフレンドリーな街に絶賛進化中。ライターの中津海が、愛犬の「もぐ」(トイプードルの女の子、3歳)と一緒に、都会を満喫できるコースに行ってきます!

新たな魅力発見!ペットと貸し切りできる東京ウォータータクシー

旅のスタートはクルージングから。JR田町駅前の運河沿いに船着き場があり、黄色いボートが停泊しているのを発見!

「TOKYO WATER TAXI(東京ウォータータクシー)」は、都内20カ所の乗り場から発着場所を選び、チャーターしたボートで都内を周遊したり移動したりできる、文字通り「水上のタクシー」。なんと言ってもうれしいのが、愛犬と一緒に乗船でき、リードをつけていれば船内は自由にできること。小型犬から大型犬まで楽しめる。

もぐはこれまでキャリーバッグに入った状態では船に乗ったことがあるものの、フリーは初めてなので、ワクワク興味津々の様子。キャプテンの操舵(そうだ)で、いざ出航!

初めての乗船、おしゃれをしてきました

船は運河を進む。港区芝浦は、小さな運河が密集する東京の新たな観光スポット。運河沿いの遊歩道院は四季折々の花が咲き誇り、ボートの上から遊歩道を歩く人たちと手を振りながら船の旅を楽しむことができる。まるでパレードしているよう!

運河を抜けると視界が一気に開け、東京港へ。海のクルージングでは、レインボーブリッジを下から眺めるというレア体験も。おなじみのお台場の風景も、海の上から見るととても新鮮!

「レインボーブリッジの下を見るのははじめて!」。船には犬用のお水の器もあり、デッキに出て撮影ができる

船首のシッティングスペースや船尾のスペースに出てもいいというので、早速もぐと船外へ。大きな空、さんさんと降り注ぐ太陽、何より海の上を吹き抜ける風がめちゃくちゃ気持ちいい! 

「ヒャッホー!」

もぐも髪の毛ならぬモフ毛をなびかせ、「ヒャッホー!」とニッコニコ。1隻チャーターで8人まで乗船可能なので、ワン友さんたちと一緒にオフ会クルージングも楽しそう。

愛犬と一緒に撮影したいポイントもたくさんあり、東京の新たな魅力も発見できて大満足

TOKYO WATER TAXI

都内各所にある防災用の船着き場を発着所として利用し、貸切ボートで運河や東京港の周遊、移動ができる水上タクシー。2020年より東京初の本格的なドッグフレンドリーボートとしてサービスを開始し、小型犬から大型犬まで乗船可(人数により頭数制限あり)。定員8名。15分単位の時間制料金で、15分5000円、30分10000円、45分14000円など(税込み)。要予約。
https://water-taxi.tokyo

よだれしたたる!ペットと一緒に焼き肉ランチへGO

ウォータータクシーはお台場に到着。旅のお楽しみといえば、やっぱりグルメ! 向かったのは「肉菜工房 うしすけ 台場店」。おしゃれで快適な店内で、愛犬と一緒に上質な焼き肉が楽しめると人気の焼き肉ダイニングだ。

左から焼き肉わんプレート、わんぱくバーグ。「早く食べたい!」と前のめりなもぐ

獣医師とペット栄養管理士監修のワンコメニューもそろい、目移りしちゃう。4種を盛り合わせた「焼き肉わんプレート」と「わんぱくバーグ」が運ばれてくると、食いしん坊のもぐ、前のめりでロックオン!

お肉は人間用と同じもので見るからにおいしそう。網の上でじゅうじゅうと焼かれたお肉をカットして器に入れると、あっという間にペロリと爆食。「う、うんめぇ~」と恍惚(こうこつ)の表情を浮かべるもぐ。

「う、うんめ~」

もちろん人間用の焼き肉やサイドメニューも充実している。熟成上タンや上ロースに舌鼓。赤身の深いうまみ、きめ細やかでジューシーな脂が口の中に広がり、思わず「う、うんめぇ~」。親子は似てくるってホントですね(笑)。

こちらは飼い主さんたちから人気のメニュー。左からエディブルチョレギサラダ、プレミアムセット、熟成上たん

肉菜工房 うしすけ 台場店

東京都港区台場1-6-1 デックス東京ビーチ1F
電話03-3599-0739
営業時間11:00~22:00(LO 21:30)
https://ushisuke-oneshot.net

ペットと一緒にぜいたくステイがしたい!

おなかがいっぱいになったところで、本日のステイ先へ。小型犬から大型犬、猫などほかのペットも車内フリーOKのペットタクシーで向かったのは、文京区にある「ホテル椿山荘東京」。

最近ワンコと宿泊できる星つきのラグジュアリーホテルやシティーホテルは増えてきているが、実はホテル椿山荘東京は1990年代からペットのステイプランを提供。いわばペットフレンドリーホテルの先駆けなのだとか。犬も猫も宿泊可。室内フリーOK!

日本庭園が望める客室内。ペットはフリーにしてOKなのでリラックスできる

客室は高級感があふれながら落ち着いた雰囲気。大きな窓からは美しい日本庭園が望める。もとは明治時代に総理大臣を務めた山縣有朋の邸宅「椿山荘」の跡地で、当時から意匠の限りを尽くした名園として愛されたという。春には桜、初夏は幻想的に庭園を舞う蛍、秋は紅葉など、四季折々に移ろう風景もまた、都心にあって最高のぜいたくだ。

リッチな室内にテンションが上がったもぐさん、ペット用のベッドを発見! なんとアメリカの高級ベッドブランド「シーリー」のもの。早速飛び乗り、ちゃっかりくつろぎ始める(笑)。ほかにもオヤツやハーブティー、各種アメニティーがそろい、身軽に快適なステイが堪能できるのがうれしい。 

お色直ししてシーリーのベッドでくつろぐもぐ。犬用おもちゃやおやつ、ハーブティーの他に椿山荘ホテル周辺のお散歩コースマップも用意されていた

ホテル内の空中庭園の一角には宿泊者専用の「プライベートドッグパーク」が。ボール遊びが大好きなもぐ、ふかふかの人工芝の上でボールを追いかけてランラン♪ 「犬見知り」でほかのワンちゃんがいるドッグランはちょっぴり苦手なもぐも、予約制の貸し切りなので、のびのびと楽しそう。

運河や海、緑豊かな庭園、そして歴史にも触れることができた今回の旅。一緒に楽しんだり、くつろいだりと、ワンコフレンドリーなスポットやサービスは確実に増えている。もぐも「また旅したいワン!」と大満足の様子。東京に暮らすワンコも、東京へ遊びに来るワンコも、新しい発見や出合いにあふれもっともっと家族の絆が深まりそう!

アジリティもあるドッグランでボール遊び

ホテル椿山荘東京

宿泊可能なペットは小型犬もしくは猫。
法律に基づいた予防接種を受けていること、その他のチェック項目を満たしていることが条件。
詳細は同ホテル公式サイト(https://hotel-chinzanso-tokyo.jp/stay/pet_friendly/)で。

(文・中津海麻子/撮影・鵜川真由子)

東京の自然を満喫コース

さて次は、自然が感じられるコースをご案内します。東京というときらびやかな大都市を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、東京西部には自然がたくさん!今回訪れるのは、東京都青梅市にある標高929メートルの御岳山です。御岳山は、国指定天然記念物の「御岳の神代ケヤキ」をはじめ、四季折々の自然が満喫できます。山頂にはペットと行ける武蔵御嶽神社があり、その道中はペットとのハイキングコースとして楽しめます。sippo編集部のSと、愛犬のハル(柴犬の女の子、1歳5カ月)で、御岳山のハイキングコースと見どころを紹介していきます。

ペット同伴で乗れるケーブルカーでいざ御岳山へ

都内から電車を乗り継ぎ到着したのは御岳登山鉄道の滝本駅。今回のコースは、滝本駅からペットと乗車できる御岳登山鉄道(ケーブルカー)で御岳山駅へ行き、有宮杉の木々を通り、山頂の武蔵御嶽神社を目指す。最後は、長尾平で景色を堪能する。

「ハルちゃん、これからケーブルカーに乗りますよ!」

まずはケーブルカーにハルと乗り、御岳山駅へ。ペットの運賃は体重10kg以下が片道130円(往復260円)、体重10kg超えだと片道260円(往復520円)。大型犬はもちろん、猫も同乗可能だ。大人は片道600円(往復1130円)、小児は片道300円(往復570円)。

ケーブルカーの進行方向のいちばん後ろがペットスペースになっており、ペットはリードを最短にして飼い主さんの近くに乗れば、ケージやバッグに入っていなくても同乗可能。

全長12mのカラフルでかわいらしいケーブルカーに、旅気分が盛り上がる。ハルは、初めてのケーブルカーに最初こそ緊張していたものの、乗り合わせた他の犬に気が移る。このときは、私たちの他に2組が犬と同伴で乗車しており、御岳山ハイキングの人気の高さをうかがえた。

初めてのケーブルカーにドキドキ。進行方向の1番後ろがペットスペース

どんどん上って行くケーブルカーは次第に木々に囲まれ、東京の自然の豊かさを感じる。御岳登山鉄道のケーブルカーの勾配は、いちばん急な区間で25度。スキー場で例えるなら、上級者しか滑れないような急坂になるそうだ。

滝本駅(標高407m)から約6分で、山頂付近の御岳山駅(標高831m)に到着。ペットの体力を考えると、ケーブルカーで一気に標高の高い所まで行けるのはありがたい。御岳山駅に到着したら私とハルのお水休憩をし、右方向の産安社へ。いよいよここからハイキングのスタート!

ハルも初めて見る景色。都心がどんどん小さくなり、あたりは木々に覆われる

御岳登山鉄道

東京都青梅市御岳2丁目483番地
https://www.mitaketozan.co.jp/

山道で涼み、商店街へ

武蔵御嶽神社へ向かう山道は、片道約 30 分の道のり。木々に囲まれ、涼しさを感じる山道は杉がたくさん。夏はレンゲショウマ、秋にかけては白い小花を穂のように咲かせるサラシナショウマ、春はカタクリなど山地の林内に群生する花々を見ることができる。

「何があるのかな~」。崖下をのぞいたり、山道や急勾配もがんがん進むハルの姿に感動した

ごつごつの樹肌、森や土の匂いに心躍るハルは、普段のお散歩よりもハイペース。どんどん前に進んでいこうとして、「はやく来てよ~」と言われているような気がした。

いろんな匂いや感触を楽しみ、キラキラした目で私を見るハル

山道を歩き進め、茅葺(かやぶき)屋根の歴史的建造物の馬場家御師住宅(宿坊・茶処 東馬場)を通り過ぎると御岳山商店街が見えてくる。

昭和の雰囲気が残る御岳山商店街は、ペットと食事ができるお店がいくつもあるので、「ランチはどこにしようかな」と、チェックしておくのもおすすめだ。

「こんにちは~。私のおやつはありますか~」。ペット用クッキーが販売されていた商店街にて

「おいぬ様」信仰の地、武蔵御嶽神社を参拝

商店街を抜けると、武蔵御嶽神社の手水舎があり、ペット用の水場があることに驚く。ここまでドッグフレンドリーになっているとは!

武蔵御嶽神社の手水舎にペット用水場が。ここからしばらく階段が続く

ここから武蔵御嶽神社までは、約330段の階段を上る。私はハルとのウオーキングに夢中で気づけなかったのだが、階段の途中には3匹の天邪鬼がいて、踏むと清い心になって参拝ができると言われているので、じっくり探してみてほしい。

「ハル待って~」、終始元気なハルにつられてこちらもエネルギッシュになれる

ハルはすれ違う犬たちとあいさつを交わしたり、元気いっぱい! 階段のほかに上り坂もたくさんあったが、休むことなくずんずん歩く。そんなハルにつられて、私もがぜんやる気に。ハルと一緒だと、普段とは違う景色や楽しさに出合えて新鮮!

いよいよ目的地の武蔵御嶽神社に到着。神社の手前で狛犬にもあいさつしつつ、参拝へ。多くの神社は犬連れでは入れないのだが、武蔵御嶽神社は犬を歓迎してくれる。

武蔵御嶽神社に到着!

というのも、日本の古代史における伝承上の英雄、日本武尊(やまとたけるのみこと)に由来する。日本武尊が東征の際に道に迷い、そこに現れた白狼(はくろう)が、西北へ日本武尊の軍を導いた。その後、白狼(はくろう)に日本武尊が「『大口真神』として御岳山にとどまり、すべての魔物を退治せよ」と命じたそうだ。江戸時代の天保のころから大口真神は、魔よけ、盗難よけの神として広く知られ、親しみを込めて「おいぬ様」と呼ばれるようになった。

おいぬ様は本来オオカミだが、そんな経緯にちなんで、武蔵御嶽神社は愛犬の健康祈願を願う人々でにぎわうようになり、愛犬祈願を社頭で行っている(愛犬祈願は予約不要、1匹3000円~)。また、愛犬のお祓いを行う犬形代や、お守りも授与所にて頒布している。

「ずっと健康で毎日を楽しもうね」「はい!」

武蔵御嶽神社

東京都青梅市御岳山176番地
電話:0428-78-8500
http://musashimitakejinja.jp/

美しい山々を見渡す

武蔵御嶽神社から来た道を下り、途中にある随身門の手前を右へ曲がり、最終地である長尾平へ。土や木々の匂いに癒やされながら歩くこと約15分、あたりがぱっと開けてくる。

長尾平は、美しい山々を見渡せる静かな場所。売店やトイレもあり、お弁当や休憩ポイントとしても最適。広い空の下、ハルは草をかき分けぴょんぴょん歩く。

長尾平は山々の景色を楽しめる絶景スポット

体力に自信のある方は、武蔵御嶽神社のあとロックガーデンへ回るコースもおすすめだ。ロックガーデンは、綾広の滝から七代の滝まで続く約1.5kmの岩場の散策路で、苔むした岩肌と木々の緑が水面に映り、秋は美しい渓谷の紅葉が楽しめる。

もともと私は山登りや森歩きが好きなので、いつかハルと体験してみたいと思っていた。ハルは、歩きながら終始周りをきょろきょろ見ていて、いつもと違う場所や匂いに興味津々! そんなハルの様子を見るのもうれしく、幸せな時間が過ごせた。

お出かけ楽しいね!また来ようね!

御岳登山鉄道のケーブルカーに始まり、御岳山のハイキング、武蔵御嶽神社巡りは、あちこちでペットと一緒でも歓迎されるとても過ごしやすいコースだ。ペットと東京の自然を満喫しに、ぜひ訪れてみてほしい。

(文・小見山友子/撮影・鵜川真由子)

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